コラム

介護の現場に生きる力を!アラフィフ主婦が介護福祉士になったきっかけとは?

コラム

高齢者デイサービスと放課後等デイサービスのスタッフを経て、現在は訪問介護ステーションで介護福祉士として働いております、ゆるゆらりと申します。

私が、介護の仕事に就いたのは、七年前、すでに五十歳になっており…きついと言われる介護の世界でやっていけるか、大きな不安はありました。

それでも、「どうしても、介護職に就きたい!」…その思いは強く、介護の世界に飛びこんだのでした。

案の定、専業主婦で当時は資格もなかった私に、介護の仕事は大変で、失敗したり、落ち込んだりの連続でした。

「もう、やめようかな…」そう思うこともありました。

しかし、同時期に入った同僚が、人間関係や、腰痛で辞めていく…そんな中ふんばれたのは、ある理由がありました。

この記事を書いたライター
ゆるゆらりゆるゆらり

介護福祉士として、介護の仕事に邁進しつつ、アメーバブログで介護や同居義母の漫画をアップしています。ブログのフォロワーは三万七千人、インスタグラムは一万九千人です。
アラフィフから、介護の仕事を始め、放課後児童デイ、高齢者デイで六年、現在は訪問介護ヘルパーとして、自転車で近隣を走り回っています。2017年九月にKADOKAWAより「アラフィフでヘルパーはじめました」を出版、ブログを始めて三年目にアメーバ公式トップブロガーとなりました。
ヘルパーおかん。アラフィフ専業主婦からのハローワーク

※本ページにはPRが含まれます。

デイサービスでの出来事が大きなターニングポイントに…!

介護職に就く七年前、私はママ友四人で、人形劇や紙芝居パフォーマンスのボランティア劇団を立ち上げ、福祉施設や小学校、保育園などを公演してまわっていました。

障害者施設、作業所施設、デイサービス、グループホーム、サービス付き高齢者住宅…様々な施設で、利用者様の心からの笑顔や、施設スタッフさんの仕事ぶりに触れるうちに、「こんなところで働きたいなぁ」と、漠然と思うようになりました。

そんな時に訪れた、ある小規模多機能型居宅介護施設のデイサービスでの出来事が、大きなターニングポイントとなりました。

事前に打合せに行きましたが、その時スタッフの方に聞いたのは、利用者様はけっこう重度な障害のある方や、認知症の方がほとんどと言う事でした。

デイサービスでのレクリエーションの一時間をお任せするとのことでしたが、その時「認知症の方も、身体が不自由な方も、みんなが参加できて笑顔になれるレクリエーションをしたい!」と座長である私は提案しました。

仲間も賛成してくれたので、「みんなが参加できて笑顔になれてリハビリにもなる」オリジナルレクリエーションを引っさげて、デイサービスに参上しました。

まず、私たち四人のいでたちは、手作りの河童のきぐるみ。

その姿にかなりインパクトがあったのか笑顔で迎えてくださる方もいましたが、ほんの2、3人でした。

その他の方たちは、うつろな表情であったり、居眠っておられたり…

デイサービスのスタッフの方々も、おばちゃん四人組のレクリエーションに、そんなに期待をもっていないようでした。

「はーい!みなさん、今日は、私たちとクイズ合戦ですよー!」デイサービスの真ん中で大声をだしても反応うすく…

しかし、私が用意してきた自作のイラストを見たとたん、皆さんの目の色が変わりました。

それは、私が、徹夜でスケッチブックに描いた「昔道具のイラスト」だったのです。

氷で冷やす木製冷蔵庫、炭火のアイロン、七輪、火鉢、洗濯板とたらい、ポンプ式井戸、羽釜…戦後の荒廃の中から立ち上がり、貧しくとも必死で働き子育てし、家族のためにがんばった、そんな日々の中の生活に寄り添っていた道具たち。

自分が一番輝いていた時代にタイムスリップできる懐かしい形がそこにあったのでした。

「昔の道具、これなんでしょう?」とたずねるたびに全員が口々に正解を答えられましたが、その前に他の河童が、わざとまちがえた答えを言ってぼけるのです。

すると「こんなことも知らんのかー!」とその使い方まで教えてくださり、デイサービスは嘘のように活気をおびて、利用者様の笑い声と生き生きした表情が溢れたのです。

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車椅子のご婦人が起こしたこんな奇跡も…

そして、「ポンプ式井戸の使い方」を車椅子のご婦人に聞いたとき、奇跡が起きたのです。

「どうやって使うのかなぁ?」と河童たちがもめていると、その方は、いきなり車椅子から立ち上がり、「教えたげるわ!こうやって使うのよ!」と、ポンプを力強く押す動作をしたのです。

めったに立ち上がらないその方の行動にスタッフの方々も驚いておられました。

そして、なかには昔を思い出して涙する方、かつて勤めていた電話の交換手の仕事を思い出された方…

静かで暗かったムードが、嘘のように消え、利用者の方々の瞳にまるで、灯が点ったようでした。

一時間のレクリエーションの時間はあっという間に終わり、大喜びの利用者様の中には、「河童のきぐるみを貸してほしい。」と河童に扮装される方もいたのです。

思うに、その方たちは、いつも世話をされるばかりで、自分からは世話をしたり、教えたりすることはほとんどなく、人にものを教えるなど久しぶりだったのかもしれません。

「また、絶対来てやー!」と嬉しい歓声の中、その日の公演は終えたのでした。

短期記憶や最近のことを忘れても…自分が、確かに輝いていた時代のことは決して忘れられないのでしょう。

高齢者のリハビリに、この昔道具クイズは、心身ともに、とても役立つと思うのです。

ボランティア体験はその後の指針に!

それからしばらくして、そのデイサービスのスタッフの責任者の方から、丁寧なお礼状が届きました。

そこには「私は、15年介護職をやっていますが、ボランティアの方のレクリエーションでこれほど利用者様が喜んでいただけた姿は見たことはありません。普段の姿からは想像がつかないほどいきいきした笑顔の利用者様方の笑顔に驚きました。本当にありがとうございました。」とありました。

「レクリエーションで、認知症の方をはじめとする高齢者の方々を笑顔にしてまわる!」

この時のボランティア体験が、私のその後の介護士になってからの、指針となり「高齢者の方々は、自分の知識や技術を活かしたい気持ちを持ち続けている。お世話だけの介護でなく、自らが参加して心も身体も動かしていただくことが、生きる力になる。」との確信になりました。

利用者だって、お世話されるだけでなく、お世話したい!

その後、デイサービスのスタッフとして、働きだしてからも、様々なシーンで利用者の方々の「お世話されるだけでなく、お世話したい。」「ありがとうと言うよりも、ありがとうと言われたい」…そう思っておられるのだなぁと感じることがありました。

特に心に残っている、ある利用者様…この方は、かなりすすんだ認知症で、歩行もおぼつかず、日常生活動作も忘れてしまいがちな方でした。

しかし、上品な物腰と、少女のような笑顔で、周囲からも愛されておられました。

もう、いろいろなことができなくなり、介助がかなり必要だったのですが、ある日の車内のできごとが今でもわすれられません。

その日は、もうかなり暖かい時期で、車内に置いたひざ掛けも必要なかったのですが、その方は最初に車に乗り込んでから、後から乗り込む方に笑顔でひざ掛けを配ったのでした。

この出来事に、自分のことより、人のお世話をしたいと言う気持ちは認知症になっても変わらないのだなぁと思ったものです。

この「お世話したい。」「感謝されるばかりでなく、感謝されたい。」と思う力を、これからの介護にとりいれていったら、介護のかたちも変わっていくと思います。

生きる力を生み出す介護は、介護する側の姿勢によって変わっていくものだとも…

どんなに、認知症がすすんでも、最後まで笑顔を認識する力は失われないと聞きます。

ならば、笑顔で利用者様に、感謝を伝えることが、なによりの生きる力につながるのではないかと思うのです。

介護する側とされる側の垣根をとりはらい、お互い助け合えるシーンを考えていくことが、これからの介護を変えていくのかなぁとも思います。

人生の最後まで、自分が主人公であると思えるよう、そして思いっきり笑い合える…そんな場面を作りだせる介護士になることが、今の私の目標です。

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