在宅介護をしていると、いつしか必ず必要となってくるのが介護用オムツですよね。
しかし、自分の子供などにオムツを交換されるという行為に抵抗を感じ、オムツ交換を嫌がる方も多くいらっしゃいます。
たしかに、自分がオムツを替えてあげていた子供にオムツを交換してもらうのに、気が引けてしまうのは分かります。
しかし、寝たきりの状態になってしまえば自立してトイレに行くことはできず、オムツを放置してしまえば床ずれなどの皮膚疾患も出てきてしまいます。
オムツ交換は、必要不可欠な在宅介護ということですね。
では、要介護者が嫌がらないオムツ交換の方法はあるのでしょうか?
そこで今回は、在宅介護のオムツ交換について徹底解説していきたいと思います!
オムツ交換の注意点も解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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在宅介護でオムツが必要になったら
要介護度が高くなると寝たきり状態になってしまう人も多く、その場合オムツの着用が必要となってくるでしょう。
しかし、オムツの着用・交換は抵抗感を感じる要介護者も多く、嫌悪感を感じる人もいます。
ご家族ではなくホームヘルパーなどを呼んで在宅介護をしてもらってる人は、さらに気恥ずかしさを感じる場合もあるでしょう。
しかし、排せつ介護を放っておいてしまうと、悪臭を放つだけではなく、かゆみやかぶれなどの身体的問題も起きてしまいます。
特に臭いに関しては、一緒に暮らしているご家族が不快に感じてしまうので、こまめにオムツ交換を行うことが大切です。
初めは抵抗を感じていても、徐々に慣れていくものです。
要介護者とそのご家族、共に協力をしてオムツ交換をしていきましょう。
在宅介護のオムツ交換で必要なもの
オムツ交換と言っても、要介護者にとっては通常の排せつと変わりありません。
ですので、しっかりと清潔を保持してあげる必要があります。
そこでオムツ交換に必要な物は以下の通りです。
- 使い捨て介護用エプロン
- 使い捨てビニール手袋
- 陰部洗浄用のお湯と石鹸
- おしりふきや清潔なものなど
- 新しいオムツ
清潔を保つために、どれも必要なものばかりです。
「家族の体を触るのにビニール手袋をつけるなんて不潔と言ってるようなものだ!」と、ビニール手袋をつけることに否定的な意見を持っている人もいます。
しかしこれは不潔だからというわけではなく、衛生的に必要なものなのです。
必ずつけるようにしましょう。
汚れがついてしまった際には、再度利用することができないので使い捨てを使用するのもポイントです。
洗浄用の石鹸は、泡タイプのものを用意することをオススメします。
オムツ交換はベッドの上で行うので、そこで固形石鹸から泡を作り出すのは手間がかかってしまうからです。
洗浄用のお湯も、そのままお湯だけを用意するのではなくペットボトルなどに入れて用意しておきましょう。
ペットボトルの蓋に小さな穴をいくつか開ければ、じょうろのようにして陰部を洗浄することができるのでとても便利です。
また、使用済みのオムツや使い終わったエプロン、ビニール手袋を処分するための袋なども用意しておきましょう。
オムツは臭いが広がるのを防ぐためにも、新聞紙などに包んでから捨てることをオススメします。
在宅介護でのオムツ交換の手順
オムツ交換は、要介護者にとってもそのご家族にとってもあまりいい時間ではありません。
ですので、手際よく短時間で終わらせるようにしましょう。
以下のような手順で行うと、短時間で完了することができます。
- 道具を準備する
- 衣服を脱いでもらう
- 排尿・排便、皮膚状態の確認
- お湯と泡石鹸で洗浄
- オムツを交換する
1.道具を準備する
先ほど説明した必要な道具を準備します。
足りないものがあっても、オムツ交換の最中に準備することは難しいので、不足がないようしっかりと準備しましょう。
また、オムツ交換をしようとしても、要介護者に応じてもらえない場合もあります。
その際は、無理強いをしたり怒鳴ったりはせず、優しく声をかけて交換させてもらうようにしましょう。
2.衣服を脱いでもらう
肌の露出は最低限にして、要介護者の気持ちを配慮してあげましょう。
冬は寒いので、オムツ交換の際にはいつも以上に部屋を温めてあげることも大切です。
必要最低限、身体を動かしてもらうためにも、ズボンの着脱はなるべく協力してもらうようにしましょう。
もちろん、自分でできる人には、着脱は全て任せてしまっても問題ありません。
3.排尿・排便、皮膚状態の確認
排尿・排便の有無を確認するのはもちろんですが、床ずれができていないかチェックするのも重要です。
寝たきりの状態でいると、特定の場所が長時間圧迫を受け血流が悪くなり床ずれが起きてしまいます。
オムツ交換はその床ずれをチェックする場面でもあるのです。
また、床ずれだけでなくかぶれなどがないかも確認してあげましょう。
長時間オムツをつけているとかぶれが起きやすいです。
肌がかぶれていたら、薬を塗ってかゆみを軽減してあげましょう。
ある程度皮膚の状態を確認したら、オムツを交換するために左右どちらかに体位変換をしてもらいます。
自ら体位変換をする力があれば、ベットの柵などを掴み横を向いてもらうようにしましょう。
寝たきりの介護でも、できる範囲は身体を動かしてもらうのがADL(日常生活動作)を低下させないことに繋がります。
横を向いてもらったら、使用済みのオムツを新しいオムツに交換し、仰向けの状態に戻します。
その際、使用済みのオムツや汚れたものは速やかに処分しましょう。
4.お湯と泡石鹸で洗浄
陰部の洗浄には用意しておいたお湯と泡石鹸を使います。
お湯の温度は熱すぎないようにしておき、要介護者にもこの温度でいいか確認をとっておきましょう。
まずお湯で洗い流し、石鹸で洗浄したら、最後にもう一度お湯で流します。
洗浄の際にも肌が荒れていないか確認することで、床ずれなどを見逃すことが防げます。
5.オムツを交換する
最後はオムツの交換です。
漏れがないようしっかりと肌に密着させオムツを閉じましょう。
服を着させ、お礼を言ったら終了となります。
「オムツを交換しているのにお礼?」と思うかもしれませんが、このお礼という行為がとても大切なのです。
要介護者にとって体位変換などがあるオムツ交換はとても体力がいるものです。
「協力してくれてありがとう。」という感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
オムツ交換の注意点
オムツ交換は、デリケートな部分でもあるのでいくつか注意点があります。
まずは、清拭の際のポイントです。
清拭の際、特に女性は尿道と肛門が近いため、便などが尿道から入り尿路感染症を引き起こす可能性があります。
ですので、必ず尿道側からお尻に向かって清拭するようにしましょう。
また先ほども言いましたが、おむつ交換の際は皮膚疾患などが起きていないか必ずチェックすることも重要です。
要介護者の中には痛くてもうまく伝えられない人もいます。
ですので、肌状態をチェックできるときに、確認してあげるようにしましょう。
そして、おむつ交換の流れの中で最も大切なことは声かけを行うということです。
「オムツ交換を始めますよ。」「次は右側を向いてください。」などの声かけを行うことで、安心感に繋がりますので積極的に行うようにしましょう。
指示だけではなく、綺麗になった事や不快感が残っていないかなど、随時確認することも大切です。
- お尻側に向かって拭く
- 床ずれなどの皮膚疾患をチェックする
- 積極的に声かけを行う
在宅介護でオムツ交換の頻度はどれくらい?
オムツ交換となると自分の好きなタイミングでは行いませんし、最初はその頻度に悩んでしまいますよね。
「頻繁に交換するのは疲れてしまうし、けどあまりにも放置しておくと臭いも気になるし…」と、交換頻度は案外難しいものなのです。
しかし通常のトイレと同じように、排尿排泄の頻度は人によって違います。
ですので、要介護者にあったタイミングでオムツ交換を行うようにしましょう。
最初のうちに、「何時間おきにオムツ交換を行う」と決めている家庭も多いようです。
筆者が以前祖母の介護を行なっていた時は、祖母自ら排尿したことなどを伝えてくれていたので、その度にオムツ交換をするようにしていました。
また、在宅介護でオムツ交換を行う際は、リハビリの一環としてなるべくはトイレに連れて行くよう努力しているご家庭も多くあります。
介護の状況は人それぞれですので、要介護者とそのご家族にあったタイミングでオムツ交換を行うようにしましょう。
在宅介護のオムツ交換は意外と負担がかかる…
在宅介護でのオムツ交換は意外と負担がかかります。
赤ちゃんのおむつ交換とは違い、大人一人の身体の向きを変えたり、移動させたりすることは身体的負担となります。
さらに、オムツ交換は1日1回ではなく、何度も行わなければいけない介護です。
何回も大人の身体を動かすことは体力が必要となってくるでしょう。
また、場合によっては、夜間もオムツ交換をしなければいけない場合もあります。
定期的に起こされることで、十分な睡眠を確保することができず、体調不良の原因となってしまうこともあるでしょう。
夜間のオムツ交換の回数を減らすために、寝る前の水分摂取量を調整することも大切です。
デイサービスを利用しよう
在宅介護でオムツ交換の負担を軽減するために、介護サービスを利用することもオススメします。
在宅介護の中で主におむつ交換を負担と感じているのであれば、デイサービスを利用するのはいかがでしょうか。
デイサービスとは、自宅で生活している利用者が、日帰りで受けられる介護を提供するサービスです。
施設で受けられるサービスには、入浴・食事などの生活支援や、生活機能向上のための機能回復訓練などがあります。
もちろん、排せつ介助も受けることができます。
日中はデイサービスに介護を任せ、夜は自宅で介護を行うというのもひとつの方法だと思いますよ。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
在宅介護のおむつ交換については理解していただけたでしょうか?
在宅介護のほんの一部だと言っても、オムツ交換は意外と負担がかかるものです。
その負担が積み重なれば、介護ストレスの原因となってしまい体調を崩してしまう可能性も出てきます。
ですので少しでも負担を感じたら、無理をせずに在宅介護サービスを利用して休息を取ることも大切でしょう。
現在では、様々な在宅介護サービスが提供されています。
あなたのニーズに合った在宅介護サービスを選んで、利用を検討してみてはいかがでしょうか?