『親の介護は自分一人でしなければならないのだろうか…。』
『兄弟がいれば自分一人で親の介護をしなくて済んだのかな…。』
一人っ子で介護をしなければならないという方はこのような悩みを抱えていることが多く見受けられます。
一人っ子だと、親が倒れてしまうと自分が面倒を見なければならないという風に思い込んでしまうことが多いです。
ただ、実際にはいろいろな手段があるので、今回の記事では4つの手段を紹介します。
そのあと、介護が必要になる前に一人っ子の方がやっておくべきことについても解説します。
悩んでいる一人っ子の方の手助けできればいいなと思っているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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一人っ子の場合介護はどうすればいい?
まずは、一人っ子の方が実際に介護をしなければならない状況に陥ったときに考えられる4つの手段について解説します。
- 自分一人で介護をする
- 片親が元気であれば任せる
- 配偶者や親戚の力を借りる
- 介護施設を利用する
これら4つについて詳しく解説します。
自分一人で介護をする
まずは、自分一人で介護をするという方法です。
ただ、これはほとんど無理な話ですね。
というのも、介護をするためにもお金が必要だからです。
仮にマンションを経営しているのであれば、そこから入ってくる収入だけで暮らしていけるかもしれませんが、たいていの人は働かなければ生きていくことができません。
『働きながら親の介護をすればいいじゃないか』と考える方もいるかもしれませんが、昼間は誰が面倒を見るのでしょうか。
毎日ショートステイやデイサービスを使うことになれば可能かもしれませんが、現実的ではありません。
また、介護をすることによって肉体的にも精神的にも大きな負担が掛かることを知っておきましょう。
介護の疲れによってうつ病になってしまったり、親に対して虐待を行ってしまったりと様々な問題が起きています。
このような状態を『共倒れ』とも言うのですが、こうなってしまうとどちらもつらいだけです。
1人で介護をすることは選択肢のうちの一つですが、あまりおすすめできる選択ではありません。
片親が元気であれば任せる
両親が生きていて、片方の親が介護を必要としてしまったときに取れる手段としては、元気な法の親に介護をしてもらうことです。
実際に、今の日本ではこのような介護方法が増えています。
高齢者同士で介護をすることを『老々介護』ということも覚えておきましょう。
ただ、この老々介護にも様々な問題があります。
先ほども言った通り、老々介護をしたほうが『共倒れ』になってしまう可能性が高いのです。
もし老々介護で共倒れ状態になってしまうと、今度は両親の介護をしなければならないため、もっとつらくなってしまう可能性があります。
なので、この方法も良い手段とは言い難いです。
配偶者や親戚の力を借りる
3つ目に考えられる手段としては、配偶者や親戚を頼ることです。
介護をする方が結婚しているのであれば、その配偶者に介護を手伝ってもらう必要があります。
また、女性であれば配偶者が仕事をしている間に介護をすることができますね。
このケースが一番多いと言っても過言ではありません。
ただ、この方法にも問題があります。
それは、十分に話し合いをしないと夫婦間でのトラブルになりかねないという点です。
『義理の親の面倒を見なければいけないの?』という感情が芽生えてしまい、最悪の場合は介護離婚もありえる話です。
そうならないためにも、曜日ごとに介護をする日を決めたり、親戚にも手伝ってもらったりして解決しましょう。
介護施設を利用する
最後は介護施設を利用することです。
金銭的に余裕がある方であれば、この方法が一番の解決策になるでしょう。
おすすめの老人ホームについて少しお話しておきます。
介護付き有料老人ホーム
主なサービス内容は、
- 食事(介護付き)
- 掃除
- 生活支援
- 入浴介護
- 排せつ介護
- リハビリ
- レクリエーション
です。
介護付き有料老人ホームは、看取り介護まで行ってくれる施設です。
サービスも豊富なので、安心して預けることができる老人ホームですね。
ただし、民間企業が経営している老人ホームなので、費用が高い点がデメリットと言えるでしょう。
入居金に0~数百万円、月額は20万円程度の費用が掛かることを覚えておきましょう。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
主なサービス内容は、
- 食事(介護付き)
- 掃除
- 生活支援
- 入浴介護
- 排せつ介護
- レクリエーション
です。
こちらの老人ホームは、基本的に認知症の方が入居する老人ホームです。
特徴的な要素として、グループホームには5~9人までしか入居できません。
認知症の方は集団行動が苦手なので、しっかりと考えられている老人ホームです。
なので、認知症症状があって介護が必要なのであれば、グループホームへの入居を考えましょう。
特別養護老人ホーム
サービス内容は、
- 食事(介護付き)
- 掃除
- 生活支援
- 入浴介護
- 排せつ介護
- 健康管理
- 看取り介護
です。
一番人気の老人ホームと言っても過言ではありません。
特別養護老人ホームは、特養とも呼ばれている施設です。
国や自治体から助成金をもらって経営しているため、入居者の負担額もかなり少なく済みます。
安さやサービスの質から人気があり、入居待機者がとても多くいます。
数か月から数年間待たされることもあるので入居を考えているのであれば早めに行動しなければなりません。
また、要介護3以上の方でほかの老人ホームに入居するための費用を持っていない方が入居対象となるので、かなり条件は厳しいです。
一人っ子の方が親の介護に向けてやっておくべきこと
次に紹介するのは、親が介護を必要とする前に一人っ子の方がやっておくべきことです。
これをやっておけば、将来的に介護をしなければいけなくなったとしてもある程度楽に行動することができます。
- 親の貯蓄や資産を知る
- 親の生活習慣を聞いておく
- 親の希望を聞く
- 介護施設を調べておく
では一つずつ解説しますね。
親の貯蓄や資産を知る
まずは、親の資産について知っておきましょう。
いきなり資産について聞き始めたら怪しまれるかもしれないので、しっかりと『将来的に介護が必要になるだろうから、その話し合いをしておこう』と伝えましょう。
介護費用は親のお金を使っていいものなので、親の貯金額や資産を知っておくことで自分が将来そのくらいの介護費用を出さなければならないのか、見当をつけることができます。
親の生活習慣を聞いておく
見落としがちなポイントですが、親の生活についても聞いておく必要があります。
毎日の食事や家事など、困っていることや不安に思っていることを知っておきましょう。
また逆に日々の楽しみについても知っておくと、老人ホームを選ぶ時の参考になります。
親の希望を聞く
将来的に、介護が必要になってしまったときのお話をしておきましょう。
介護施設には絶対に入りたくないという方もいれば、安い老人ホームでもいいという方と様々です。
介護施設を調べておく
ここまで親の資産や希望を聞いておきましょうといいましたね。
最後は、今まですべての内容を吟味して、介護施設を探しましょう。
ただ、1人で探すことは難しいと感じる方もいると思います。
そんな時には、地域包括支援センターに出向いてみましょう。
地域包括支援センターでは、介護を必要とする前から介護施設の相談を受けてくれるので、できるだけ老人ホームを絞れるといいですね。
介護が必要になってからでは、地域包括支援センターに行くことすら難しくなってしまうので、早めの行動が重要というわけです!
一人っ子で介護をしている方の声
最後に、在宅介護をしている一人っ子の方が実際に経験している悩みを紹介しておきます。
介護に悩んでおります。40代男性。兄が亡くなり一人っ子。実家で70代両親と90代祖母と住んでいます。私は12年前にうつ病になり、現在双極性障害で2週間毎に精神科に通っています。
薬も服用しております。仕事は採用されても長続きしません。
母親が2年前に腰椎を骨折し今はリハビリと注射で治療していますが、脚がしびれています。それを父親が看病しながら家事も請け負意、とうとう先日父親はパーキンソン病になりました。
祖母と母親は要支援で、祖母は比較的病気がないため元気そうに見えますが、高齢のため施設に入りたがっています。今回父親が病気になり、弱り果てている状況で母親も脚が弱い。祖母は高齢。現実的に双極性障害の私が一人で三人の面倒見れません。ケアマネジャーに相談しても、また困った時に相談してくださいで終わりです。疲労困憊してもう思考力がない父親なので、私が動くしかないのですが、親戚を頼った方が良いでしょうか?
このようにかなり厳しい状況に陥ってしまうこともあります。
両親が介護を必要とする前から、親戚の方を頼って準備をしておいた方がいいですね。
まとめ
一人っ子の介護方法については理解していただけたでしょうか。
まずは、親の資産や親の考えを知っておくことが大切です。
いざ介護を必要としたらすぐに動けるように準備しておきましょう。