『母親が夜中にも介護を必要としているのですが、自分は次の日も仕事があるので見て居られる時間にも限りがあります。夜間の間だけでも介護サービスを使えないでしょうか。』
介護が必要になってくると、昼間だけではなく夜中も介護をしなければならないことがありますね。
そんな時に利用できるサービスが『夜間対応型訪問介護』です。
この記事では、夜間対応型訪問介護のサービス内容や費用、利用方法などを解説します!
夜間に介護サービスを利用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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夜間の在宅介護に対応している夜間対応型訪問介護とは?
夜間対応型訪問介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を、24時間安心して送ることができるよう、夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問します。「定期巡回」と「随時対応」の2種類のサービスがあります。
定期巡回というのは、夜間(18時から8時)に定期的に訪問をしてもらい、排せつや入浴介助などの一般的な生活介助をしてもらうことができます。
随時対応というのは、何かしらの緊急事態に陥ってしまったときにホームヘルパーを呼んで介助をしてもらったり、救急車の手配をしてもらったりするためのサービスです。
定期的に利用したいと考えている方は、定期巡回を利用し、緊急時だけ対応してもらいたいという方は随時対応を利用すればOKです。
使い方の例としては、
- 『夜間に急な体調変化や転んでしまったときの対応をしてもらう』
- 『家族で一泊二日の旅行に行きたいから夜間から明け方に見守りをしてもらう』
- 『次の日が仕事で介護ができない時に代理で介護をしてもらう』
このような感じです。
もちろんここに当てはまるものが全てではありませんが、このような使い方ができるので柔軟性は高いですね!
とは言っても、サービスにも対応している範囲というのは決められています。
- ペットのお世話
- 部屋の掃除
- 来客対応
これらの対応はしてもらうことができないので注意をしてください。
あくまでも、介護サービスですので、介護に関係することしかやってもらえないことを覚えておきましょう。
夜間対応型訪問介護の利用条件
次は、夜間対応型訪問介護の利用条件について解説します。
夜間対応型訪問介護の利用条件は、
- 要介護1~5と認定されている方
- 利用する夜間対応型訪問介護と同じ市区町村に住んでいる
これらの条件があることを覚えておきましょう。
逆に利用できない方というのは、
- 自立できている方や要支援1.2と認定されている方
- 利用する夜間対応型訪問介護と同じ市区町村に住んでいない
- 老人ホームに入居している方
これらに当てはまる方は夜間対応型訪問介護を利用することができないので、気をつけてください。
特に、要支援1.2の方は利用できると思っているかもしれませんが、要介護認定されてからでないと利用できないことを覚えておきましょう。
夜間対応型訪問介護のサービス内容
夜間対応型訪問介護のサービス内容は、【定期巡回サービス・随時対応サービス・オペレーションセンターサービス】の3種類のサービスに分かれています。
- 定期巡回サービス:定期的に家に巡回して介護サービスを提供
- 随時対応サービス:オペレーションセンターから連絡を受けたら、ヘルパーが連絡を受けたころに訪問させる
- オペレーションセンターサービス:利用者がオペレーションセンターに通報をしてヘルパーを必要か判断する
夜間対応型訪問介護を利用する場合は、定期巡回サービスと随時対応サービスの両方を好きに使うことができます。
先ほども解説した内容ではありますが、もう一度確認しておきましょう。
具体的なサービス内容は、
- 安否確認
- 食事の用意
- 服薬介護
- 排泄介助
- 就寝介助
- 睡眠時の寝返り介助
です。
オペレーションセンターサービス
オペレーションセンターサービスについて、もう少し深く解説します。
オペレーションセンターサービスの役割としては、利用者からの通報を受けて、ヘルパーの派遣や、救急車の手配などが主流です。
オペレーションセンターサービスのオペレーターは、看護師や介護士、医師や福祉士などの資格保有者であるので、安心して相談することができます。
また、夜間対応型訪問介護を利用することになれば『ケアコール端末』というものが利用者に配布されます。
ケアコール端末は、ボタンを押すだけでオペレーションセンターに通報することができる機械です。
この通報に応じてヘルパーの派遣や救急車の手配をしてくれます。
夜間対応型訪問介護を利用する際には、ケアコール端末が必要で一般的な電話をしても利用できないという点に注意してください。
夜間対応型訪問介護のサービスを受ける方法
夜間対応型訪問介護を利用する流れとしては、要介護認定してもらってからケアマネージャーと相談してケアプランを作成しなければなりません。
これらの流れについても簡単に解説します。
要介護認定をしてもらう
要介護認定をしてもらうためには、お住まいの市区町村の役所に行って、要支援・要介護の認定申請をしなければなりません。
簡単に流れをまとめると、
- 市区町村で申請
- 聞き取り調査
- 審査
- 認定・結果通知
このような流れとなっています。
平均的には、申請してから結果通知まで30日前後で完了します。
ケアマネージャーとケアプランを作成する
ケアプランは、一人ひとりの利用者がどのような介護サービスを受ければ、質の高いその人なりの自立した生活が送れるようになるかを考えて、介護サービスを組み合わせた計画書のことです。
簡単に言ってしまえば、利用者はどのような介護サービスを利用するのが最適なのか決めるためのものです。
介護保険サービスを受ける場合にはお住まいの市区町村に提出しないといけないので、介護サービスを利用する際には必ず必要になります。
ケアプランは、ケアマネージャーと利用者本人、そのご家族の方で話し合いをしつつ作成することになります。
簡単にケアプランを作成するときの流れをまとめると、
- ケアマネージャーと面談する
- ケアマネージャーが面談をもとに利用者に合っているサービスを探してくれる
- 利用者に合ったサービスを家族に共有
- 問題がなければサービス利用開始
です。
このケアプラン作成時に夜間対応型訪問介護を利用する必要があると相談すれば、夜間対応型訪問介護を利用することができます。
ただし、夜間対応型訪問介護を利用するよりも利用者にとって良いサービスがあれば、そちらを紹介してもらえる可能性もあります。
どちらにしても、ケアプランを作成していないと夜間対応型訪問介護を利用することはできないので注意しましょう。
夜間対応型訪問介護の費用
夜間対応型訪問介護の費用は以下の表のようになっています。
オペレーションセンターを設置している | オペレーションセンターを設置していない | |
---|---|---|
定期巡回サービス | 378円(一回) | 2750円(ひと月当たり) |
随時対応サービス | 580円(一回) |
※自己負担額が1割の方の支払い金額です。所得金額に応じて1~3割負担を変わるので、注意しましょう。
一回あたりの費用がかなり安いで、定期的に利用したとしても大した負担にはなりませんね!
老人ホームに入居するとなると、月に20万円くらいかかってしまうので、必要に応じて夜間対応型訪問介護を利用したほうが費用の負担は少なくなるでしょう。
ただし、老人ホームほど色々なサービスを提供してくれるわけではないので、注意が必要ですね!
夜間対応型訪問介護が利用できない時の代理となり得るサービス
夜間対応型訪問介護を利用しようと考えても、すぐには利用できない状況にある可能性があります。
そんな時に、同じような使い方ができるサービスの紹介をします。
- お泊りデイサービス
- ショートステイ
これら2つのサービスについて簡単に解説します。
お泊りデイサービス
お泊りデイサービスというのは、デイサービスを利用している方がそのまま宿泊までできるサービスです。
ただし注意点があり、日中のデイサービスは介護保険対応のサービスなのに対して、夜間のデイサービスは介護保険外なので、費用が高くなってしまいます。
一般的には、1泊4000円から6000円ほどで宿泊することができます。
お泊りデイサービスのサービス内容は、
- 歯磨き
- 就寝の手伝い(着替えや排せつなど)
- 食事
です。
一泊できるので、安心して預けることができますね!
また、お泊りデイサービスは日中のデイサービスを利用していないと利用できない場合もあります。
なので、もしお泊りデイサービスを利用したいと考えるのであれば、一度事業所の方に確認してみましょう。
ショートステイ
ショートステイは、介護施設に短期間入所して、生活介助や食事、リハビリなどを受けられるサービスです。
費用は、介護サービス・食費・リハビリなどすべて含めても一泊で4000円から6000円程度です。
お泊りデイサービスと比べると、サービス内容が充実しているため人気が高いです。
利用したいと思っても予約が埋まっていて、すぐには利用できないということもありますが、利用したいと考えている方は、ケアマネージャーに相談してみましょう。
まとめ
夜間対応型訪問介護について理解していただけたでしょうか。
夜中まで在宅介護をしていると、心身共に披露してしまいます。
そんな時には、夜間対応型訪問介護を利用することで、少しでも負担を軽減できるようにすることをおすすめします。
そのためにもまずは、要介護認定をしてもらい、ケアマネージャーとケアプランを作成する必要があります。
要介護認定には30日前後掛かってしまうので、限界を迎える前に行動することをおすすめします。