コラム

43歳「無資格、未経験」で介護業界に転職した元会社経営者の体験談

介護業界 転職-男性介護福祉士の上半身 コラム

初めまして。
さかもと ままると申します。

私は現在47歳、介護職に転職して5年目の介護福祉士です。

5年前に介護業界に転職する以前は、自身で起業したIT関連のベンチャー企業を経営していました。

そんな私が「なぜ介護業界に転職したのか?」「実際に介護業界に転職してみてどうだったのか?」を今日は皆様にお話ししたいと思います。

この記事を書いたライター
さかもとままる様さかもと ままる
43歳「無資格、未経験」で介護業界に転職した「元IT企業経営者」
「派遣介護士」として5年間で15箇所以上の介護現場を経験。
現在も現役介護福祉士として介護職に携わる。
ブログ「介護士ベイベー」 YouTube「ままるチャンネル
にて「日本の介護業界の成熟化」を目指し、介護業界のリアルを発信している。

※本ページにはPRが含まれます。

私が会社経営者から介護職に転職した理由

私は介護業界に転職する前、スマホ用のアプリケーションを開発するベンチャー企業の社長をしてました。

起業当初は売り上げもなく、厳しい時期がありましたが時代のニーズを捉えた企画と内容で徐々にクライアントを増やし、40歳を超える頃には社員数名に会社に成長していました。

会社経営が波に乗ってくるのと同時に、40歳を超えた自分に心の変化がありました。

毎日をお金に追いかけられる日々、この先死ぬまで今のような生活を送っていて果たして本当に良いのだろうか?

そのような漫然とした不安が、会社の業績とは裏腹に私の心の中を覆っていきました。

私は20代から起業し、飲食業、アパレル業、広告代理店業など様々な業種、職種を経験してきましたがその全ては「金儲け」に過ぎないという事実を、ずっと心の底で不満に思っていたのかも知れません。

自分自身が40歳という年齢を過ぎ、仕事人として全力で仕事ができる期間はせいぜい残り20数年。

その残りの時間をこのまま「金儲け」だけに使って後悔しないのだろうか?という思いを感じたのです。

漫然とでしたが、以前から「人の役に立つ仕事がしたいそう思っている自分もいました。

そんなある日、インターネット上で一言の文章に出会いました。

「2025年全国で介護士が38万人不足する」

世界No1の「超高齢化」社会である日本の介護業界が、実はそんな人手不足に直面している事実は、その瞬間に初めて知ったことです。

その一文をみた同じ瞬間に、私は思いました。

介護士になろう!

そう思い立った私は、ついに自分で起業した会社を辞め「無資格、未経験」で介護業界に飛び込むことになりました。

この記事を書いたライター
さかもとままる様さかもと ままる
43歳「無資格、未経験」で介護業界に転職した「元IT企業経営者」
「派遣介護士」として5年間で15箇所以上の介護現場を経験。
現在も現役介護福祉士として介護職に携わる。
ブログ「介護士ベイベー」 YouTube「ままるチャンネル
にて「日本の介護業界の成熟化」を目指し、介護業界のリアルを発信している。

老人ホームを探すならまずは無料相談!
最短1分で登録完了!
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
ご希望の入居エリア
ご希望の入居時期
1ヶ月あたりの上限予算
氏名
性別
年齢
介護度
ご相談者様の氏名
携帯電話番号
メールアドレス
入居予定者とのご関係
その他ご要望

個人情報の取り扱い」「利用規約」に同意する

生まれて初めての派遣社員

介護職と一言で言っても、その働き先、働き方は実に多彩です。

実際に「介護士になろう」と思った私は、インターネットで情報収集を始めました。

すると介護業界には「無資格、未経験」でも務まる仕事が意外と多く存在することに気が付きます。

さらに介護業界での働き方は「正社員」だけではなく「パート、アルバイト」「非常勤社員」「派遣社員」など、こちらも選択肢が多いことを知りました。

介護業界に関して、全くの素人だった私は取り急ぎ「介護派遣会社」に「派遣社員」として登録することを選びました。

生まれて初めての「派遣社員」でしたが、そこで担当になってくれた方は親身になって話を聞いてくださり、今後の方向性を決める上でとてもお世話になりました。

私の場合「無資格、未経験」で出来る仕事として病院内での「看護助手」からキャリアをスタートすることにしました。

さらに「夜勤専従」という働き方を選択しました。

空いた昼間の時間に「介護職員初任者研修」という介護職の入門資格の取得スクールに通うことも決めました。

働きながら資格を取得し、その資格を仕事に生かせる。

これは介護業界の一つのメリットだと思います。

介護福祉医療の世界

介護業界 転職-ベッドにいる患者に寄り添う男性介護士

一般社会の中での「ビジネス」という括りでは多くの経験があった私ですが、介護業界は全く経験はありません。

初めて勤務した病院では、自分自身が病院の職員であるという実感がしばらく持てず「本当にこの世界でやっていけるのか?」という不安もありました。

看護助手の仕事をして数日したある日、ある病室からナースコールがありました。

それまでは看護師さんがナースコールを取って指示をもらっていたのですが

「ナースコールを取って下さい」

と直接患者さんに内容を聞くように言われました。

生まれて初めてのナースコールを緊張の中取り、患者さんに用件を聞くと

「すぐに来て欲しい」

という答えでした。

不安の中病室に伺い、ベットで寝ている患者さんに

「どうされましたか?」

と声をかけると、その高齢の患者さんは

「ベットの下にメガネを落としたから拾って欲しい」

と言いました。

ベットの下に落ちているメガネ。

それを拾うことは、資格のない、経験のない私でも充分に出来ることでした。

しかし身体の不自由な高齢の患者さんからすると、落としたメガネを拾ってもらえることはとても助かることなんだと、その時初めて実感しました。

「ありがとう。助かったよ。」

何度もお礼を言われる患者さんの病室を後にした時、

介護の仕事とはこういうことか

と気がついたことを今でも覚えています。

自立が困難になった方は、誰かの力を借りなくては生活が出来ません。

ちょっとした不都合を手伝ってくれる人がそばにいれば、その人はとても安心して日常を送ることが出来ます。

介護職には資格も必要ですが、まずは「利用者さんや患者さんに寄り添う」気持ちがあれば、自分にでもできる仕事なのだと実感しました。

と同時に長年「お金」の世界でしか生きたことのない自分が、「誰かの役に立つ仕事がしたい」と思っていたことを思い出しました。

私はまさに介護職のような仕事をしたかったのだとその時確信しました。

介護職員初任者研修

有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの介護施設で「介護士」として働く場合、必要なのが「介護職員初任者研修」の資格です。

私は「夜勤専従看護助手」の仕事を派遣でしながら、資格取得スクールに通い取得しました。

その資格を持って有料老人ホームの「夜勤専従介護士」としてキャリアを進みます。

「看護助手」は読んで字のごとく「看護師の助手」という仕事です。

医療現場ではあくまで有資格者の「医師」「看護師」が主役であり「看護助手」は物品の消毒や清掃など裏方業務が主です。

しかし「介護職員初任者研修」を取得し、介護士となると今度は自分が主役になります。

病院での経験は介護職にも大いに役立ちましたが、思っていた以上に介護士の仕事は責任も重く大変でしたが、とてもやりがいのある仕事でした。

介護士の仕事

介護士の仕事、特に私がやっている「夜勤専従」という仕事は受け持ちのフロアをほぼ一人きりで見る必要があります。

利用者さんの体調が急変して救急搬送することもしばしばあります

「介護士」という仕事を「ヘルパーさん」の仕事のイメージで捉えている方も多いと思います。

自宅に伺い、買い物や掃除、洗濯などの家事を手伝うイメージですね。

しかし施設介護士の仕事は、そのイメージよりずっと医療に近いものがあると私は思います。

介護士の仕事を初めた当初は、それこそ右も左も分かりませんでしたが2年3年とキャリアを積んでいくと、介護士の本当の仕事とは何か?ということに気がついていきます。

介護施設で働いていると、そこで暮らす利用者さんと毎度顔をあわせる事になります。

当たり前ですがその方の性格や癖、生活サイクルなどを熟知していくようになります。

その中で我々介護士が常に気をつけていることは利用者さんの変化」です。

「いつもより食欲が無い」
「いつもより顔色が悪い」
「いつもより喋らない」
「いつもより歩行が不安定だ」

など、「いつもとの違い」に常に気を配っています。

利用者さんの「いつもと違う」を施設にいる看護師に伝え、場合によっては看護師が担当医に繋いでいきます。

本当に小さな変化を、介護士が敏感に感じ取った為に「脳梗塞」が早期に発見され利用者さんが一命を取り留めた、というような例は珍しいことではありません。

介護士の仕事は雑用や排泄処理だけではありません。

利用者さんが安心して日常を送るためのあらゆるサポートをする事、それが介護士の仕事なのです。

介護福祉士という国家資格

介護業界 転職-シニアに寄り添う男性介護士

介護業界で唯一の国家資格、それが「介護福祉士」です。

介護福祉士には、福祉系の学校で学び取得するルートと、私のような「実務経験ルート」があります。

介護職について3年の実務経験、プラス「介護職員実務者研修」という資格を取得して初めて国家試験の受験資格が得られます。

毎年一度の国家試験に合格すると晴れて「介護福祉士」を名乗れるようになります。

介護業界で「介護福祉士」の資格を持っていれば大抵の介護施設で働くことが可能です。

日本全国どこの介護施設でも通用する資格です。

私は2020年1月に行われた試験を受け、無事合格しました。

「介護福祉士」の国家資格は、介護業界に転職した時から目標にしていた資格だったので合格してとても嬉しかったです。

2016年に「無資格。未経験」で介護業界に転職した私でしたが、2020年には「介護福祉士」という国家資格を有する「有資格者」になっていました。

介護業界では、資格を取得しステップアップが出来るという点もメリットだと思います。

当然資格により、働く現場での給料、時給などにダイレクトに反映されていきます。

介護士のイメージと現実

私自身、介護職を実際にしてみるまでは世間のイメージ通り「きつい」「汚い」「給料やすい」の「3K」がイメージそのものでした。

しかし実際に働いてみると、そのイメージは間違っているという事に気が付きました。

派遣の夜勤専従の場合、意外なほどに高給が取れる現場もありますし介護士の仕事内容も医療すら範疇にあるとても興味深いものでした。

「2025年全国で介護士が38万人不足する」

この現状は、全ては「世間の介護職に対する間違ったイメージ」が原因だと私は思います。

私は2017年から「介護士ベイベー」というブログをはじめ、2020年には「ままるチャンネル」という YouTubeチャンネルを開設しました。

世間の間違ったイメージを覆す為に「介護業界のリアルを」常に発信し続けています。

日本の未来

日本の高齢化率は、世界の国々の中でダントツのトップです。

あと数年で、日本の全人口の30%以上が高齢者になり、生産年齢人口は年々減少していきます。

1年間に130万人以上の人が亡くなっていく国は、人類の歴史上存在したことがありません。

そのような国に生まれ育った我々日本人は、今最も関心を寄せなくてはいけない事象こそ「介護業界」なのです。

介護業界の間違ったイメージが払拭されない限り、介護業界の人手不足は解消されることはありません。

高齢者が増え続けた先、それをケアする介護職がいない。

日本はそんな国で良いのでしょうか?

このまま介護業界を放置すれば、私自身はもちろん全ての人が老後に適切な介護ケアを受けることが出来ません。

日本のマスメディアや社会では「介護の話」をタブーとする風潮があります。

「臭いものには蓋をする」

日本の悪しき風習が、介護業界の成熟化を今なお阻害しています。

もっと多くの人に、介護の実際の姿、本当の介護業界の全てを知って欲しい。

多くの人の目が介護業界に集まる事によってこそ、日本の未来は明るくなるものだと私は信じています。

まとめ

私は今から5年前の43歳の時に「無資格、未経験」で介護業界に転職してきました。

その時の決断と行動は、5年経った今、間違っていなかったと確信しています。

「人の為に役に立つ仕事」

「やりがいを持って残された時間を費やす価値がある仕事」

を探していた私には、介護職ほど適した仕事は無かったように思います。

昨年から世界中で猛威を奮い続ける「新型コロナウィルス」、その影響で世界や社会は大きく変化しました。

コロナの影響で、仕事を失った人も大勢いると思います。

こんな時代だからこそ、今一度自分の「仕事」を改めて考えさせられている方も多いのでは無いでしょうか?

世間では「3K」というイメージの介護職ですが、世間のイメージと実際とでは大きな隔たりがあるのが現実です。

この文章を読んで、1人でも多くの方が介護職という仕事に興味を持って頂けることを、切に願っております。

老人ホームを探すならまずは無料相談!
最短1分で登録完了!
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
ご希望の入居エリア
ご希望の入居時期
1ヶ月あたりの上限予算
氏名
性別
年齢
介護度
ご相談者様の氏名
携帯電話番号
メールアドレス
入居予定者とのご関係
その他ご要望

個人情報の取り扱い」「利用規約」に同意する

タイトルとURLをコピーしました