高齢化が進み、在宅介護を検討し始める人も増えてきているのではないでしょうか?
住み慣れた環境で過ごせることは要介護者にとって大きなメリットではありますが、在宅介護にはいくつかの問題点があります。
これから在宅介護をしようとしている人は、どのような問題点があるのか気になりますよね?
事前に問題点を確認しておくことで、万が一自分のご家庭に問題が起きたときもスムーズに対処することができるでしょう。
そこで今回は、在宅介護の問題点について徹底解説していきます!
介護をしているご家族によくある問題点もあげていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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在宅介護の問題点とは?
在宅介護の問題点には、一体どのようなものがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
- 介護業界の人材不足
- 介護離職の増加
- 2025年問題
- 老老介護
- 高齢者虐待
介護業界の人材不足
介護業界では、以前より人材不足が問題点とされています。
公益財団法人介護労働安定センターが平成29年度に実施した「介護労働実態調査」の結果によれば、介護サービスに従事する従業員の不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は66.6%でありました。
この結果により、平成25年以降4年連続して人材が不足しているということがわかりました。
介護業界は賃金が低く、採用が困難であることが不足している理由として挙げられます。
また、離職率が高いことも人材不足に影響しており、毎年5~6人に1人の人が退職している調査結果が出ています。
介護離職の増加
家族などの介護のために仕事を辞める「介護離職」も問題点とされています。
介護離職をするのは中高年層が多く、その数は年々増加傾向にあります。
介護離職において一番の問題点は、経済的負担です。
いくら配偶者が仕事をしていたとしても、一人分の収入がゼロになるわけですから、生活が苦しくなるのは当たり前ですよね。
その上介護に必要な費用もかかってくるわけですから、生活は苦しくなる一方です。
介護と仕事が両立できるように、転職をすることもできます。
しかしその場合、フルタイムで働くことが困難になるので収入が増えるのは間違いないでしょう。
「仕事は続けたいけど十分な介護もしてあげたいし…」と悩んでしまうのも無理ありません。
今まで育ててくれた親ですから、しっかりと介護を全うしたいと考える人がほとんどだからです。
介護離職をする前に、職場の介護支援制度を利用したり、会社と働き方について話し合ってみたりなどしてみましょう。
2025年問題
2025年問題という言葉を聞いたことはありますか?
戦後に生まれた第1次ベビーブーム時代が70歳を超えている現在の日本では、2025年には4人に1人が75歳以上の高齢者となることが予想されています。
75歳を超えると要介護者になる確率が高く、2025年には240~250万人の介護職員が必要になると言われています。
先ほども言ったように、介護人材の不足はすでに問題です。
少子高齢化となっている日本では、働き手も減少しつつあり、満足のいく介護人材の確保は難しいと考えられるでしょう。
しかし、介護のニーズは高まるばかりなので、介護難民が発生してしまうことに繋がるのです。
老老介護
老老介護とは、65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態のことを指します。
2016年に行なった厚生労働省の国民生活基礎調査によると、老老介護の世帯割合が54.7%に達しました。
老々介護の一番の問題点は、「肉体的負担」です。
おむつ交換や寝返りの介助など、介護には体を動かすことが多く、プロの介護士でさえ腰痛を悩みに抱えています。
要介護者の介護度にもよりますが、高齢になればなるほど体の自由がきかなくなるので、老老介護での肉体的負担をいかに大きいものか想像がつくでしょう。
高齢者虐待
介護の現場において、高齢者に虐待をするケースもおきます。
高齢者虐待は年々増加傾向にあるのです。
高齢者虐待の理由は様々で、多くの要因が重なり合って起きてしまうことがほとんどです。
虐待者も「しっかり介護をしてあげたい!」と言う気持ちと、ストレスで板挟みになってしまっている場合も多いでしょう。
高齢者虐待の早期発見ができるよう、要介護者と介護者が孤立しない環境を作っておくことが大切です。
ご家族にとって一番の問題点は介護ストレス!
在宅介護をするにあたって、最も多く挙げられる問題点は介護ストレスです。
「肉体的負担」「精神的負担」「時間的負担」など、感じる負担は人それぞれです。
先ほども言ったように、最近では介護のために仕事を辞める「介護離職」も話題となっていますし、「経済的負担」も目立つのではないでしょうか?
介護ストレスを感じている人は、全ての事を一人でこなそうとしてしまい、介護を抱え込みすぎてしまうことが特徴です。
そのため自分の時間をうまく確保することができず、息抜きをすることができなくなってしまうのです。
介護ストレスに早い段階で気づき、定期的に息抜きをすることを忘れないようにしましょう。
介護ストレスの原因を把握することで、具体的な解決策を見つけることもできます。
また、介護から離れた時間を作ることで、介護ストレスの解消にもつながります。
介護に疲れたなと感じたら、休息のためにも介護サービスを利用してみるのはいかがでしょうか?
介護疲れを少しでも感じた時にも、利用してみてください。
早い段階から介護ストレスを解消しておくことで、高齢者虐待などの問題も防ぐことができます。
定期的に在宅介護サービスを利用することも一つの手です。
日中はプロに介護を任せ、残りの部分はご家族で協力をし介護を行っているご家庭も多くあります。
要介護者とその家族にあった介護の形を見つけましょう!
介護サービスを利用しよう!
在宅介護の問題点を解決するために、介護サービスを利用してみましょう。
ここでは筆者オススメの介護サービスを紹介していきます。
- 訪問介護
- デイサービス
- ショートステイ
訪問介護
訪問看護とは、疾患のある利用者の自宅を看護師などが訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスのことです。
医療処置に関わる対応をするので、医師が必要と認めた要介護者のみサービスを受けることができます。
具体的には以下のようなサービスが行われています。
- 血圧や体温、病状のチェック
- 入浴・食事・排せつ介助
- 医療処理
- 医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器など)
- 身体機能回復や嚥下機能訓練などのリハビリテーション
- ご家族への介護指導や相談
訪問看護サービスを提供しているのは、病院・診療所と看護ステーションです。
実際に利用者の自宅を訪ね、サービスを提供するのは、看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保健士などの専門スタッフです。
デイサービス(通所介護)
デイサービスセンターなどに日中通い、介護やレクリエーションを通して日常生活に必要な機能を向上していくサービスです。
施設で受けられるサービスには、入浴・食事などの生活支援や、生活機能向上のための機能回復訓練などがあります。
施設には他の利用者もいるので、新たなコミュニケーションの場となり、通うのが楽しいと感じている人も多くいます。
毎日通うことで、生活リズムを生み出すこともできますよ。
デイサービスでは、送迎車などが用意されている施設もあるので、ご家族の介護の休息時間として利用している方もいます。
ショートステイ(短期入所生活介護)
特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保険施設に短期入所して、介護サービスを受けることができるサービスです。
一般的に短期入所と言われている期間は、数日~1週間程度と言われていますが、場合によっては30日程度利用することもできます。
ショートステイで受けられるサービスは、入浴・排せつ・食事介助などの生活支援や医師などによる健康管理、相談・助言、機能回復訓練などがあります。
介護者の休息として利用される場合もありますが、ご家族がどうしても外せない予定があったり、旅行に行ったりする時に利用されることが多いです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
在宅介護の問題点については理解していただけたでしょうか?
在宅介護には様々な問題点があります。
ご家族が中心となって解決できるものもあれば、地域一体となって解決していかなければならない問題点と様々です。
しかし、時にはご家族だけで解決することができず、誰かに相談したい場合も出てくるでしょう。
その場合は地域の相談窓口などを利用してみてください!
近年では、医療サービスや介護サービスが連携をし、高齢者が住みやすい地域を作るための支援が行われています。
地域が行なっている介護情報を集めるだけでも、在宅介護の助けとなるでしょう。
在宅介護の問題点を解決して、無理のない在宅介護を行うようにしてください!