介護医療院とは、2018年から開設されたまだ新しい施設です。
医療ケアに特化した介護施設で、要介護1以上の方が入居できます。
通常の老人ホームだと、日常的な医療ケアが受けられないところも多いので、医療ニーズが高い方にはオススメの施設かもしれませんね。
そこで今回は、介護医療院について詳しく開設していきたいと思います!
介護医療院の形態についても説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくてください!
※本ページにはPRが含まれます。
介護医療院とは?
介護医療院とは、2023年度末までに廃止が決定してる介護療養型医療施設(介護療養病床)の転換先として創設が始まった施設です。
2018年4月から創設され、2019年6月の時点で223施設が全国に展開されています。
介護医療院は、医療依存度の高い高齢者が対象となっている施設で、日常的な医療ケアから看取りやターミナルケアまで対応してくれます。
「医療機能」と「生活施設」が交ざった施設ということですね。
介護医療院で提供されるサービスは以下の通りです。
【医療ケア】
- 痰吸引
- 経管栄養
- 投薬
- 検査
- 看取り
- ターミナルケア
【介護】
- 入浴
- 食事
- 排せつ
- 健康管理
- リハビリ
- レクリエーション
- 地域住民やボランティアとの交流
介護医療院の利用対象者は?
介護医療院は、要介護1∼要介護5までの方が利用できます。
要介護認定は、原則として65歳以上の方が申請できますが、特定疾病を抱えている方は64歳以下でも申請できます。
介護医療院への入居を検討していて、まだ要介護申請をしていない方は早めに申請するようにしましょう。
介護医療院は医師が常駐している!
介護医療院は、医療機関としての機能をもっていることが大きな特徴です。
そのため、医師などの専門職が医療機関に近い人数で配置されています。
介護医療院の人員を以下の表にまとめましたので、確認していきましょう。
人数 | 仕事内容 | |
---|---|---|
医師 | 入居者6人に対し1人 | 診察、検査指示、薬の処方、健康管理など |
看護師 | 入居者5~6人に対し1人 | 医療的ケア、血圧・体温測定、食事量の確認、健康管理など |
介護職員 | 規定なし | 日常生活全般の介護サービス(入浴介助、食事介助、おむつ介助など) |
理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 |
規定なし | 身体機能維持を目標としたリハビリを行ってくれる |
薬剤師 | 規定なし | 医師の指示のもと、薬の処方、薬が飲めているかの確認 |
栄養士 | 規定なし | 食事メニューや食事形態の立案、調理員への指示など |
ケアマネージャー | 規定なし | ケアプランの作成、入居者やご家族からの相談対応など |
介護医療院の費用はどれくらい?
介護医療院の1ヶ月にかかる費用は、
「介護保険でのサービス費」+「部屋代」+「食事代」+「日常生活費」です。
「日常生活費」は、日用品にかかる費用のことなので月によって変わってくるでしょう。
「介護保険でのサービス費」「部屋代」「食事代」は、だいたいの金額があらかじめ決められています。
それぞれの金額をみていきましょう。
介護保険でのサービス費
介護サービス費は、要介護度と部屋タイプによって異なります。
以下の表を確認していきましょう。
従来型個室 | 多床室 | ユニット型個室 ユニット型個室的多床式 |
|
---|---|---|---|
要介護1 | 698円 | 808円 | 825円 |
要介護2 | 807円 | 916円 | 933円 |
要介護3 | 1,041円 | 1,151円 | 1,168円 |
要介護4 | 1,141円 | 1,250円 | 1,267円 |
要介護5 | 1,230円 | 1,340円 | 1,357円 |
上記の金額は、自己負担が1割の場合です。
自己負担額は、所得に応じて1割∼3割と変動します。
本人の自己負担割合がいつくになるか、事前に確認しておきましょう。
部屋代・食事代
「部屋代」と「食事代」には、国が定めている基準費用額があります。
1日当たりの費用は以下の通りです。
住宅型個室:1,640円多床室:320円ユニット型個室:1,970円
ユニット型個室的多床室:1,640円
国が定めているといっても基準額なので、施設によって費用は変わります。
また、入居者の所得によって軽減制度もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
介護医療院はⅠ型とⅡ型のタイプに分かれている!
介護医療院は、Ⅰ型とⅡ型の2つのタイプに分かれています。
それぞれ特徴が異なってきますので、詳しく見ていきましょう。
Ⅰ型の介護医療院
Ⅰ型では、現在の介護療養病床に相当するサービスを提供しています。
医療依存度が高く、容体が急変する危険がある方が入居する施設です。
入居者48人に対し、医師1人の配置が義務付けられています。
医師は必ず宿直なので、24時間安心の医療体制が整っています。
緊急時や夜間でも迅速に対応してくれるので安心ですよね。
しかし、人員配置が手厚いため、Ⅱ型よりも費用が高くなってしまうというのがデメリットでもあります。
Ⅱ型の介護医療院
Ⅱ型の介護医療院は、老人保健施設に相当する以上のサービスを提供しています。
Ⅰ型よりも、容体が安定している人が入居する施設です。
入居者100人につき、医師が1人といった人員配置になっています。
医療外付け型
類型として、医療外付け型といったタイプもあります。
医療外付け型は、医療居住スペースと医療機関が併設している施設です。
長期にわたる医療ケアや介護を必要としている方が対象で、容体が安定していることが条件とされています。
介護医療院のメリット・デメリット
介護医療院のメリットは、なんといっても手厚い医療ケアが受けられるところです。
医療機関とほぼ一緒のスタッフが配置されており、医師や看護師は24時間常駐しています。
そのため、一般的な老人ホームでは難しい喀痰吸引や胃ろうなどの経管栄養にも対応しています。
長期療養の方も受け入れをしており、看取りやターミナルケアを行っていることも特徴です。
一方で、デメリットとしてはプライバシーへの配慮に欠けることがあげられます。
介護医療院は多床式を採用しているところが多く、パーティションなどで仕切られている施設がほとんどです。
周りの目はないにしても、パーティションで仕切られているだけのプライベート空間だと不安に感じる人もいますよね。
同室の方の物音で、夜中に目が覚めてしまうなんてこともありえます。
介護医療院の利用手続きの仕方
介護医療院は、現在、病院に入院している人が退院後に利用することが多いです。
現在入院中の方は、病院のソーシャルワーカーに相談するようにしましょう。
入院中でない方は、入居を検討している介護医療院に直接問い合わせてみてください。
入居にあたっては、「診療情報提供書」や「健康診断書」が必要となる場合があるので、速めに手続きを進めるようにしましょう。
介護医療院の探し方
介護医療院は、厚生労働省が提供している「介護サービス情報公表システム」で探すことができます。
しかし、最初にも説明した通り介護医療院は移行期間中です。
そのため、現在住んでいる地域には施設がない場合もあります。
他の市区町村にも視野を広げて、施設を探すようにしましょう。
地域役場の介護関係の窓口に相談してみるのもひとつの手かもしれませんね。
介護医療院のまとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護医療院については、理解していただけたでしょうか?
介護医療院は、介護療養型医療施設の転換先だったんですね。
たしかに、介護療養型医療施設も医療機関としての機能を大きく持った施設でした。
そう考えれば、介護医療院の手厚い医療体制にも納得できますね。
医療ニーズが高い人は、ぜひ介護医療院も老人ホーム探しの視野に入れてみてください。
素敵な老人ホームに出会えることを、心より祈っています!