よくわかる介護用語

IADLとは?8つの評価項目やADLとの違いも詳しく解説!

IADLとは-洗濯物を干すシニア女性 よくわかる介護用語

「IADL」といった言葉を聞いたことはありますか?

きっと介護に携わるようになって、よく耳にする用語になったと思います。

「IADL」とは、手段的日常生活動作のことで、日常の中でもより複雑な動作を指します。

IADLについて理解しておくことで、より適切な介助を行うことができますよ。

そこで今回は、IADLについて詳しく解説していきたいと思います!

よく間違われる「ADL」との違いについても説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

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IADLとは?

IADLとは、Instrumental Activity of Daily Livingの略で、「手段的日常生活動作」のことを指します。

項目は後に詳しく説明しますが、日常生活動作の中でも「より複雑でハイレベルな日常生活動作」ということです。

高度な運動能力や記憶力が必要となってくる動作になります。

複雑な日常生活動作になるので、正確に判断することは難しいですが、介護業界では重視されている評価項目です。

IADL能力がどれほど低下しているのかを正しく判断できれば、適切なリハビリや機能回復訓練を行うことができるからです。

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ADLとの違いとは?

似た介護用語に、「ADL」といったものがあります。

「IADL」と「ADL」は介護業界では一般的に使われる用語ですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?

「ADL」とは、Activities of Daily Livingの略で、「日常生活動作」のことを指します。

起床や着替え、トイレや入浴など、日常的に発生する動作のことで、IADLよりも日常生活において基本的な動作ということです。

ADLは動作レベルで2つに分類されています。

「しているADL」と「できるADL」です。

「しているADL]とは日常生活で問題なく行える動作のことで、「できるADL」とは動作を行う能力はあるが場合によっては介助が必要になる動作を指します。

IADLの評価項目とは?

IADLでは、以下の8つの項目を3段階∼5段階に分けて自立度を評価します。

  1. 電話使用
  2. 買い物
  3. 食事の準備
  4. 家事(清掃、身の回りの片づけなど)
  5. 洗濯
  6. 移動
  7. 服薬管理
  8. 財産の取り扱い・管理

それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

1.電話の使用

自分で番号を調べて電話をかけるなどの動作が入ってきます。

また、電話をかけるだけでなく、かかってきた電話に正しく対応できるかというのも評価基準です。

誰宛てに、どのような内容で、その内容を正確に伝言することができるのかろいうのも重要なポイントです。

2.買い物

すべての買い物を自分で行えるかなどがチェックされます。

買う予定のものを考え、必要なものをしっかり購入することができるかというのも評価になるでしょう。

3.食事の準備

食事の準備は調理だけでなく、献立を考え適した食材を買ってこれるかというところからスタートします。

そして、調理したものを配膳し食べるというところまでが評価項目です。

4.家事(清掃、身の回りの片づけなど)

日常生活を送るために必要な家事をすべて自分で行うかなどがチェックされます。

5.洗濯

洗う・干す・畳むなど、洗濯のおけるすべての手順を自分で行えるかという点が評価されます。

6.移動

歩いて移動できるだけでなく、歩行補助器具や介助アリで移動できるのかという点が評価されます。

7.服薬管理

適切な量の薬を、既定の時間に飲むことができるかといったポイントが評価対象です。

8.財産の取り扱い・管理

財産の取り扱いとは、銀行の手続きやお金の出入金、管理などをすべて自分で行えるかという点が評価をする際にみられます。

IADLと要支援・要介護はどう関係している?

要支援や要介護認定になると、日常生活に介助が必要になってきます。

IADLとは日常生活における動作のことを指すので、要支援・要介護はIADLと密に関係しているように思えますよね。

しかし、IADLでの評価スコアが要介護度認定にそのまま直結するわけではありません。

あくまでひとつの目安として捉えるようにしましょう。

要支援1・要支援2

要支援1または要支援2と認定されても、日常生活における身の回りのことはほぼ自立してできる状態です。

IADLの項目については、必要に応じて介助が必要になってくることもあるので、ご本人の状態をしっかり確認しておきましょう。

要介護1

要介護1と認定された人は、生活の一部に介助が必要になってくることが多いです。

認知機能の低下は見られないものの、歩行能力に衰えが見られる高齢者が増えてきます。

IADLの評価項目で考えてみると、買い物や移動のスコアが低くなることが想定されるでしょう。

要介護2

要介護1に比べ、手厚い介助が必要となってきます。

家の中での移動にも介助が必要となってくることから、IADLの家事や食事の準備にもスコアが入らないことが見込まれます。

要介護3

要介護3というと、特別養護老人ホームの入所基準を満たすレベルです。

そのため、自立してできる身の回りの動作が格段と減ってくるでしょう。

認知症を患う高齢者も増え、電話対応や服薬管理、財産の取り扱い等のIADL評価項目にもスコアがつかなくなります。

要介護4

要介護4は、日常生活における動作を自立して行うのはほぼ不可能な状態です。

要介護3のときより、重度な認知症に進行していきます。

そのため、IADLの評価項目においてはすべてにスコアがつかなくなるでしょう。

要介護5

要介護5だと、寝たきりの状態が続き意思表示も難しくなります。

要介護4のときと同様、IADLにおいてはすべての評価項目にスコアがつかないでしょう。

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まとめ∼IADLとは∼

最後まで読んでいただきありがとうございます。

IADLについては理解していただけたでしょうか?

IADLとは日常生活における動作のことなので、一番よくわかっているのはご家族になるでしょう。

ホームヘルパーさんは介護のプロであっても、一緒に暮らしているご家族の方が日々のささいな変化に気付くことができます。

高齢者はその日の体調によっても、「できること」というのが変わってくるため、その点にも理解を深めておかなければいけません。

IADLをもとに適切なケアを施すためにも、日頃からコミュニケーションを大切にしておくようにしましょう!

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