セカンドオピニオンとは、現在のかかりつけ医以外の医師に求める意見のことです。
かかりつけ医から意見をもらったあとに別の医師に意見をもらうことになるので、「第2の意見」となりセカンドオピニオンといいます。
聞きなれていない方も多いかもしれませんが、アメリカでは主流で、自分に最適な治療法を選ぶにあたって有効な方法なのです。
治療法によっては、後遺症が残ったり命に関わることもあったりするので、さまざまな医師の意見を聞いて治療法を決定するのはとても重要なことかもしれませんね
そこで今回は、セカンドオピニオンについて詳しく説明していきたいと思います!
セカンドオピニオンを受ける手順やメリットなども説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、現在担当してもらっている主治医以外の医師に求める第2の意見のことです。
医師や病院を変えたり、治療を受けたりすることがセカンドオピニオンだと思っている方もよくいらっしゃいますが、それは違います。
主治医がいることが前提で、別の医師に意見を求めることがセカンドオピニオンなのです。
主治医から説明された診断や利用法に納得できなかったり、決断を下せないこともあるでしょう。
病気によっては命に関わることもあるので、ご自身やご家族だけで判断をするというのは難しいですよね。
そのような場合、別の医師に話を聞くことでさまざまな角度から治療の方針などを検討することができます。
万が一同じ診断や治療法を説明されたとしても、違う言葉で再度説明してもらえるので、さらに理解が深まりますよね。
セカンドオピニオンを受けるメリットとは?
セカンドオピニオンを受けると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
さまざまな意見を聞くことで治療法などの選択肢を広げることができるなど、病気について理解が深まっていない人ほどメリットを感じることができます。
今回は、その中でも4つの大きなメリットを紹介していきます。
詳しくみていきましょう。
- 本当の病名が知れる
- 主治医の判断が適切か知れる
- 長年の治療に対する不安を解消できる
- 新薬・治療・最新治療について知れる
本当の病名が知れる
セカンドオピニオンを受けることで、本当の病名を知ることができます。
たとえば、どこか身体に痛みを感じ病院に行っても「異常なしです。」と診断されたら、そのまま信じ切って放置してしまいますよね。
まだ痛みが続いたとしても、日常生活に慣れてしまえば「異常なしと言われたし、ただ身体が痛むだけか~」なんて、深く考えない人が多くいるはずです。
しかし、そこで念のためにセカンドオピニオンを受けたら、身体の痛みは実は病気の初期症状だったなんてこともありえます。
実際に、背中に痛みを感じて異常なしと診断されたが、念のためセカンドオピニオンを受けたら初期のがんが見つかった、なんて人もいました。
「主治医の診断を疑え!」というわけではありませんが、完璧を求められる医師でも人間ですので画像診断の見落としをしてしまうこともあるでしょう。
「異常なし」と言われても症状が治らず不安な方は、セカンドオピニオンを受けてみるといいかもしれません。
主治医の診断が適切か知れる
逆に、主治医の診断で「異常あり」と言われることもあるでしょう。
自分には全く自覚症状がないのに、「あなたは初期のガンです。」と言われてしまうこともあります。
自分ではどこにも違和感を感じていなかった分、いきなりこのような診断をされてしまうとショックですよね。
気が動転してしまい、冷静な状態を保っていられなくなってしまいます。
しかし、そのまま病気の説明や今後の治療方針について説明されてしまうことがほとんどです。
主治医もできる限りわかりやすく説明をしようと心がけてくれますが、全く知識がない一般人は動揺している状態で内容を適確に理解することは難しいですよね。
いくら自分の病状に最適な治療法を勧められても、「ほんとにそれで病気が治るのか?」「他にもっといい治療法はないのか?」となんだかスッキリしないモヤモヤした気持ちが残ることが多いです。
そんなモヤモヤした気持ちを脱するべく、多くの人は他の医師の意見も聞きたいと考え始めるでしょう。
そういう時に、セカンドオピニオンを受けるのが最適です。
主治医からの診断結果や治療方針に関する疑問点などを確認することができます。
内容によっては、治療方法の相談にも乗ってくれますよ。
特にガンに関しては、治療方法がたくさんあり、同じガンでも医師によってオススメする治療法が異なることがあります。
セカンドオピニオンを受けることで、選択肢の幅が広がり、より自分の病状や治療の受けやすさなどを考慮して治療法を決定することができますよ。
長年の治療に対する不安を解消できる
病状が中期程度の患者さんだと、主治医から勧められた治療を長年受けているが一向によくならないといった悩みを抱えていることもあるでしょう。
そのような方は、セカンドオピニオンを受けることをオススメします。
本当にその治療が正しいのか、他の治療法があるのかなどを聞くことができますよ。
また、ガンの再発がきっかけだったり、通院のしやすさを考えて自宅から近い病院でセカンドオピニオンを受けたりする方も多くいます。
新薬・治験・最新治療について知れる
セカンドオピニオンを受けることで、新薬・治験・最新治療についての情報を得ることができるかもしれません。
新薬や治験というのはどこの病院でも受けられるとは限りませんが、病院によっては患者さんの治療に積極的に取り入れているところもあるのです。
また、セカンドオピニオンの利用で情報を広げておくことで、新薬や治験、海外の最新医療について知ることができ、実際にそれらを試せる病院を紹介してもらえることがあります。
「新しい治療方法を積極的に試してみたい!」と考えている人は、セカンドオピニオンを利用した方がいいかもしれませんね。
ただし、そのような海外の最新医療についてセカンドオピニオンでは情報提供できない病院や医師も存在します。
情報目的でセカンドオピニオンを利用したいと考えている人は、事前にセカンドオピニオンのサービス内容を調べておくことが大切でしょう。
セカンドオピニオンを受ける6つの手順
セカンドオピニオンを受けるまでには、6つの手順があります。
それぞれの手順を詳しく確認していきましょう。
- 目的を明確にする
- 医師や病院を決める
- 主治医に伝える
- 受診の準備を進める
- セカンドオピニオンを聞く
- 今後の方針について主治医と相談する
1.目的を明確にする
まずは、セカンドオピニオンを受ける目的を明確にしましょう。
自分が、なぜセカンドオピニオンを受けようと決意したのか、目的を明確にしておくことで医師にも伝えやすくなります。
セカンドオピニオンの目的を明確にするために、主治医の意見(ファーストオピニオン)をしっかりと理解しておくことが大切です。
ファーストオピニオンで「自分の病状・進行度・なぜその治療法が良いのか」などを理解しておかないと、セカンドオピニオンで新たな意見を聞いたら余計混乱してしまいます。
ファーストオピニオンで生じた疑問や不安は、その時点で解決しておくようにしましょう。
主治医に相談しておくことで、信頼関係が深まったりセカンドオピニオンを聞かないといった新たな選択肢に至ったりするすることもあります。
2.医師や病院を決める
次に、セカンドオピニオン外来のある病院を探しましょう。
ガン診療連携拠点病院では、セカンドオピニオンに対する体制が整えられていることが多いので、地域で連携している病院についても必要に応じて紹介してくれます。
病院探しで迷う場合には、がん相談支援センターで相談することができますので、ぜひ利用してみてください。
お住いの地域でセカンドオピニオンを受けることができる病院や、各病院の専門範囲に関する情報を得ることができます。
また、病院によっては、家族のみで代理受診をすることもできます。
その場合、ご本人が入院中で、ご本人の同意がなければいけません。
病院によっては、代理受診をNGにしているところもあるので、事前に確認しておきましょう。
セカンドオピニオンの担当医はどうやって選べばいいの?
セカンドオピニオンというのは、必ずしも別の病院で受けなくてはいけないというわけではありません。
同じ病院の違う医師に意見を求めることもできます。
しかし、同じ病院の診療科の医師であれば、治療方針は近いでしょうから、さまざまな情報を得たい人は、別の病院の医師にセカンドオピニオンを求めたほうがいいでしょう。
現在の主治医と同じ診療科で、別の治療法を提示しているところが候補となってきます。
どうしても同一病院内で収めたいのであれば、他科の医師に意見を求めることをオススメします。
また、高度な手術や治療に関するセカンドオピニオンの場合、いわゆる名医に相談したいという方が多いでしょう。
たしかに成功としての数字は高く、人気はあります。
しかし、名医の数は少なく予約が取れない、何度も通うことができない、診察の待ち時間が長いなどのデメリットもあげられるでしょう。
3.主治医に伝える
主治医に、セカンドオピニオンを受けようとしている旨を伝えるようにしましょう。
長年の付き合いがあればあるほど、言い出しにくいかもしれませんが、主治医のことも尊重して必ず伝えるようにしてください。
治療に向けて、「自分の意見も主張します!」といったスタンスでいた方がいいかもしれませんね。
それでも主治医には言い出しにくいと感じる方は、がん相談支援センターや主治医以外の医療スタッフに相談することもできます。
海外では「セカンドオピニオンを受けるますか?」と主治医に聞かれる
海外の中でも特にアメリカでは医療技術がとても発達しています。
セカンドオピニオンの普及も進んでいて、診療が終わったら医師の方から「セカンドオピニオンを受けますか?」と患者さんに聞いてくれることがほとんどです。
医師の方からそう聞かれると、「万が一の時に責任逃れをしたいのか?」と少し思ってしまいますが、そのような考えは一切ありません。
アメリカではインフォームドコンセントと言った「説明と同意」が非常にしっかりしているため、セカンドオピニオンを勧められるのです。
たとえば、患者さんが病気や治療について主治医からよく説明を受けしっかり納得した上で自分の意思に基づいて医師の提示した治療に合意することをインフォームドコンセントと言います。
手術前の説明がそれにあたりますね。
つまり、セカンドオピニオンを勧めてくる主人は「治療方法を決定するのはあくまでも患者自身やそのご家族である」と理解しているのです。
4.受診の準備を進める
セカンドオピニオンを受ける医師や病院が決まったら、受診の準備を進めましょう。
病院の窓口に連絡をして、必要な手続きを確認します。
主に、以下のようなことを聞いておくといいでしょう。
- 受診方法
- 予約
- 費用
- 相談時間
- 必要な書類
など
また、セカンドオピニオンを受けるには「主治医からの紹介状」「診断情報」が必要になります。
これらの書類は、セカンドオピニオンを担当してくれる医師に患者さんの現場を伝えるための非常に重要な情報です。
そのため、必ず主治医に相談をして紹介状と診断情報を用意してもらうようにしましょう。
紹介状の作成には保険が適用されます。
5.セカンドオピニオンを聞く
ここまで準備を進めたら、セカンドオピニオンを聞く当日がやってきます。
セカンドオピニオンを担当してくれる医師に伝えたいこと、聞きたいことを事前にメモなどにまとめ、整理しておくようにしましょう。
これまでどのような検査を行ったのか、主治医にはどのように言われたのかなどもメモしておくとより有効に時間を使うことができるでしょう。
「セカンドオピニオンを予約したけど、具体的に何を聞けばいいのか分からない」と悩んでいる方は、事前にがん相談支援センターで情報を整理してもらうこともできます。
ご自身やそのご家族だけで意見をまとめられない方は、利用してみるといいかもしれませんね。
当日は、できる限り信頼できる人に同行してもらうといいかもしれません。
ひとりだと緊張してしまうこともあります。
信頼できる人と一緒に行くことで、よりリラックスして診察を受けることができるでしょう。
自分が混乱してしまってうまく説明や質問ができない場合にも、代わりに説明や質問をしてくれるなど、サポートしてくれます。
また、セカンドオピニオンの結果については、報告書などの書面でもらえることが多いです。
当日その場でもらえたり、後日主治医の方に郵送されたりなど方法はさまざまです。
どのようにもらえるのか気になる方は、聞いてみるようにしましょう。
6.今後の方針について主治医と相談する
セカンドオピニオンを受け終わったら、その結果をもとにファーストオピニオンの主治医と今後の治療法について再検討をしましょう。
セカンドオピニオンを踏まえて、ご本人の病気や治療方法に対する考えが変化したかどうかしっかりと主治医に伝えます。
万が一、セカンドオピニオン先の病院で治療を受けることにしたならば、セカンドオピニオンの担当医師にその旨を伝えるようにしましょう。
また、その際に忘れてはならないのは、これまでの主治医に自分の意思を伝えるということです。
「これまでお世話になったのに言いにくい。」と思う方もいるかもしれませんが、そうすることで主治医とセカンドオピニオン先の医師との連携もスムーズになり、自身が治療を受けやすくなるなどのメリットも生まれます。
セカンドオピニオンには医療保険は適用されない!
セカンドオピニオンは「診察」ではなく「相談」という扱いになるので、医療保険は適用されません。
全額負担という形になります。
病院や診療内容にも変わってきますが、30分∼60分で3万円~5万円の料金が大体の相場です。
セカンドオピニオンの費用は病院によって異なりますので、しっかりと事前に調べておくようにしましょう。
まとめ∼セカンドオピニオンとは∼
最後まで読んでいただきありがとうございます。
セカンドオピニオンについては理解していただけたでしょうか?
いままでお世話になっている主治医に診断されたら、そのまますべてを信頼してしまうことは多いと思います。
しかし、どれだけ信頼できる医師に治療方法を勧められても、最終決定をするのは自分自身です。
治療方法の決定は、命や後遺症にも関わる重要な決断です。
自分が納得できる判断を下せるよう、治療などの選択肢を増やすことはかなり大切かもしれませんね。
日本人は心優しいので「セカンドオピニオンを受けると主治医には言いにくい…」と悩む方もいるかもしれませんが、病気を治すためにも前向きにセカンドオピニオンを検討するのがいいかもしれませんね!