『自分は50歳なのですが、貯金が全くありません。お金を貯めないと老後生きていけないでしょうか?』
『老後の2000万円必要と聞いたのですが、本当に2000万円ないといけないのでしょうか?』
老後は誰しも避けては通れない道なので、退職が近づくと気にし始める方も多いです。
そんな中で、老後を一人で迎える方も増えているのが現状です。
収入も減っていて、体も衰弱していく中での一人暮らしは、お世辞にも安全な生活を送れるとは言えません。
今回の記事では、老後を一人暮らしで迎えるために必要な費用や、リスクについてしっかりと解説します。
ぜひ参考にしてください。
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老後一人暮らしで必要な費用は?
老後に一人暮らしをする場合には、毎月平均して15万円かかると言われています。
住宅費や水道代、光熱費、食費などをすべて含んで15万円程度だと言われていますが、これは最低限の生活でしかありません。
娯楽や趣味にお金を使わない生活をした場合の話なので、実際には20万円以上掛かると言っても過言ではありません。
日本人の平均的な寿命は延びており、厚生労働省が発表している『健康寿命』を用いれば平均的な一人暮らしをしていられる期間を算出することができます。
厚生労働省によると、男性の健康寿命は『71歳』、女性の健康寿命は『74歳』です。
今の定年退職年齢は平均して60歳です。
なので、男性であれば11年間、女性であれば14年間一人暮らしをできるだけの元気さを持っていることになります。
この期間に掛かる費用というのは、男性で1980万円、女性で2520万円です。
老後に2000万円以上必要と言われているのも理解できますね。
この値段は最低限の15万円で算出場合なので、趣味や娯楽にお金を使いたいと考えている方はもっとお金が必要だということも覚えておきましょう。
年金はどれくらいもらえる?
これまで見てきた内容というのは、貯蓄だけを浪費し収入が一切ないという前提でした。
しかし、現実には『年金制度』がありますね。
なので、次は年金をもらったうえでどのくらいの料金が必要なのか確認していきましょう。
下記の表は、平成29年度の年金を参照しています。
厚生年金 | 国民年金 |
---|---|
147,051円 | 55,615円 |
厚生年金と国民年金について知らない方もいるかと思いますので、以下の文章を参考にしてください。
国民年金は「基礎年金」とも呼ばれるものであり、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている年金です。国民年金の保険料は定額であり、平成28年度は月額16,260円となっています。
厚生年金保険は、国民年金に上乗せされて給付される年金です。基礎年金となっている国民年金の金額に、厚生年金保険の受給額が加算され、合計金額をもらうことになります。厚生年金保険の対象者は、主に会社員やサラリーマンなどが挙げられます。個人事業主でも従業員が常時5人以上いる場合には、強制加入となります。
厚生年金をもらうことができるのであれば、ほとんど貯金は必要ないことがわかりますね。
ただ、娯楽や趣味にお金を使いたいのであれば、月20万円くらい使うと仮定しておいたほうがいいでしょう。
月20万円として、厚生年金を入れて計算してみると、年間で635,388円の出費になります。
これを、健康寿命で計算すると、男性は700万円弱、女性が900万円弱必要になることがわかります。
年金をもらうことができたとしても、1000万円ほどの貯金が必要ということですね。
生活保護はもらえない?
どうしても、費用を賄えなくなってしまったら生活保護をもらうという手段もありますね。
生活保護を受けるために必要なことは以下の6点です。
年金・生命保険・その他国の手当を活用しても生活費を賄えない (一緒に暮らしている人間の合計収入が生活基準額以下である)
どうしても働けない状況にある(例:病気)
家賃を滞納している
貯金がない状態で失業した
医療費を支払えない
換金できる資産は売却済である
これらの条件に当てはまっているのであれば、生活保護の申請をしてみましょう!
市区町村によってもらえる金額は異なりますが、月に10万円前後もらうことができるので、生活保護を受けることができればかなり生活は楽になりますね。
老後一人暮らしのリスク
次は、老後に一人暮らしをした場合に生じるリスクについて解説します。
- 詐欺にあう可能性が高い
- 孤独死してしまう
- 認知症になりやすい
上記3点が老後一人暮らしをする際に生じるリスクです。
一つずつ解説します。
詐欺にあう可能性が高い
高齢者が詐欺の被害に合っているというニュースを見たことがあると思いますが、他人ごとではないのです。
オレオレ詐欺や還付金詐欺などが一般的に知られている詐欺ですね。
1人暮らしの老人を信頼させて高額商品を購入させるような詐欺も起きています。
また、一人暮らしだと詐欺にあったことも気づかずにお金を支払って終わってしまうこともあります。
詐欺に合って多額の支払いをするよりは、元気なうちから老人ホームに入居したほうがいいでしょう。
孤独死してしまう
一人暮らしをしていると、家で衰弱してしまっても誰にも気づいてもらえないということが多いです。
そのまま放置されてしまい、気付いたら亡くなっているという事件もあります。
また、急に脳卒中や脳梗塞が起きてしまったときにも助けを呼ぶことができず、誰かが気付いたときには手遅れ、といった状況になる可能性もあります。
認知症になりやすい
一人暮らしということは、必然的に人と話す機会は減りますよね。
人と話す機会が減ると、認知症になるリスクというのは格段に上がります。
認知症は、脳を使わないことによって進行してしまうので、人と話さないというのは致命的です。
認知症についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
老後のリスクを軽減する為の方法
心地の良い老後生活を送るために、前々からやっておくべきことを解説します。
- 健康にいい生活を送る
- 友人を大事にする
- 介護施設についての知識もつけておく
- 貯金をしておく
上記4点が老後一人暮らしをする際に生じるリスクです。
一つずつ解説しますね。
健康にいい生活を送る
やはり健康というのは老後においては一番重要です。
老後を健康体で過ごすためにも、若いうちからの習慣が大事になります。
例えば、毎日有酸素運動を行うことや、ジャンクフードや間食はなるべく控えるなどですね。
栄養管理や運動、睡眠の時間などが老後の健康に響いてくるので、若いうちからしっかりと考えて生活するようにしましょう。
友人を大事にする
若いうちから友人関係を大事にしておくことで、老後に困ったときに助け合える存在を作ることができます。
特に一人暮らしをしようと考えている方は、近所の方とのつながりも意識したほうがいいでしょう。
日ごろから、お互いに助け合えるような関係を築いておきましょう。
介護施設についての知識もつけておく
一人暮らしをしたいと考えている方もいるかもしれませんが、老後の生活と介護施設との関係は切っても切れないです。
『自分も老人ホームにお世話になるかもしれない』という心構えを持って若いうちから老人ホームについての知識をためておきましょう。
老人ホームの種類についてまとめている記事があるので、興味がある方は参考にしてみてください!
貯金をしておく
老人ホームを利用するとなれば、またお金が必要になります。
ただ、老人ホームに入居することを前提としなくても、1000万円程度の貯蓄は必要だということを先ほど説明しましたね。
月20万円の出費だとしても1000万円必要なので、それ以上にお金を使いたいと考えている方は、さらに貯金が必要です。
最低1000万円の貯金が必要だということを覚えておきましょう。
まとめ
老後一人暮らしにはどのくらいの費用が必要なのか、理解していただけたでしょうか。
老後では年金をもらうことができますが、それでも1000万円以上の貯金が必要だということがわかってもらえたかと思います。
また、老後一人暮らしには様々なリスクがあるので、老人ホームに入居することも視野に入れておくことをおすすめします。
老人ホームは、介護が必要な方だけが入居する施設ではなく、一人暮らしに不安を覚えた方や、誰かと一緒に生活をしたいと考えている方が入居できるとうな施設もあります。
サービス付き高齢者向け住宅がその筆頭です。
ぜひ検討してみてくださいね。