日本では高齢化が進んでおり、介護問題はみなさんの身近なものとなってきました。
入居金などもかかってしまうし、施設に入れず在宅で介護をしている人も多くいらっしゃいます。
しかし、在宅介護は疲れが生じやすく、多くの人が限界を感じているのです!
今回は、そのように在宅介護で限界を感じた人の実際の声を集めました。
最後には、限界を感じたときの対処法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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在宅介護で限界を感じた瞬間
在宅介護をしている家庭がある分、介護内容も違ってくるので、限界を感じる瞬間もひとそれぞれですよね。
そこで、在宅介護をしているみなさんが限界に感じた瞬間を集めました。
介護に限界を感じているのはあなただけではありません。
周りの人の実際の声を見てみましょう。
「とにかく休みがない」(53歳/男性)
「日中は仕事、帰ったら介護、寝る時間がない」(54歳/男性)「オムツ交換で腰を痛めてしまった」(61歳/男性)
「介護疲れで倒れ、入院した」(58歳/女性)
「認知症のせいで、お願いしたことをすぐ忘れられる」(50歳/女性)
「自分の時間がない」(60歳/男性)
「仕事を辞めなくてはいけなくなった」(52歳/女性)
「トイレに連れてくために、夜中に何度も起こされる」(56歳/女性)
置かれている介護状況によって、やはり限界を感じた瞬間は人それぞれですね。
今回、在宅介護を行っている人に話を聞いて、「精神的負担」「肉体的負担」「時間的負担」のどれかを感じていることがわかりました。
精神的負担
精神的負担を抱えているご家族で最も多かったのは、「認知症」の親を介護しているパターンでした。
認知症の方は、物忘れが激しかったり、感情的な行動をとってしま雨のが特徴です。
以前とは全く異なる態度の親を相手に、つきっきりで介護をすることがストレスの原因となってしまうのです。
介護ストレスが引き起こす体調も多く見られました。
肉体的負担
介護は、日常生活の支援を行うわけですから、基本的に動きっぱなしです。
その上、在宅介護ですから、24時間何も考えずに落ち着ける暇はないということです。
肉体的にも負担がかかってくるのは、想像できますよね。
最初の「実際の声」を見てもらっても分かる通り、介護をしている方は50歳以上ばかりでした。
「老老介護」という言葉も、最近ではよく耳にしますよね。
そうなれば、より肉体的負担が大きくなってしまうのも無理ありません。
時間的負担
日中仕事をしている人の場合、帰宅したら介護に追われ、自分の時間は一切なくなってしまいます。
体調不良だったり、急な体調の悪化だったりなどで、仕事を休む必要性がでてくる場合もあります。
今まで通りの生活時間を崩されてしまうことは、いくら親の介護だからといっても、ストレスになってしまいますよね。
体験談:「認知症の祖母が…」
以前、筆者は友人から「介護で疲れている…」と相談を受けたことがあります。
友人は、認知症の祖母と同居しており、家族みんなで協力していてもとても大変な介護だったと言っていました。
その時に聞いた実際の体験談を紹介したいと思います。
私は父、母、姉、私、弟、そして祖母の6人で暮らしていました。
祖母は、私が学生の頃から認知症を患っていて、症状はどんどんひどくなるばかりでした。
電気の消し忘れ、水道の止め忘れは日常茶飯事だったので、家中のあらゆるスイッチに「止めて!」と母が書いたシールを貼っていました。
それでも水道を止め忘れてしまい、洗面所が水浸しになってしまうことも…。
そんなとき、最大の事件が起きました。
ある日、母・姉・私の3人で出かけていて、家に帰ると祖母がいきなり激怒し始めました。
後からわかったのですが、このようなとき、認知症の方は「自分だけ仲間はずれにされている」と勘違いしてしまい、感情が抑えられなくなってしまうそうです。
激怒してきた祖母に、日頃からの介護ストレスが爆発してしまった母が言い返してしまうと、大げんかに…。
ついに祖母が母に手を出してしまいました。
母の介護ストレスもピークに達していましたし、今後またこのようなことが起きた時、もし母がやり返してしまったら老人虐待になってしまうという危険もありました。
そこで家族と話し合い、祖母のことを施設に入れることにしました。
(20代/女性)
在宅介護に限界を感じたときの対処法!
実際に在宅介護に限界を感じてしまったら、どうすればいいのでしょうか?
対処法を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 周りの人に相談しよう!
- ケアプランを見直そう!
- 施設へ入居する決断も時には大事!
①周りの人に相談しよう!
介護に限界を感じたとき、一人で抱え込まないということがとても大切です。
悩みを聞いてもらうだけでも、心が楽になります。
家族や友人に相談するようにしましょう。
介護を経験している友人がいれば心強いかもしれませんね。
介護をしていると時間的拘束が激しくなり、友人とも疎遠になってしまいます。
相談を目的にでも友人と会うことで、いい息抜きになるのではないでしょうか。
また、民間でも様々な介護相談窓口があり、無料で相談に乗ってくれます。
住んでいる地区町村の窓口番号を調べておくようにしましょう。
②ケアプランを見直そう!
「介護するのはもう限界…」という状況を少しでも改善できるよう、現在のケアプランを見直しましょう。
何が限界なのか、どのような介護負担をなくしていきたいのかを、ケアマネージャーにしっかりと相談することで、適切なケアプランに見直すことができます。
このように介護しているご家族などの負担を軽減するための支援を「レスパイトケア」と言います。
近年では、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」という24時間対応の介護サービスも始まりました。
この介護サービスを利用することで、時間的拘束を少しでも減らせるのではないでしょうか。
③施設へ入居する決断も時には大事!
一緒に生活できることは在宅介護のメリットではありますが、施設への入居も視野に入れてみてください。
在宅介護によって生まれる「私がしっかりと介護をしなきゃ!」という責任感から、介護ストレスを感じやすくなっている場合もあります。
ストレスから介護者が倒れてしまったら、在宅介護をしていた意味もなくなってしまいますよね。
その点施設は、プロの介護スタッフが24時間体制で介護をしてくれます。
施設には様々な種類があるので、今必要としている介護サービスを考えて、施設を選んでみてはいかがでしょうか?
ここで、ニーズに合わせた一部の施設を紹介します。
認知症の方向けの施設
認知症の方が入居できる施設には、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)があります。
サービス内容は、「食事」「掃除」「生活支援」「入浴」「排泄支援」「リハビリ」「レクリエーション」と、一般的な施設と変わりません。
要介護2以上でないと入居することができませんが、認知症の方限定の施設なので、安心して任せることができます。
介護ナシでは日常生活が困難な人向けの施設
身の回りの生活支援を主に行ってくれるのが、特別養護老人ホーム(特養)です。
サービス内容は、「食事」「掃除」「生活支援」「入浴」「排泄支援」「リハビリ」「健康管理」と、こちらも他の施設と変わりはありません。
近年では、看取り対応もしているので、最期の棲み家に選択することもできます。
また、特養は公的施設なので、比較的安く利用できるのもメリットのひとつです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
在宅介護に限界を感じている人は、実は多くいるという現状を理解していただけたでしょうか?
限界を感じているのはあなただけではありませんので、一人で抱え込まないようにしてくださいね。
今回紹介した対処法を実践して、介護ストレスを軽減していってください。
介護する人・される人、双方に負担のない介護生活が送れるように、心から祈っています!