『父親が老人ホームに入居しているのですが、認知症が進んできていて夜中に違う人の部屋に行ってしまうことがあり、迷惑だと言われているそうです。このようなトラブルが原因で老人ホームを退去しなければいけないということはあるのでしょうか。』
老人ホームに入居している方はもれなく高齢者なので、認知症になってしまい、徘徊するといったことも珍しくありません。
ただし、度が過ぎると退去勧告が出されてしまうこともあるので注意が必要です。
自分の親は大丈夫だと思っている方もいると思いますが、誰しもが退去勧告されてしまう可能性を持っています。
自分の親には関係ないと思わず、しっかりと退去勧告にならないように努めなくてはなりません。
今回の記事では、老人ホームの退去勧告についてまとめているので、ぜひ参考にしてください!
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老人ホームで退去勧告が出されることはある?
そもそも、『老人ホームは認知症でもしっかりと面倒を見てくれるのではないの?』と思う方もいるでしょう。
面倒を見てくれることには間違いありませんが、それも度が過ぎてしまえば話が違ってきてしまいます。
なので、いくら面倒を見てくれると言っても、退去勧告が出されてしまうことはありえるということを覚えておきましょう。
退去勧告を出されてしまう主な理由は以下の4つです。
- 迷惑行為を行う
- 長期的な入院が必要になる
- 料金が支払えなくなってしまう
- 不正が発覚する
これらについて詳しく解説します。
迷惑行為を行う
迷惑行為と言っても抽象的過ぎてよくわからないですね。
例えば、
- 喧嘩や暴力
- ストーカー行為
- 深夜徘徊
- 器物破損
- セクハラ
などが迷惑行為として挙げられます。
介護施設では更生の余地がないとされてしまうと、退去勧告を出されてしまう可能性があります。
長期的な入院が必要になる
長期的な入院をしなければいけなくなってしまい、老人ホームに数か月戻れなくなってしまうと分かると、退去勧告が出されてしまう可能性があります。
ただ、これは悪い意味ではなく『月額費用も入院費も掛かるので、しばらく戻れないのであれば、老人ホームを退去したほうが安くなりますよ』くらいの気持ちだと思っていただければOKです。
この場合は、入居者と施設側で話し合って決めることが多いので、命令的な要素は少ないです。
ただし、数か月であれば話し合いで住みますが、1年以上になっていて入居待ちの方がいれば強制的な退去勧告が出されてしまうこともあります。
その点には注意してください。
料金が支払えなくなってしまう
当たり前の話ですが、お金が払えなければ老人ホームに入れてもらうことはできません。
特別養護老人ホームのような公的な老人ホームであれば何とかしてもらえることもありますが、民間企業が経営している老人ホームは難しいですね。
有料老人ホームだと、3か月間支払いが滞ると退去勧告が出されてしまいます。
支払いができないのであれば仕方がないですね。
もっと安い老人ホームを探すことをおすすめします。
不正が発覚する
珍しいケースですが、入居時に条件を偽っていると、発覚時に退去勧告が出されてしまうことがあります。
極端な例ですが、認知症が進んでいるのにもかかわらず認知症ではありません。と言って入居後に認知症だったことが発覚すれば退去勧告が出されてしまうこともあります。
入居が拒否されてしまうかもしれないという不安から嘘をついてしまう方もいるようですが、入居後に発覚してしまうほうが悲惨なので、必ず事実を伝えましょう。
退去勧告には必ず従わなければならないのか?
退去勧告には強制力というものがあるのかどうか気になりますよね。
結論から言ってしまうと、入居時にもらっている契約書に書かれている『退去要件』に一致していれば強制権を持ちます。
ただし、老人ホーム側と入居者の家族とで判断の相違が生じてしまうこともありますね。
もし退去勧告に納得がいかないのであれば、裁判を起こすか苦情申し立てを行うことができます。
退去勧告が出されているのにも関わらず、無視して老人ホームに住み続けていると訴えられてしまう可能性もあるので、退去勧告が出されたらすぐに行動に移しましょう。
退去勧告が出されてから退去するまでの期間はどれくらい?
退去勧告が出されたとしても、大体3か月以内の退去で考えればOKです。
退去勧告が出されてその日に退居してくださいと言われることはありえないので安心してください。
なぜかと言うと、次の老人ホームを見つけるために時間が必要だからです。
また、3か月間は老人ホームの職員の方たちも老人ホーム探しを手伝ってくれるので、焦らなくても大丈夫です。
老人ホーム探しに時間が掛かるという理由から、3か月という期間が設けられています。
ただ、3か月たっても老人ホームを見つけることができなかったという方もいるでしょう。
つぎの老人ホームが見つからなかった場合には、いまの老人ホームにもう少し住んでいてはいけないか聞いてみましょう。
普通に拒否されてしまうこともあるので、そのような場合にはショートステイや在宅介護をしながら老人ホーム探しを続けるしかありません。
入居金は戻ってくる?
入居金に関しては、償却期間内であれば、一部返却されます。
償却期間外であれば返金されることはありません。
これは普通に老人ホームを退去したときと変わりありませんね!
入居金に関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になった方はこちらをご覧ください。
退去勧告に納得いかない場合は?
退去勧告に納得できないという方も多くいるでしょう。
そのようなときは、
- 市区町村の役所
- 国民健康保険団体
- 社団法人全国有料老人ホーム協会
- 弁護士
に相談してみましょう。
裁判をすることも可能ですが、調査をすることになるので決着がつくまでにはとても時間が掛かります。
また、裁判をするには無料というわけにはいかなく、それなりのお金が必要になるので、お金の面の準備もしなければなりません。
いきなり裁判になることはありえないので、納得いかないのであれば相談だけでもしてみましょう。
まとめ
老人ホームでは介護をしてもらえますが、手に負えない状態になってしまうこともあります。
そうなったときに退去勧告が出されてしまうことも頭に入れておきましょう。
どうしても納得のいかない退去勧告であれば相談から始めるのも一つの手です。
後悔のないようにしましょう。