在宅で介護を行っている多くの人が、介護ストレスを感じています。
在宅介護とは、毎日休みなく続くものですから疲れてしまうのも無理ありません。
介護ストレスが溜まってしまえば、体調が悪くなってしまったり、介護うつになったりしてしまう場合も…。
老人虐待という言葉も最近よく耳にしますが、これも介護ストレスが原因となっているのです。
介護ストレスは、疲れている介護者だけでなく、介護される人にも悪い影響を及ぼしてしまうときがあるんですね…。
両者にとっていい影響のない介護ストレスなら、早急に解消していかなければいけませんよね!
そこで今回は、介護ストレスの解消法について紹介していきたいと思います!
介護ストレス解消につながる人気の介護サービスも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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多くの人が介護ストレスを抱えている!
在宅介護を行っている多くの人が、様々な介護ストレスを感じています。
「肉体的負担」「精神的負担」「時間的負担」など、感じる負担は人それぞれです。
最近では介護のために仕事を辞める「介護離職」も話題となっていますし、「経済的負担」も目立つのではないでしょうか?
介護というのは突然始まるケースが非常に多いです。
たしかに、覚悟ができていない時点で介護が始まってしまえば、準備も知識もままならないので、負担に感じてしまうことは多いですよね。
また、介護に時間を取られ周りから孤立してしまったり、今までなかった家族間の問題が表面化されたりなど、介護ストレスの原因はあらゆるところに潜んでいます。
介護ストレスを抱えていては、適切な介護が出来ず、要介護者へのストレスにも繋がってしまいます。
介護ストレスを感じない介護を行うことが一番ですが、初めての介護だとなかなか難しいですよね。
介護ストレスを感じたらどうすればいいのか、介護ストレスを感じないようにする方法はあるのか、実際にみていきましょう!
介護ストレス解消法!
介護ストレス解消法を紹介していきます。
介護を始めたばかりの人やそこまで介護ストレスを感じてない人も、以下の解消法を意識しておくことで、介護ストレスを事前に防いだり、重症化を防いだりすることができますよ!
- 「自分がやらなくては!」の考えは捨てよう!
- 「ストレスの原因を考えよう!
- 弱音を吐こう!
- 周りと比べない!
「自分がやらなくては!」の考えは捨てよう!
在宅介護でよくあるケースは、自分一人で抱え込みすぎてしまうことです。
介護をすべて一人でこなすのは大変ですし、不可能に近いでしょう。
気を張りすぎて倒れてしまったら、介護もできず、要介護者とあなた双方にとってよくない結果となってしまいます。
責任感があることは素晴らしいことですが、「自分がやらなくてはいけない!」という考えは一度捨てて、自分自身を褒めてあげるようにしましょう。
ストレスの原因を考えよう!
介護ストレスといっても、「自分の時間がない」「体力的にキツイ」「寝る暇がない」など原因となることは人それぞれです。
まずは、在宅介護をしていて自分が不満に感じることを書き出してみましょう。
介護ストレスの原因を把握することで、具体的な解決策が見つかる可能性が高くなります。
弱音を吐こう!
弱音を吐いたっていいんです!どんどん吐きましょう!
不満を口に出すことでスッキリすることって、意外と多いですよね。
「自分は少し疲れているのかもしれない…」と気付けることが大切なんです。
自覚できれば、早い段階で気分転換などもできますよね。
介護ストレスを自覚して、たまには弱音を吐いてみるのも心のケアに繋がるんですよ。
周りと比べない!
在宅介護と一括りにいっても、症状などは人それぞれなので、介護内容にも違いは出てきます。
「〇〇さん家は介護がうまくいってるのに、なんでウチは…」と落ち込む人もいますが、他とは違って当たり前なのです!
違う介護を行っているのですから、比べる意味はありません。
在宅介護に正解はありませんので、ご家庭にあった介護をできるようにしましょう。
介護ストレスには在宅介護サービスを利用しよう!
介護ストレスを解消するために、介護を自分で行わないという手もあります。
介護ストレスの原因をたどってみると、「そもそもどうして自分で介護を始めたんだっけ?」と、意外に介護を始めた理由がわからない人が多くいます。
そのような人は特に、自分での介護にこだわらず、介護サービスを利用してみてください!
プロが介護を行ってくれ安心ですし、介護ストレスが増えることもありません。
では早速、よく利用される介護サービスを紹介していきますので、参考にしてみてください。
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問入浴介護
- デイサービス(通所介護)
- ショートステイ(短期入所生活介護)
訪問介護
訪問介護とは、ホームヘルパーが要介護者などの自宅を訪問し、利用者が必要としている介護を提供するサービスです。
サービスを行う人は、訪問介護員といい「介護福祉士」や「ホームヘルパー」を指します。
ホームヘルパーとして働けるのは、「介護福祉士」「介護員養成研修修了者」「介護職員初任者研修修了者」など、専門的な知識を持ち資格を取得した人たちです。
訪問介護では、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つのサービスを行ってくれます。
「身体介護」では、主に食事介助・排泄介助・着脱介助・入浴介助が主なサービス内容です。
「生活介助」では、洗濯・掃除・買い物など、日常生活に必要な支援を行ってくれます。
「通院等乗降介助」では、通院の際に必要な乗車や降車を介助するサービスのことです。
訪問看護
訪問看護とは、疾患のある利用者の自宅を看護師などが訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスのことです。
医療処置に関わる対応をするので、医師が必要と認めた要介護者のみサービスを受けることができます。
具体的には以下のようなサービスが行われています。
- 血圧や体温、病状のチェック
- 入浴・食事・排せつ介助
- 医療処理
- 医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器など)
- 身体機能回復や嚥下機能訓練などのリハビリテーション
- ご家族への介護指導や相談
訪問看護サービスを提供しているのは、病院・診療所と看護ステーションです。
実際に利用者の自宅を訪ね、サービスを提供するのは、看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保健士などの専門スタッフです。
訪問入浴介護
看護師や介護職員が、巡回入浴車で自宅を訪問し、入浴介助してくれるサービスです。
自宅の浴槽が利用できない人や、デイサービスなどを利用しているため入浴には介助がない人が、このサービスを利用しています。
入浴前に血圧・体温測定などの体調確認が必ず行われ、体調に問題があったら部分浴や清拭に変更される場合もあります。
デイサービス(通所介護)
デイサービスセンターなどに日中通い、介護やレクリエーションを通して日常生活に必要な機能を向上していくサービスです。
施設で受けられるサービスには、入浴・食事などの生活支援や、生活機能向上のための機能回復訓練などがあります。
施設には他の利用者もいるので、新たなコミュニケーションの場となり、通うのが楽しいと感じている人も多くいます。
毎日通うことで、生活リズムを生み出すこともできますよ。
デイサービスでは、送迎車などが用意されている施設もあるので、ご家族の介護の休息時間として利用している方もいます。
ショートステイ(短期入所生活介護)
特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保険施設に短期入所して、介護サービスを受けることができるサービスです。
一般的に短期入所と言われている期間は、数日~1週間程度と言われていますが、場合によっては30日程度利用することもできます。
ショートステイで受けられるサービスは、入浴・排せつ・食事介助などの生活支援や医師などによる健康管理、相談・助言、機能回復訓練などがあります。
介護者の休息として利用される場合もありますが、ご家族がどうしても外せない予定があったり、旅行に行ったりする時に利用されることが多いです。
自分でできる!介護ストレスチェック!
いきなりですが、介護ストレスチェックをやってみましょう!
このようなチェックをしてみたら、自分では気付かなくても思いの外ストレスを抱えていた…なんてこともあります。
以下の項目に、何個当てはまるのかチェックしてみてください!
- 主に自分一人で介護を行っている
- 介護は自分が頑張らなきゃいけないと思っている
- 誰に相談すれば知りたい情報が得られるのかわからない
- 負担が少なくなる介護方法を知らない
- 他人が家に入るのが嫌なので、自分で介護したい
- 介護生活のゴールが見えなくて不安になる
- 長い間留守にできないので、遠出ができない
- 友人との交流や趣味の時間がなくなった
- 家族の世話が不十分になった
- 悩みを聞いてくれたり、相談に乗ってくれたりする人がいない
いかがだったでしょうか?
当てはまった数が多ければ多いほど、ストレスを抱えていることになります。
チェックをした数が少なくても、これから介護ストレスが重症化していく可能性もありますので注意しましょう。
また、「主に自分一人で介護を行っている」などの時間的な制約や、「相談に乗ってくれる人がいない」などは、ストレスの抱え込み度が比較的高いです。
介護疲れなどで倒れてしまう人には、このようにストレスの抱え込み度が高いという特徴があります。
そのような人は、介護を一人で行わず、先ほど紹介した様々な介護サービスを利用してみてはいかがでしょうか?
チェックが過半数を超えてしまった人は、かなり危険な状態にあります。
まずは自分を労って、肩の力を抜いてみましょう。
毎日人のために介護をしているのはとても素晴しいことですが、自分自身を大切にしてあげることが最も重要です。
少しでもいいので、介護から離れた時間を作ってあげるのもいいかもしれませんね。
【原因別】介護ストレス解消法
ストレス解消法を試しても、なかなか軽減されないのが介護ストレスです。
ほんと厄介ですよね…。
そこで、よくある介護ストレスの原因別に解消法を紹介していきます!
一人で介護を抱え込んでいる方
「レスパイトケア」というものをご存知でしょうか?
レスパイトケアとは、介護しているご家族などが一時的に介護から離れ、休息をとるように支援した介護者向けのケアのことです。
具体的には、介護サービスなどを利用して休息をとれるように支援します。
先ほど紹介した中にあるデイサービスとショートステイが、レスパイトケアの中で最も代表的なサービスです。
自分の生活をすべて介護に捧ぐのではなく、時には介護から離れリフレッシュすることも大切でしょう。
介護サービスを利用して生まれた時間を、自分の趣味や外出に費やしてみてください!
きっと今まで介護で疲れていた体も心もリフレッシュされること間違いナシです!
やる気や関心がない方
やる気や関心が以前よりなくなってしまった人は、新たな趣味を持ちましょう!
人間は、何か打ち込めるものや楽しみがないと生きる目標を失ってしまいます。
自分のためにすることがないというのは、とてもつまらない日々でストレスをより感じやすい環境です。
新しい趣味を持つことで、介護から距離を置いた時間も作れるし、交流が広がれば心を許せる人との出会いもあるかもしれません。
共通の趣味があれば心が通じやすいですからね。
そのような人に出会えれば、相談などもしやすくなるのではないでしょうか。
介護のゴールが見えず途方に暮れている方
ゴールが見えないことがストレスに感じているなら、施設への入居を検討してみてはいかがでしょうか?
「自宅で暮らす」ことではなく、「介護」に重きを置くのであれば、介護施設への入居は視野に入れておくべきでしょう。
プロからの介護を受けられて安心ですし、ご家族にも時間的余裕ができます。
施設へ入居することを嫌がる方もいらっしゃいますが、環境に慣れるまでは頻繁に面会などに行って、安心させてあげましょう。
相談する人がいない方
先ほども言いましたが、人に愚痴をこぼすだけで心はスッキリします。
「家族には相談しにくい…」と思う人は、本音で話せる人を作ってみるのもいいかもしれません。
在宅介護をしていて、同じ境遇を味わっている人なんかは相談しやすいのではないでしょうか?
近年では、ネット掲示板なんかも普及しているので、同じ境遇の人を見つけやすいと思います。
また、ケアマネージャーに相談するのもいいです。
ケアマネージャーには守秘義務がありますし、介護のプロとして相談に乗りアドバイスをしてくれるでしょう。
そのためにも、コミュニケーションの取りやすいケアマネージャーを選ぶことが重要かもしれませんね。
「失敗しないケアマネージャーの選び方」は以下の記事で紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてください!
介護うつとはどう違うの?
介護うつとは、介護ストレスが原因でうつ病を発症してしまうことです。
違いというよりも、介護ストレスが原因のうつ病だったんですね…。
具体的には以下のような症状がみられます。
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 疲労感や倦怠感
- 不安感や焦燥感
- 憂鬱や思考障害
なんと介護うつの発症率は、介護者の4人に1人と言われています。
これはかなり高い確率ですよね…。
いつなってもおかしくないということです!
介護うつにならないためには、原因となる介護ストレスを早期に発見し解消することが大切です。
自分自身の健康もしっかり気にかけて介護生活を送らなければいけませんね。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護ストレスの解消法については理解していただけたでしょうか?
また、今回の記事を読んで、自身もストレスを抱えていたことに気付いた方もいるかもしれません。
介護には正解がありません。
ですので、やり方は人それぞれですし、もちろん失敗することもあります。
しかし、ひとつだけ言えることは、介護する人とされる人、双方にストレスのない生活がいい介護でしょう。
自分の介護生活を今一度見直してみて、介護ストレスが生まれない工夫をするようにしましょう!