軽費老人ホーム(ケアハウス)とは、家庭の事情などを抱えた高齢者が比較的安価で利用できる老人ホームのことです。
形態が3つほどあり、入居にはそれぞれ条件を満たしておく必要があります。
生活支援や見守り体制が整っていることから、身寄りのない高齢者に人気の老人ホームです。
そんな軽費老人ホームも、高齢者社会に合わせて新たな形態の開設も始まっています。
そこで今回は、軽費老人ホームについて詳しく解説していきたいと思います!
新たに開設されている「都市型軽費老人ホーム」についても説明していくので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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軽費老人ホーム(ケアハウス)とは?
軽費老人ホーム(ケアハウス)とは、家庭環境・経済状況などの理由で自宅での生活が困難な高齢者が、低額で入居できる施設のことです。
食事の提供があるA型、自炊のB型、食事提供と生活支援がついているC型(ケアハウス)の3つのタイプがあります。
A型B型は新しく建設されていないため減少傾向にあり、2010年あたりからケアハウスへの一本化が始まっています。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)
軽費老人ホームC型(ケアハウス)には、「自立型」と「介護型」の2種類あります。
入居条件やサービス内容などが異なってきますので、ぞれぞれ確認していきましょう。
自立型ケアハウス
自立型のケアハウスは、自治体や社会福祉法人などが運営している施設です。
60歳以上で頼れるご家族がいなく、自立した生活に不安を抱えている人が入居できます。
自立型ケアハウスで受けられるサービスは以下の通りです。
- 食事提供
- 掃除、洗濯、買い物などの生活支援
- 医療機関との連携、緊急対応
介護度が軽ければ、外部の介護サービスを利用しながら住み続けられますが、要介護3以上になると利用するのが難しくなるでしょう。
居室の広さの規定は21.6㎡以上、2人部屋は31.9㎡以上と高齢者が住むには十分な広さがあります。
トイレ、洗面所、ミニキッチンなども完備されているので自宅と変わらない生活を送ることができるでしょう。
共有スペースとして、食堂兼リビング、浴室、洗濯室などがあります。
日中は共有スペースで過ごすこともできるので、他の入居者の方とコミュニケーションを取りながら楽しく過ごすこともできますよ。
介護型ケアハウス
介護型のケアハウスは、自治体や社会福祉法人が運営する施設で、介護スタッフによる介護サービスを受けられる施設です。
ケアハウスで受けられる介護サービスは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けています。
65歳以上で頼れる家族がいなく、要介護1以上の方が入居できます。
介護型ケアハウスで受けられるサービスは以下の通りです。
- 介護サービス
- 食事提供
- 掃除、洗濯、買い物などの生活支援
- レクリエーション
- 健康管理
介護サービスでは、入浴や排せつなどの介助、機能訓練、安否確認や通院の付き添いなどを受けられます。
介護サービスをみれば一般的な老人ホームと、ほぼ変わらないですね。
自立型ケアハウスとは違って、要介護度があがっても住み続けることができ、看取り対応をしてくれる施設もあります。
しかし、介護型ケアハウスの方が施設数が少ないので、すぐに入居するには難しいかもしれません。
部屋の広さと設備は自立型と変わらないので、快適な暮らしができるでしょう。
軽費老人ホーム(ケアハウス)の費用はどれくらい?
では実際に、軽費老人ホーム(ケアハウス)に入居するとなったらそれくらいの費用がかかるのでしょうか?
ケアハウスの費用を確認していきましょう。
入居金 | 月額費用 | |
---|---|---|
介護型 | 0円~30万円程度 | 6万円~17万円程度 |
自立型 | 0円~1,000万円程度 | 6万円~17万円程度 |
どちらの老人ホームも比較的安い費用で利用できますね。
自立型の入居金は高くて1,000万円と記載しましたが、これは一括払いをした場合です。
入居金といっても「前払い金」のことなので、家賃を一括払いすることもできるんですね。
軽費老人ホームは終身利用を検討している人が多いですから、まとまったお金が用意できているのであれば一括払いするのもいいかもしれませんね。
月額費用の内訳は以下の通りです。
- 居住費
- 生活費(食事代を含む)
- 事務費
- 介護サービス費(介護型のみ)
基本的に月額費用の内訳は一緒ですが、介護型ケアハウスにだけ介護サービス費が含まれます。
介護サービス費は、自己負担1割∼3割で利用できます。
自己負担額の割合は、所得によって変動しますので事前に確認しておくようにしましょう。
どちらのケアハウスでも、所得や課税金額によって事務費が軽減されることがあります。
支払い金額がさらに低くなりますので、軽減されるかどうかも確認しておくといいでしょう。
都市型軽費老人ホームとは?
東京都などの都市部では、「都市型軽費老人ホーム」が誕生しています。
従来のケアハウスよりも、居住面積や人員配置などの基準を緩くして、より低額で利用できるようにした軽費老人ホームです。
サービス面では特に変わりなく、生活相談や生活支援はもちろんのこと、介護が必要な方の受け入れも想定しています。
身寄りのない高齢者にとって、大きな安心を与えてくれる施設ではないでしょうか。
従来の軽費老人ホーム(ケアハウス)とどう違うの?
都市型軽費老人ホームは、東京都の条例で定員は最大20名と決められています。
最大20名に対し、施設長1人・生活相談員2人・常勤の介護職員1人の人員配置となっています。
施設長は生活相談員と兼任することができ、他の施設と比べて少し手薄さを感じるでしょう。
しかし、基準を緩和させたことによって費用を安く抑えることができています。
都市型軽費老人ホームは、入居金0円で、収入に応じて減免措置が受けられるため月額費用もさらに安くなるのです。
また、居住面積の基準も緩和され、7.43㎡に設定されていることも費用が安くなる要因ではないでしょうか。
約4畳半しかありませんが、都市型軽費老人ホームは2010年あたりから建設され始めたので、比較的新しい部屋で生活することができます。
費用は安いですが、24時間体制の見守りは約束されていて、多くの方が介護サービスを利用しているので、安全面では心配いらないのではないでしょうか。
ケアハウスがある自治体の住民票をもった人しか入居できない
原則として、都市型軽費老人ホームがある市区町村の住民票ももっている人しか入居できません。
従来のケアハウスは、希望する老人ホームがあればどこでも申し込むことができました。
基準が緩和されたといっても、ある程度の入居条件はあるみたいですね。
また、身元保証人は必須であり、重度の要介護になったり高度な医療ケアが必要になったりしたら、退去を命じられる可能性もあります。
開設が始まってから少ししか経っていないこともあり、施設数もそこまで多くありません。
定員も少ないことから、地域内で応募が殺到したら長い入居待ち期間がでてくる可能性もありますね。
まとめ~軽費老人ホーム(ケアハウス)~
最後まで読んでいただきありがとうございます。
軽費老人ホーム(ケアハウス)については理解していただけたでしょうか?
生活支援を受けながら、安価で利用できる老人ホームだということがわかりましたね。
身寄りのない高齢者にとって、これほど安心できる施設はないでしょう。
今回の記事を参考にして、ぜひ軽費老人ホーム(ケアハウス)への入居を検討してみてください!