世界的大流行となっている「新型コロナウイルス」。
日本でも感染の勢いはとどまる所を知らず、東京では100人以上の新たな感染者が日々確認されています。
これ以上の感染を防ぎ、国民の安全を守るために「緊急事態宣言」が出されました。
緊急事態宣言では、不要不急の外出自粛、施設などの休業を要請しています。
そこで、医療機関や食料品店など、日常生活に欠かせない施設の対応に対して、心配の声が上がるようになりました。
介護施設も、休業を心配されている施設のひとつです。
緊急事態宣言が出てしまったいま、介護施設はどうなるのでしょうか?
今回の記事で、徹底的に解説していきます!
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緊急事態宣言とは?
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が、4月7日に発令されました。
効力は5月6日までとし、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・福岡の7都府県で発令されています。
緊急事態宣言が出たことによって、どのような影響が出るのでしょうか?
東京都では7日以前より外出自粛が要請されており、実際に生活がどう変化するのかわからないですよね。
では早速、緊急事態宣言について説明していきます。
国から「要請」できる措置が増える
緊急事態宣言によって、施設の休業などを国から要請することができます。
しかし、休業要請の対象となる施設などの決定は、各都府県に任されています。
新型コロナウイルス対策の特別措置法で決定された内容は、以下の通りです。
- 外出自粛
- 学校の休校
- 施設や店舗の休業
- イベント中止または延期
- ライフラインの安定的な供給
あくまで要請であり、強制力を伴うものではありません。
海外のロックダウン(都市封鎖)は強制力があり、違反者に対しては罰則などもあります。
一方、日本の緊急事態宣言は、国民や企業の協力があって成り立つ措置です。
ロックダウン=緊急事態宣言と思っている方もいるかもしれませんが、2つは違うものだと理解しておきましょう。
強制力を持った措置もある
緊急事態宣言で要請される内容には強制力はないと言いましたが、行政が強制的にできることもあります。
- 都道府県知事が臨時の医療施設をつくる場合、土地や建物の所有者に許可なく使用できる
- 都道府県知事は医薬品や食品などの売り渡しを業者に求めることができる
以上の二点は強制力を伴い、応じない場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
緊急事態宣言で介護施設どうなる?
緊急事態宣言で介護施設はどうなるのでしょうか?
施設などの休業が要請され、介護施設も休みになってしまうのではないかと不安に思っている人も多くいると思います。
しかし、緊急事態宣言で休業を要請されいるのは、一部の介護施設のみです。
厚生労働省は、デイサービスなどの通所施設とショートステイなどの短期間入所施設のみ使用の制限や休業が要請できるとしています。
確かにデイサービスなどは、現在政府が自粛を要請している「密集」「密室」「密閉」の三密に当てはまりますよね。
そう考えたら、休業を要請されるのも仕方ない気がします。
しかし、デイサービスなどはひとつの生活リズムでもありますし、介護サービスを受けられなくなるのは不安ですよね。
そこで、休業する際は、施設職員が利用者の自宅を訪問するなどし、別の方法で必要な介護サービスを提供できるよう検討されています。
利用している介護施設が休業になっても、必要な介護サービスは受けられるというわけですから、安心ですね。
介護施設で行われているコロナ感染予防策とは?
一方で、特別養護老人ホーム(特養)などの入所施設や、訪問介護は休業が要請されている対象サービスではありません。
新規の入居などは断られてしまう可能性がありますが、通常どおり運営されることでしょう。
通常どおりといっても、新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために対策はされています。
厚生労働省は、緊急事態宣言が出ていない地域も含めた全地域を対象とし、感染予防対策をまとめました。
その対策が以下の内容です。
- 緊急時以外の面会を制限
- 施設に出入りした人の氏名と連絡先を記録
- 集団活動は人数を減らし、発声を控える
- 感染者は原則入院
- 濃厚接触者は個室へ移動
- 介護職員のマスク着用
様々な感染予防策が打ち出されています。
外部との接触を極力減らすようにしており、家族でも面会が制限されているのです。
面会ができないご家族に対しては、テレビ通話を利用するなどの対応をしてくれます。
また、施設によってはリハビリが毎日行われ、集団での活動がやむを得ない場合があります。
高齢者はしばらく身体を動かさなかっただけで、すぐ身体機能が低下してしまうので、中止にするわけにもいきません。
そこで、グループを細かく分け少人数で行ったり、なるべく声を出さずに飛沫感染を防いだりなどの対策が行われています。
コロナ対策の面会不可による弊害も…
介護施設の面会不可によって、思わぬダメージを感じている方たちもいます。
それは、認知症の利用者をもつご家族たちです。
認知症の方には、「人物に対する見当識障害」というものがあり、人の顔や名前を忘れてしまう症状があります。
それは、ご家族に対しても同じです。
そのため、認知症の利用者をもつご家族は、顔と名前を忘れられないために毎日面会に行く方も多くいらっしゃいます。
しかし、新型コロナウイルス予防のため面会は不可…。
親や配偶者に顔を忘れられてしまう…と不安に思う方が増えてきているのです。
今まで面会に費やしていた時間もありますし、面会に行きたい気持ちもわかりますが、入居者の安全を考えたら仕方のないことなのかも知れません。
介護施設で集団コロナ感染は起きている!
実際に、介護施設で集団コロナ感染は起きています。
大田区の特別養護老人ホーム(特養)で、クラスター感染が起きました。
男性職員の感染から始まり、入居者12人の感染が確認されたのです。
高齢者の感染は非常にリスクが高く、命の危険もあります。
今後、このような介護施設でのクラスター感染を防ぐためにも、より慎重な感染予防対策が必要となってくるでしょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言によって、介護施設はどうなるのでしょうか?
介護も命に関わる場合もありますし、日常には必要なサービスです。
しかし、高齢者への新型コロナウイルスの感染を防ぐためには、我慢しなくてはいけないサービスも出てくるでしょう。
新型コロナウイルスの感染者をこれ以上増やさないためにも、どういう行動を取るべきなのか、今一度考えてみましょう!