『気になっている老人ホームがいくつかあるのですが、入居金0円のところと入居金300万円のところがあります。どのように違うのですか?』
老人ホームを探していると、『入居金』がなぜ必要なのかわからないという方がいます。
また、上記の質問のように入居金の差がよくわからないという方もいます。
この記事では、有料老人ホームの入居金やその他費用について解説していきます。
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入居金(入居一時金)とは?
入居金というのは、有料の老人ホームに入る際に、支払う必要のある費用のことです。
月額料金とは全く別で必要になります。
入居金は、0円から数千万円と老人ホームごとに設定されている金額が異なります。
入居金を支払う目的としては『終身利用する権利』のためです。
入居金を支払うことによってその老人ホームに亡くなるまで住む権利を得ることができます。
入居金を支払う意味とは?
先ほども述べた通り、『終身利用する権利』が最も大きな利点だと言えます。
ただし、ほかにも入居金を支払う意味はあります。
それは、『家賃の前払い』です。
予算に余裕がある方は先に入居金を支払っておくことで、家賃として機能させることも可能です。
最初に支払っておけば、そのあと支払いに関しての不安を感じることがないので安心して生活を送ることができますね!
また、最初に入居金を一括で払っておけば、月額で支払うよりも安く済む場合があります。
余裕がある方は入居金を一括で払ってしまったほうがお得になる場合があるので、入りたい老人ホームに確認してみましょう。
入居金が0円の老人ホームには何か意味があるの?
単純に入居金がいらないという有料老人ホームがあることも事実です。
ただし、入居金が0円の老人ホームは、月額料金が高くなっていることがあります。
初期費用が掛からないだけで、月額は平均以上という有料老人ホームもありますので、老人ホームを探す際は注意してチェックしましょう。
入居金は償却されることもある
入居金の償却制度について知っておきましょう。
そもそも償却とは、『借りたお金や投資などのお金を返すこと』という意味です。
これを入居金に当てはめて考えていきましょう。
初期償却と償却期間について知っておこう
初期償却とは、入居してすぐに老人ホーム側が一定割合の金額を入居金からもらう、というものです。
初期償却の割合は0~30%程度のところが多いです。
入居金の償却期間については、老人ホームごとに決められています。
例えば、介護付き有料老人ホームであれば償却期間は5年のように決められているので、入りたいと思っている老人ホームの種類で確認してみましょう。
償却期間内に退居した場合、返還されるの?
終身利用する権利を目的とした入居金の場合は、初期償却を抜いた金額が退去時に戻ってきます。
例えば、償却期間が15年で、利用者が亡くなってしまい13年間で退去した場合には、2年分の金額が退去時に戻ってきます。
ただし、償却期間が15年で15年以上入居していた場合は返金されることはありませんので注意してください。
返還金の計算方法
返還金の計算方法について紹介しておきます。
このようになります。
一つ例を出して算出してみましょう。
初期償却 30%
償却期間月数 5年(60か月)
入居期間 2年(24か月)
このように算出することができます。
クーリングオフ制度
老人ホームでもクーリングオフ制度を使うことができます。
入居してから90日間以内に契約解除を申し出ることで入居金が全額返金されます。
ただし、クーリングオフ制度の内容には、老人ホームごとに差がありますので、確認してみましょう。
入居金によるトラブルも
老人ホームに入居するときの説明不足や説明をよく理解せずに進んでしまうと、返還金を受け取るときに問題になることがあります。
クーリングオフ制度でも問題になることがあるので、老人ホームと契約するときにしっかりと理解しておきましょう。
また、口頭だけの説明では、退去時には忘れてしまっているかもしれないので、書面をもらうようにしましょう。
老人ホームの退去時のトラブルはよくあることです。
トラブルを防止するためにも、質問や書面での確認を心がけましょう。
入居金0円の老人ホームと入居金が必要な老人ホームはどちらがいいの?
一概に『どちらがおすすめ』と宣言するのは難しいです。
入居金が0円の老人ホームを選べば、人間関係のトラブルで老人ホームを住み替えることになってもお金がかからないので、メリットではあります。
入居金0円の老人ホームに入居し、途中から入居金を支払うことができる老人ホームもあります。
初期償却が嫌という方はこちらのやり方で老人ホームに入居しましょう。
まとめ
終の棲家としてふさわしいと思えるのであれば、入居金を支払っても問題ないでしょう。
それでも不安が残る方は、入居金0円からでも問題ありません。
また、トラブルが起きないように細心の注意をしましょう。