「老人ホームの食事ってまずいの?」という疑問の声をよく聞きます。
確かに、老人ホームは介護を目的としている施設ですし、食事は二の次になっているイメージがあるかもしれません。
しかし、食事を1日の楽しみにしているといった高齢者の方は多いのではないでしょうか?
楽しみにしている食事が満足のいくものでなかったら、老人ホームでの生活が苦に感じてしまうのも無理ありません。
ですので、老人ホームを選ぶ際には、食事内容をしっかりと把握しておくことが重要なのです!
そこで今回は、事前にチェックしておきたい食事のポイントを紹介していきます!
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老人ホームの食事内容は?
老人ホームでは、様々なメニューで食事を提供し、入居者が食事に飽きないようにしています。
では、実際の食事内容はどのようなものなのでしょうか?
通常の献立
以下はある老人ホームの一日の食事です。
朝食 | ご飯、お味噌汁、卵焼き、鶏と野菜の煮物、サラダ |
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昼食 | 海鮮丼、お味噌汁、キノコの和え物、浅漬け |
夕食 | ご飯、お味噌汁、魚の煮つけ、豆腐、きんぴらごぼう、春雨サラダ |
食事ごとのカロリーは、500~700キロカロリーに調整されています。
品数もあり、栄養素の整った献立になっています。
イベント時の献立
老人ホームでは、イベント時に特別メニューを用意しているところもあります。
お正月やお花見、クリスマスや月に一度の誕生日会など、イベントに合わせた献立が用意されます。
通常の献立も、バランスが整っていて美味しそうでしたが、変わり映えがないと飽きてしまいますよね。
イベント時の特別メニューがあることで、その日の食事が楽しみになるのではないでしょうか。
老人ホームの食事でチェックすべきポイント6選
老人ホームの食事に関してチェックすべきポイント6選を紹介します。
様々な食事形態が用意されているか
体調や病気によっては、摂取すべき食事が変わってくることもあり得ます。
利用している老人ホームが普通食しか用意しておらず、食事形態が変わるので施設を移動するのは大変なことですよね。
ですから、利用したいと考えている老人ホームにどのような形態の食事があるか確認しておくことが大切です。
老人ホームで提供される食事形態は以下の3食に分かれています。
- 普通食
- 介護食
- 治療食
普通食
一般的に家庭やレストランで食べられている食事のことを指します。
最初に説明した通常の献立やイベント時の食事は、この普通食に含まれます。
介護食
高齢になると嚥下機能(※)が低下します。
嚥下機能が低下し、誤って食べ物を飲み込んでしまうと肺炎を引き起こす可能性もあります。
そのため、入居者の咀嚼する力に合わせた介護食が用意されているかも重要なポイントです。
【介護食の種類】
ミキサー食 | ミキサーなどにかけ液状化させた状態のもの |
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刻み食 | 刻んだりすり潰したりしてペースト状にしたもの |
とろみ食・ゼリー食 | くず粉などを使いとろみをつけたもの |
ソフト食 | 舌だけで潰せるよう柔らかくしたもの |
水分補給食 | 飲み物などをゼリー状にし水分補給しやすくしたもの |
治療食
治療食とは、糖尿病などの病気の症状に合わせた食事のことです。
減塩食、糖尿病食、腎臓病食、アレルギー食などがあります。
老人ホームによっては、治療食を利用するには追加料金がかかることもあります。
追加料金がかかるのかどうか。事前にチェックしておくようにしましょう。
どこで食事は作られているか
老人ホームで提供されている食事がどこで作られているかというのは、意外と重要なポイントです。
老人ホームの食事は、施設内でイチから作られている「直営給食」と外部に調理を委託して運び込んでいる「委託給食」の2種類に分けられます。
それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか?
老人ホーム内の厨房で食事を作る
食事に力を入れている老人ホームのほとんどは、施設内の厨房で食事を作っています。
「施設内で食事を作っています!」ということをセールスポイントにしている老人ホームも見受けられるくらいです。
施設内でイチから調理することで、少量の塩分でも十分に味を付けることができます。
もちろん、出来立てを食べることができるので、毎日温かい料理を食べることもできます。
実際に料理を作ってくれる人が身近にいるので、調理者の顔を見ることができ安心できるというのもひとつのメリットです。
しかし、厨房設備の維持費などもかかってくるためコストがかかってしまいます。
外部に委託して食事を用意している
外部に調理を委託した食事は、やはり見た目や味付けの面が、イチから施設で作っている食事に比べ劣ってしまいます。
委託した食事は冷凍で届くこともあり、解凍することで、必要な水分まで出て味が薄くなってしまうのです。
しかし、設備維持費がないのでコストは軽減することができます。
入居者やご家族の金銭的負担を減らすために、外部委託で食事を提供している老人ホームもあります。
食事の際の決まり事はあるのか
同じ時間にみんなで集まり食事を摂っているイメージがあると思いますが、食事のルールは施設によって異なります。
食事を摂る座席や時間は決まっているのかを確認することで、入居後のイメージが湧きやすくなります。
食事の際に補助はあるのか
食事の際にどのようなサポートをしてくれるのかは、入居者の方にとってとても重要なことです。
最近では、食器などは持ちやすいものを使用し、なるべく自分で食事を摂ってもらう老人ホームもあります。
入居者の日常生活動作衰えないよう自立を促してくれることも立派なサポートです。
しかし、食事介助が必要な入居者に対しスタッフの数が少なく、食事が覚めた頃にサポートが回ってくるなんてこともあります。
食事サポートも、入居者が食事を楽しむためには大切なことですので、どれほどのサポートが受けられるか事前に確認しておきましょう。
朝食は要チェック
1日3食のうち、最も簡素になりやすいのが朝食です。
準備する時間や人数が限られてしまうので、クオリティにまで手が回らないというのが実際のところです。
ですから、朝食にどれだけ気を配れているかで、その施設の食事への取り組み具合を確認することができます。
月間の献立もみせてもらう
可能であれば、1ヶ月の献立を見せてもらいましょう。
献立の流れをみることで、同じようなメニューが続いていなく飽きがこないように工夫されているかチェックすることができます。
施設で出されている食事の雰囲気を掴むことで、自分の好みに合った食事なのかも確認することができますよ。
老人ホームの見学は昼間に行こう
献立を確認して大体の食事内容を把握するのもいいですが、実際に食べてみることが一番です。
老人ホームの見学はお昼時に行い、試食させてもらいましょう。
試食することで、味を確認できるだけでなく、食事の際の雰囲気やスタッフのサポート具合なども掴むことができます。
献立をみて、いくら栄養素がそろっていて健康そうな食事でも、美味しいとは限りません。
試食をしたいということをしっかりと伝えてから、見学に行くようにしましょう。
外から持ち込んだモノは食べていいの?
その日の体調によっては食事がのどを通らず、あとでなにか食べやすいものを食べたいというときもあるかもしれません。
または、自分のお気に入りのふりかけや調味料などがありご飯のお供にしたい!なんて人もいるでしょう。
そのような場合、外部から食べ物を持ち込んで食べることは可能なのでしょうか?
老人ホームでは、基本的に食べ物を持ち込むことを制限しているところは多いです。
食べ物を持ち込んだ場合、スタッフの人が賞味期限等を把握し管理しなければなりません。
もし管理が行き届かず、食中毒などが起きてしまったらとても危険です。
老人ホーム内での食中毒等を防ぐために、食べ物の持ち込みは制限されています。
しかし、ご家族などが面会時に持ってきたものは食べても構いません。
その場合、生ものでも大丈夫です。
ただし、その場で食べ、食べ残しは持って帰ってもらうようにしましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
老人ホームを決める際、費用や設備などに目が行きがちで、食事は見落とされてしまうことが多いです。
しかし、食事というのは、1日3食、毎日提供されるものです。
自分の好みに合った食事が出てくることで、食事の時間がちょっとした楽しみに変わるでしょう。
小さなことでも、楽しみを作ることが充実した老人ホームライフに繋がります。
食事もひとつの要素に入れて、老人ホーム選びをしてみてください!