最近ニュースで、「介護崩壊」という言葉をよく聞きませんか?
新型コロナウイルスの影響で介護業界に危機が迫っているというのは、その字面からわかると思います。
しかし、具体的に介護崩壊が起きたらどうなってしまうのか、日本でも介護崩壊が起きているのか、というのはよくわからないですよね。
そこで今回は、介護崩壊について解説していきたいと思います!
介護施設が行っている新型コロナ対策なども紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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日本でも介護崩壊の危機?
新型コロナウイルスの影響で、最近よく聞くようになった「介護崩壊」。
日本でも、介護崩壊の危機は起きているのです。
新型コロナウイルスの感染予防として、多くの老人ホームでは面会や新規受け入れが停止されています。
しかし、デイサービスなどは3密でありながらも、必要としている高齢者がいる以上、営業を停止することはできません。
デイサービスを必要としているのは、利用者だけでなく、ご家族もそのうちの一人です。
デイサービスでは、日中を施設で過ごし、食事や入浴をすませられるだけでなく、送迎サービスも行っています。
ご家族はデイサービスを利用することで、安心して日中仕事に取り組むことができるのですね。
しかし、休業要請が出ていないデイサービスでも、自主休業が相次いでいるのです。
先ほども言った通り、デイサービスは密閉・密集・密接が揃う3密の場所です。
実際に、施設内で集団感染が起きた例もあります。
感染のリスクを考え、どこの施設でも休業に乗り出しているというわけですね。
休業理由は、感染予防だけではなく、「マスクや消毒液などの衛生用品の不足」「事務所の人で不足」でもあります。
いわゆる、新型コロナウイルスによる「介護崩壊」が日本でも起きかけているのです。
参考元 PRESIDENT Online:コロナ禍で進行しつつある「介護崩壊」の恐るべき現状
アメリカでの介護崩壊
世界の中でも、かなり感染者数が多いアメリカ合衆国。
アメリカ東部のニュージャージー州の介護施設では、「介護崩壊」が指摘されています。
ある日、ニュージャージー州の大型介護施設に「小屋に遺体がある」と匿名の通報が入ったのです。
警察が介護施設に向かうと、小屋ではなく収容人数4人の遺体安置所に、なんと17人もの遺体を発見しました。
この施設では、新型コロナウイルスの集団感染が起きており、26人が死亡していました。
そのような状況で、介護職員の「時間外や休日勤務の問題」が発生しています。
施設で集団感染が起きると、自身が感染することを恐れ無断欠勤する職員が、アメリカではでてきているのです。
介護職はテレワークができないので、たしかに感染のリスクはありますが、高齢者を放置して無断欠勤するのは無責任すぎますよね。
こうして人手が足りなくなり、マスクや消毒液などの必要物資もないことから、「介護崩壊」が懸念されているのです。
実際に、ニュージャージー州の全介護施設での新型コロナウイルス感染者は、利用者の10%と確認されています。
6,000人近くの介護施設利用者が感染しているということですから、「介護崩壊」は起きても仕方ないのかもしれません。
参考元 BBC NEWS JAPN:米ニュージャージー州の施設に17人の遺体、介護崩壊か 新型ウイルスで?
介護施設での新型コロナ感染予防対策は?
多くの介護施設では、新型コロナウイルス対策として、面会・新規受け入れ・見学を中止しています。
行政から自粛要請が出ている老人ホームもあるので、現在面会や見学ができる施設はないといっても過言ではないでしょう。
老人ホームだけでなく、ショートステイやデイサービスも営業を自粛しています。
特にデイサービスでは、密閉・密集・密接の3密に当たる場所とされ問題視されています。
行政からの自粛要請は出ていませんが、自ら休業に踏み出している施設は多いようです。
デイサービスを休業する際は、介護サービスを一切止めるわけではなく、施設スタッフが利用者宅を訪問し介護を提供するなどの手段がとららています。
新型コロナの感染リスクを考えたら休業は仕方ないですが、介護というのは生活に必要不可欠ですから、自宅でも変わらぬ介護サービスを受けられるのはありがたいですよね。
介護崩壊を恐れるなら、在宅介護サービスを利用しよう!
十分な介護が受けられなくなってしまう「介護崩壊」を懸念して、親を施設に預けておくことが心配と思うご家族もいらっしゃるでしょう。
「一時的に預かりたい。」という申し出をしても、このような状況で自宅に返す方が危険と判断され、断られるという事例も出ています。
そうなれば、老人ホームを退去して自宅での介護に切り替えるしかないですよね。
しかし、今まで施設に任せっきりにしていた介護ですから、いきなり介護を始めるのは少し不安ですよね。
そのような方は、自宅での介護もプロに任せてみてはいかがでしょうか?
在宅介護サービスでは、新型コロナ対策もバッチリですし、利用時間を選べるので短い利用時間を選ぶことで、感染のリスクを最小限に抑えることもできますよ。
ではここで、主に利用されている在宅介護サービスを紹介します。
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問リハビリテーション
- 訪問看護
訪問介護
訪問介護とは、ホームヘルパーが要介護者などの自宅を訪問し、利用者が必要としている介護を提供するサービスです。
サービスを行う人は、訪問介護員といい「介護福祉士」や「ホームヘルパー」を指します。
ホームヘルパーとして働けるのは、「介護福祉士」「介護員養成研修修了者」「介護職員初任者研修修了者」など、専門的な知識を持ち資格を取得した人たちです。
訪問介護では、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つのサービスを行ってくれます。
「身体介護」では、主に食事介助・排泄介助・着脱介助・入浴介助が主なサービス内容です。
「生活介助」では、洗濯・掃除・買い物など、日常生活に必要な支援を行ってくれます。
「通院等乗降介助」では、通院の際に必要な乗車や降車を介助するサービスのことです。
訪問入浴介護
看護師や介護職員が、巡回入浴車で自宅を訪問し、入浴介助してくれるサービスです。
自宅の浴槽が利用できない人や、デイサービスなどを利用しているため入浴には介助がない人が、通常ではこのサービスを利用しています。
入浴前に血圧・体温測定などの体調確認が必ず行われ、体調に問題があったら部分浴や清拭に変更される場合もあります。
訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が利用者の自宅でリハビリを行ってくれるサービスです。
自立できる人には歩行訓練、歩けない人には筋力をつけるための訓練、寝たきりの人には離床を促すなど、身体状況に合わせてリハビリを行ってくれます。
リハビリの内容によっては、環境を整えるために住宅のリフォームも必要となってきます。
訪問看護
訪問看護とは、疾患のある利用者の自宅を看護師などが訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスのことです。
医療処置に関わる対応をするので、医師が必要と認めた要介護者のみサービスを受けることができます。
具体的には以下のようなサービスが行われています。
- 血圧や体温、病状のチェック
- 入浴・食事・排せつ介助
- 医療処理
- 医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器など)
- 身体機能回復や嚥下機能訓練などのリハビリテーション
- ご家族への介護指導や相談
訪問看護サービスを提供しているのは、病院・診療所と看護ステーションです。
実際に利用者の自宅を訪ね、サービスを提供するのは、看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保健士などの専門スタッフです。
日本の介護崩壊 まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本の介護崩壊については理解していただけたでしょうか?
介護業界はもともと人手不足が問題視されていましたが、現在さらに問題となっています。
学校が休校になっているいま、仕事を休む介護職の方が増えているからです。
また、新型コロナの感染を恐れ、介護サービスがキャンセルされることが多く、ホームヘルパーの仕事が減り、離職を考えている人も多くいます。
この状況が続けば、通常の生活に戻った際に、さらなる介護業界の人手不足に繋がるでしょう。
介護はプロに任せた方が安心ですし、この状況でも利用できる介護サービスは利用し続ける方がいいかもしれませんね。