介護サービスを受けるにあたって、必須となってくるのが「要介護認定」ですよね。
受けなきゃいけないことはわかっていても、申請の方法がよく分からない…。
なんて人も多いと思います。
そこで今回は、要介護認定の申請方法について、徹底解説していきます!
要介護の認定前のみで利用できる、あまり知られていない制度も教えていきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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要介護認定とは?
介護サービスを受けるには、利用者が要介護認定を受けなければなりません。
要介護認定とは、介護が必要な人に対して、全国一律の基準に基づき、要介護や要支援の程度を判定するしくみです。
「要介護」と「要支援」合わせて7つの区分に分かれています。
7つの区分と各区分に該当する人の目安は以下の通りです。
要支援1 | 起き上がりや立ち上がりに支援が必要 |
要支援2 | 日常の意思決定や買い物などに支援が必要 |
要介護1 | 排せつや入浴などに部分的な介護が必要 |
要介護2 | 歩行や起き上がりなどに部分的な介護が必要 |
要介護3 | 立ち上がりや歩行が自力では困難で、衣服の着脱などにも介護が必要 |
要介護4 | 日常生活ほぼ全般を介護ナシでは行うことが困難 |
要介護5 | 意思の伝達も困難になり、介護ナシでは日常生活を送るのが不可能 |
要介護認定の申請方法は?
要介護認定の申請は、どのような流れで行うのでしょうか?
大きく3つのステップに分かれています。
- 申請書の記入
- 申請書の提出
- 要介護の認定
①申請書の記入
要介護認定を受けるには、まず市町村へ申請をする必要があります。
各市町村の役所には、「介護保険課」などの名称で窓口が設置されていますので、その窓口に要介護認定の申請書を提出しましょう。
申請書は、提出先の窓口か地域包括支援センターでもらうことができます。
ホームページでダウンロードできる場合もあるので、住んでいる市区町村のホームページを確認してみましょう。
申請書に記入するのは、以下の項目です。
- 申請者
- 被保険者の氏名・住所
- 主治医の名前・病院名
など
②申請書の提出
要介護認定の申請書を提出する際は、被保険者証を一緒に提出する必要があります。
被保険者証とは、第1号被保険者の場合、介護保険被保険者証のことです。
第2号被保険者ならば、医療保険の被保険者証になります。
また、主治医意見書も一緒に提出する必要があります。
主治医は、被保険者の状態をよく把握している人物の一人なので、その人の意見は要介護度の判定をするのに非常に大切な資料になるからです。
主治医意見書と言われると、わざわざ病院に出向いて作成してもらうのは面倒くさそうですよね…。
しかし、自ら医師にお願いをし、作成してもらう必要はありません。
主治医意見書には、主治医の名前や病院名を記入するだけで大丈夫です。
もし、かかりつけの病院がない場合は、市町村指定の医師の診察を受け、意見書にはその医師の情報を記入することになります。
申請ができるのは本人だけ?
要介護認定の申請ができるのは、被保険者本人です。
しかし、ご家族は本人の代理として申請をすることができます。
ご家族が忙しい場合などは、居宅介護支援事業者や地域包括支援センターなどに申請の代行を頼むこともできます。
申請後に被保険者証が必要になったら、どうすればいいの?
被保険者証は添付書類として、申請書と提出してしまいます。
ですので、要介護認定の申請後・認定前では手元にない状態です。
そんなとき、被保険者証が必要になってしまったら困りますよね。
でも、安心してください。
申請後は、被保険者証の代わりとなる「介護保険資格者証」を受け取ることができます。
介護保険資格者証は代わりとなる証書ですので、被保険者証が必要なときはこちらを使いましょう。
③要介護の認定
申請が終わると、要介護の認定に向けた訪問調査が始まります。
調査結果をもとに、介護認定審査会で介護が必要であるかの判定が行われ、認定につながります。
市町村による要介護の認定は、原則として申請から30日以内に行われなければいけません。
もし、認定が遅れてしまうようであれば、認定までに必要な時間とその理由が通知されます。
要介護認定が申請前・認定前でも介護保険は利用できる!
介護サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があると説明しました。
しかし、緊急で介護サービスを利用しなくてはいけないときもありますよね。
たとえば、階段から落ちてしまい手すりが必要になったり、生活支援を受けないと日常生活を送ることが厳しくなったりなど、様々な場面があると思います。
要介護認定は、通知まで30日程度かかることもありますし…。
実際、待ってられないですよね。
「仕方ないから全額負担するしかない…」と覚悟を決めても、早く申請したかそうでないかで、介護サービスの利用料が変わってしまうのは、なんだか腑に落ちないと思います。
そこで、認定前でも介護保険に基づく介護サービスを受けることができる制度が用意されているのです!
要介護認定を受けずに、介護保険に基づく介護サービスを受けることができるのは、以下の状況のときのみです。
- 要介護認定の申請前
- 要介護認定の申請後・認定前
①要介護認定の申請前の場合
「特例居宅介護サービス費」というものを、利用することができます。
特例居宅介護サービス費とは、緊急時や介護サービスを受ける必要性が高いときに利用することが可能です。
要介護認定の申請前に、介護サービスを受けた場合は、かかった費用を一度全額負担します。
申請を済ませると、本来の負担分を除いたサービス費用の9割が市町村から支払われます。
このような支払い方法を、償還払いといいます。
②要介護認定申請後・認定前の場合
要介護認定の効力を申請時から発生していたものとして扱う制度を利用することができます。
たとえば、要介護認定の申請をして、要介護度4と認定された場合を考えてみましょう。
本来であれば、認定後から被保険者は要介護度4としての効力を発生させることができます。
しかしこの制度を利用すれば、申請した段階で要介護度4として取り扱われるということです。
この制度を利用するには、介護保険資格者証が必要となってきます。
被保険者証の代わりといいましたが、申請時への遡及を可能にする効力もあります。
制度を利用した場合は、ケアプランを作成し介護サービスを受けなければなりません。
この際作成したケアプランを、暫定ケアプランといいます。
暫定ケアプランを作成しなかった場合は、要介護認定の効力は遡及されず、サービス費用については償還払いになってしまうので注意しましょう。
そのため、認定前でもケアプランを作成するために、地域包括支援センターなどに相談することをオススメします。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
要介護認定の申請については理解していただけたでしょうか?
原則として、介護サービスを受けるには要介護認定を受ける必要があります。
様々な制度もありますが、介護が必要となっていきなり認定をもらえるわけではありません。
時間に余裕をもって、要介護認定の申請をするようにしましょう!