リハビリの現場で10年働いて気づいた”リハビリ”とは?

リハビリについて-リハビリを受けるシニア女性 コラム

この記事を書いたライター
リハビリについて-西野英行様西野 英行(にしの ひでゆき)
「理学療法士。福祉用具専門相談員として介護業界で3年間勤務した後、理学療法士の資格を取得。リハビリ専門回復帰病院にて勤務。その後、訪問看護ステーションに勤務。月に40人以上のリハビリ指導を担当し、患者やその家族から寄せられる歩き方や転倒予防の相談にのっている。本業の傍ら、個人でリハビリに関するブログ(未来のPT)、チームで介護系のサイトを運営。
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リハビリテーションとは

普段の生活であまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、”リハビリテーション”という言葉があります。

言葉の意味は、「病気やけがなどによる後遺症を持つ人の社会復帰のために行う身体的・心理的訓練、職業指導」を指します。

元々は、戦後の傷病兵の社会復帰を目的に行われたものが始まりといわれています。

リハビリは、疾病後の後遺症をできるだけ軽くするため、あるいは、後遺症があっても元通りの生活を送れるようになるために行われるものです。

誰にとっても”生活”とは地味で目立たないものです。

朝起きて、顔を洗い、ご飯を食べる。洋服に着替え、仕事や学校に出かける。

また家に帰ってご飯を食べ、お風呂に入り、眠る。

文化的・社会的に生きる現代人は誰しも、1年365日、毎日この動作を繰り返します。

これを”日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)”といいます。

いわば当たり前の中のことを当たり前に行うことが生活といえます。

この”当たり前の生活”を守るための手段として、政府による各種保険や制度・システムなどがありますが、リハビリも同じく生活を守るための一つの手段であると私は考えています。

広義でリハビリを解釈すれば、特定の人のために必要なものではなく、老若男女、誰にとっても必要なものです。

私たちは誰しも、いつでも、何らかの病気や事故により今までの生活を送ることが難しくなる可能性があります。

長い人生のうち、転んで足の骨を折ったり、不慮の事故に合うこともあるかもしれません。

脳卒中になり、片麻痺になってしまうこともあります。

そうなると、以前は当たり前に行えていた病前の生活がもはや当たり前のものではなくなります。

自分の足で歩くことができない、立っていることもできない。

顔を洗うこともできないし、一人でお風呂に入れない。

今まで意識もせずに、息を吐くように当たり前に行っていた行為ができなくなってしまう精神的ショックは相当なものです。

リハビリでは、そのような状態になった方々の身体状態を可能な限り病前に近い状態に戻すことで、また元どおりの生活ができるという希望を持って頂くことが重要です。

生活とは、個人の人生において毎日繰り返される行為であり、全ての基礎となるものです。

体力を付けるのも、仕事をするのも、恋愛・結婚をするのも、全てのライフイベントのベースとなるのが生活です。

地味で目立たないことですが、人生で最も重要で根底にあるもの、それが”生活”だと思います。

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日常生活と密接に関わるリハビリ

上述のように、基本的には疾患や後遺症があるときに行うのがリハビリです。

しかし、本質的には、特別な場合にのみ行うものではなく、私たちの日常に普通に存在するものです。

最近では予防医学の普及に伴い、予防的リハビリも盛んに意識されるようになってきています。

実は、普段の生活の中でリハビリとして行えることがたくさんあります。

小さなことでは、通学通勤の中で意識的に階段を使うようにすることや、週末に家族や友人と一緒に定期的に散歩に行くことなども健康を末長く維持するために大切なことです。

健康の維持、疾病の予防という意味では、こういった普段からのリハビリの意識がすごく重要です。

当たり前のことですが、車や家などモノでもオイルを変えたり外装を変えたり、定期的なメンテナンスが必要です。

人間も同じで、年を重ねれば重ねるほど、何もせずに健康を維持することは難しくなると思います。

現代人は慢性的な運動不足が指摘されています。

今後、寝る前にストレッチをして筋肉の柔軟性を維持したり、週末は意識的に体を動したりして、時には専門の方に指導してもらいながら体のメンテナンスをすることが当たり前になっていくのではないかと思います。

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健やかな身体と心、そして環境

私が理学療法士として約10年間リハビリを行う中で、身に染みて分かったことがあります。

それは、身体の健康を維持するためには、身体だけを診ていてもダメだということです。

健やかな身体を維持するためには、身体だけでなく、心と自身の身の回りの環境を整えることがすごく重要です。

常日頃から自身の心や環境をコントロールできる人は、身体も健やかな状態に保ちやすい傾向が強くあります。

誰もが皆、社会生活を送る上で思い通りに行かないことがたくさんあります。

不意の事故や病気もそうです。

しかし、一時の感情に流されるのではなく、それを少しでも自分でコントロールできる人は、自分らしい心を保ち、比較的身体も健やかに維持することができます。

また、そういった人は、何か問題が起きても前向きに解決策を考えたり、問題解決のためにコツコツと努力を続けることができるものです。

”身体は心や精神とは別のもの”と捉らえている方が多いかもしれません。

しかし、上述のように身体の健康を維持するためには毎日の生活が重要です。

そして生活のベースを作るのが、その人の普段の精神状態や心の持ち方であり、健やかな生活はこれらに支えられているものです。

そして、さらに充実した生活を送るためには、他者との人間関係、社会関係の質が大切です。

「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」の論文によると、若いころから「社会との強い結びつき」を維持することは、病気のリスクを低下させ、人生のあらゆる段階における健康状態に影響することがわかったそうです。

私が担当している高齢者の方でも、友人とカラオケに行く機会が多かったり、何らかのコミュニティ・サークルに所属する方は元気な方が非常に多いです。

本当の意味で、自身の心を大切にできる人は、自分と同じように他者を尊重することができます。

ひいては社会との結びつきを強め、身体の健康を維持しやすいと思います。

非常に残念なことに、現代の日本では、若年者も含め年間3万人近くの方が自ら命を断っているそうです。

”健康”の言葉の意味が、決して身体だけが健やかな状態を指すのではなく、身体と心のバランスが整った状態を指す、本当の意味での健康を指すようになってほしいと願い、普段のリハビリ業務を行なっています。

海外では、心と体のバランスが健やかな状態を”Well-being(ウェルビーイング)”と呼び、心と身体、それを形成する周囲の環境(金銭面や人間関係など)を整える方法が学術的に論じられています。

私も、ポジティブ心理学インストラクターの資格を取り、well-beingや心の状態と身体の健康について勉強し、リハビリの業務に活かすように努力しています。

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普段の生活でできるリハビリの例

普段の生活の中でできるリハビリには、主に以下の4つ目的があると思います。

  1. 筋肉量の維持
  2. 軟部組織(筋、腱など)の柔軟性の維持
  3. 心肺機能の強化・維持
  4. 腰痛や糖尿病などの疾病予防

順に説明していきます。

1.筋肉量の維持

誰しも、年齢を重ねるにつれ筋肉量が低下していきます。

筋肉量が低下していくと、基礎代謝が低下し、太りやすくなったり、日常生活での活動量が減少します。

また、運動不足が一つの要因となる疾患(糖尿病や脳卒中、高血圧など)が発症しやすくなります。

また、足の筋力が低下すると転倒しやすくなるため、転倒して骨折していしまい、入院することでまた体力が低下するという悪循環に陥ってしまいがちです。

特に、足の筋力の維持が重要です。

個人的に、足の筋肉を手軽に鍛えるには、スクワットが最適だと思っています。

複雑な運動ではありませんし、普段の隙間時間にどこでも、道具なしで行えます。

複雑で簡単に行えない運動は継続できず、結局長続きしないので、あまり効果的ではないことが多いのです。

スクワットのやり方は、まず両足を肩幅に広げて立った姿勢から両膝を軽く曲げます。

この状態で、以下の3点を意識してください。

  1. 腰を曲げないこと
    腰を曲げると腰痛を誘発する可能性があります。
    地面に対して垂直に腰を伸ばしたまま、腰は曲げず、膝だけを軽く曲げて下さい。
  2. 膝を深く曲げすぎないこと
    膝を深く曲げ過ぎると、膝関節にストレスが掛かり、膝を痛める可能性があります。
    少し曲げて、ふとももの部分に力が入ればOKです。
  3. ふとももの部分に力が入ること
    ふとももに力が入っていることを意識できれば、足の筋力にしっかり負荷が掛かっています。

なにも意識せずに運動をするよりも、鍛えたい部分を意識している方がしっかりと体を使っている感覚がして運動が楽しくなります。

2.軟部組織(筋、腱など)の柔軟性の維持

筋肉や腱などの軟部組織の柔軟性が低下すると、以下のデメリットがあります。

  1. 活動量の低下
    柔軟性が低下していると、例えば普通に歩いているだけもでも足の筋肉を効果的に使えないので、筋肉を使う範囲が狭くなってしまいます。
    柔軟性が高い人は全身を使って運動することができるので、活動量を維持しやすくなります。
  2. 怪我しやすくなる
    柔軟性が低下していると、運動をしたときに怪我をしやすくなります。
    怪我の予防という観点でも柔軟性を高める必要があります。

3.心肺機能の強化・維持

運動の種類には、無酸素運動と有酸素運動があります。

ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をすることで、心肺機能を維持しやすくなります。

心肺機能が低下すると疲れやすくなるため、全体としての活動量が低下しやすくなります。

日々元気に過ごすためには、筋肉量の維持だけでなく、心肺機能が正常に働くことが大切です。

4.腰痛や糖尿病などの疾病予防

腰痛や糖尿病を予防するためには、筋力維持と代謝を促す運動が必要です。

体の前面の筋肉(腹筋群)と体の後面(背筋群)のバランスが崩れると腰痛になりやすいため、適度に運動し、足回りの柔軟性を維持したり、身体の筋力を維持することで予防することができます。

また糖尿病や肥満の予防には有酸素運動で全身の代謝を促すことが大切です。

最後に

リハビリテーションとは、広義で解釈すれば、病気の有無に関わらず、日常生活の中でも手軽に行えるものです。

人生100年時代と言われる昨今、末長く健やかでいるために、普段酷使している自分の身体をメンテナンスする重要性は高まるばかりです。

いきなり大変な運動をする必要はなく、普段から意識してスクワットを行ったり、週末などは家族や知人・友人とウォーキングしたりする習慣を持つだけで大きく違ってきます。

そこからスタートして、身体を動かすことや自身の身体を労る気持ち良さに気付いて頂き、ハイキングをしたり、釣りをしたり、ゴルフをしたり、自分が楽しめる運動方法を確立して頂けると、身体だけでなく心の健康も維持しやすくなります。

本当の健康は、身体と心の両輪が揃って維持できます。

末長く健やかな生活を送れるように、少しの運動から始めてみてはいかがでしょうか。

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