『お母さんが認知症の症状と似たような状態になってしまった、どうしたらいいの?』
『お父さんの認知症の進行が進んできて家での介護はもう無理かも…。老人ホームについて全く知らないし、どうしよう…。』
家族の方が認知症になると、自宅での介護は厳しくなってしまいます。
介護をする際の負担が大きくなる前に介護施設への入居を検討することも必要です。
この記事では、認知症の方が入れる老人ホームについての特徴や施設の選び方などを詳しく書いています。
参考にしていただけると幸いです。
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認知症とは?
認知症とは、ただの『物忘れ』とは違います。
認知症は、何らかの病気によって脳細胞が破壊されることによって発症します。
ですから、老化して段々と記憶力が弱くなっている方は『認知症』とは別です。
認知症には基本的に3つの種類があり、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
です。
この3つの認知症の中で最も多いのが『アルツハイマー型認知症』です。
記憶障害から始まって、様々な障害が徐々に進行していきます。
進行し続けていくと、自分の家がわからなくなったり時間がわからなくなったりします。
家族が認知症になったら
少しでも認知症だと思ったら病院に連れて行きましょう。
嫌がられてしまうかもしれませんが、『将来的に認知症になったら困るから今のうちにチェックしてもらおう』と頼んでみましょう。
初期の段階では物忘れがひどい程度ですが、段々と重くなっていくので自宅で介護をしようとしている方は注意しましょう。
認知症の方が入れる老人ホーム
認知症の方が入れる老人ホームというのは決まっています。
4つあるので紹介していきます。
まずは、わかりやすい表を作成したのでご覧ください。
種類 | 年齢 | 入居時の費用 | 月額 | 要介護 | 入居のしやすさ | |
---|---|---|---|---|---|---|
民間施設 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 65歳以上 | 0~100万程度 | 10~20万程度 | 2以上 | △ |
有料老人ホーム | 65歳以上/td> | 0~数千万 | 20~30万程度+介護サービス費 | 必要になる場合あり | 〇 | |
サービス付き高齢者向け住宅 | 65歳以上 | 数十万 | 5~25万程度 | 3以上 | 〇 | |
公的施設 | 特別介護老人ホーム | 65歳以上 | 0円 | 10~20万 | 3以上 | × |
①認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護は、認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスです。利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、認知症の利用者が、グループホームに入所し、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスを受けます。
グループホームでは、1つの共同生活住居に5~9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。
参照:厚生労働省
何か特別な理由がない限り、認知症の方が入るべき老人ホームは【認知症対応型共同生活介護(グループホーム)】ですね。
認知症の方専用の老人ホームと言っても過言ではないので、認知症の方にとっても過ごしやすい環境になっています。
②有料老人ホーム
生活支援のサービスを受けられる優良の老人ホームです。
ある程度自立している方向けの施設になっているので、介護目当てでは入居できません。
ただし、外部の介護サービスと契約して在宅介護サービスを利用することは可能です。
認知症でも、程度が低い方でないと厳しいです。
サービス内容は、
- 食事
- 掃除
- 入浴支援
- 排泄支援
- リハビリ
- レクリエーション
などです。
③サービス付き高齢者向け住宅
医療スタッフや介護スタッフの方が常駐しています。
毎日数時間おきに『安否確認』『生活相談』を介護スタッフの方がやってくれるので、家族の方にとっては安心して預けられる環境になっています。
また、夫婦共同で暮らすことも可能なので、夫婦で一緒に暮らしたいという方にもおすすめです。
ただし、初期費用が数百万以上かかるので財力のある方でないとサービス付き高齢者向け住宅に住むのは厳しいですね。
④特別養護老人ホーム
身の回りの世話をしてもらうための施設です。
サポート内容としては、
- 食事
- 掃除
- 入浴支援
- 排泄支援
- リハビリ
- 健康管理
などです。
また、今まで紹介した老人ホームの中で唯一の公的施設です。
公的施設のため、比較的安価で入居することができます。
ただし、安価故に待機期間がとても長いことがあります。
また、看取りに対応しているため、最後まで面倒を見てもらうことができます。
認知症の方が入居する老人ホームを選ぶ方法
どのようにして老人ホームを選ぶか、基準や選び方がわからない方も多いでしょう。
ここでは、老人ホームの選び方について解説していきます。
ケアマネージャーに相談しよう
担当のケアマネージャーに相談してみましょう。
ケアマネージャーの方は、その地域周辺の老人ホームの情報を多く持っています。
地域周辺の老人ホームにどのくらいの空きがあるのかも教えてくれます。
また、入居者の希望に沿った内容の老人ホームを見つけてきてくれます。
老人ホームに入居したいと思ったら、ケアマネージャーに相談しましょう。
老人ホームのサイトで情報収集しよう
今の時代は便利なので、インターネットを使えばいくらでも情報が出てきます。
老人ホームと調べれば、日本にある老人ホームの情報はたくさん出てきます。
そこで条件や地域の情報を選択し、入居者の方の希望に合うように探してみましょう。
見学は必須
入居者の希望にあっているからといって、見学をせずに入居を決めてはいけません。
できるだけ色々な老人ホームを見学して、ある程度比較してから選ぶべきです。
見学時にチェックするべきポイントを紹介しておきますね。
施設内の綺麗さ
汚い老人ホームよりはきれいな老人ホームのほうが良いでしょう。
また、汚い老人ホームでは掃除がしっかりとされていないと判断することができるため、その時点でイエローカードです。
職員の態度
特に、居住者に対する態度をみておきましょう。
近頃、老人ホームの職員が居住者に対して手を出してしまうニュースがよく出ているように思います。
少しでも乱雑な素振りを見せたら、その老人ホームに入居することはやめたほうが良いです。
また、職員同士の会話も聞くべきポイントです。
特に、職員同士が焦っていたり、忙しそうにしていたりしたら注意です。
忙しそうにしているということは、人手が足りていないことを指します。
基本的に、老人ホームでは配置しなければならない人数が定められています。
規定の人数がきちんといれば、そこまで忙しい素振りを見せなくても平気なのです。
もし規定の人数いない場合は緊急の出来事が起きた際に、対応できない環境だということになりますね。
そんな環境に親を入れたいとは思えないでしょう。
注意して確認してみましょう!
食事中
食事中に無理やり口に入れていたり、居住者の方が拒んでいたりするにも関わらず口に食べ物を入れていたらイエローカードです。
こちらも、暴力に近い行為なので良い環境とは言えませんね。
他の入居者の様子
レクリエーションの時間に見学に行けば、その老人ホームにいる人を全員確認できます。
そこで、居住者の方と認知症の方が合いそうかを確認しておくべきです。
もし、認知症の方がその老人ホームに入ったとしたら、ずっと関わっていく仲間になるわけです。
波長が合わない方がいたら素直にその老人ホームは諦めましょう。
居住者の意志
ここまでいろいろな見学ポイントを説明してきましたが、最終的には認知症の方の意志で決めてあげましょう。
老人ホームに住むのは認知症になった方なので、その方が住みたいという場所にしてあげるのが一番です。
まとめ
認知症の方が入るべき老人ホームについては理解して頂けたでしょうか?
認知症は進行してくると自宅では手に負えないほどになってしまいます。
手に負えない状態で、介護を続けていると介護している側の方々が病んでしまうのでそうならないためにも、老人ホームを活用しましょう。
最初は嫌がるかもしれませんが、家族の方にも認知症の方にもメリットしかないので、仕方ないと割り切ってもらいましょう。