認知症はどのように進行していくの?種類や段階に分けてわかりやすく解説!

選んではいけないケアマネージャー-手を合わせる介護士とシニア 認知症について

認知症は、誰しもが発症する可能性のある病気のひとつです。

認知症になれば記憶障害だけでなく、言語能力が低下したり時間や人物がうまく認識できなくなったりと、日常生活を送ることが困難になります。

そのため、ご家族がサポートをする場面が増え、周りの人にも大きな負担がかかる病気でもあるのです。

認知症では、記憶障害が起きるということは多くの人が知っていると思いますが、どのように進行していくのかはよくわからないですよね。

認知症と診断されたらいきなり症状が悪化するのか、徐々に進行していくのか気になるところだと思います。

そこで今回は、認知症の進行について解説していきたいと思います!

認知症の方が入居できる介護施設も紹介しますので、ぜへ最後まで読んでみてください!

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そもそも認知症とは?

認知症とは、脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態のことを指します。

認知機能に障害が起きるため、日常生活や社会生活が困難になるのが特徴です。

認知症が進行すると、判断力や理解力がだんだん低下していってしまうからです。

「認知症=物忘れ」というイメージからか、老化による物忘れとよく間違えられますが、原因や症状は異なります。

【老化による物忘れと認知症の違い】

老化 認知症
原因 加齢による物忘れ 認知機能の障害
記憶 体験の一部を忘れる 体験そのものを忘れる
判断力 低下しない 低下する
自覚 忘れたことの自覚はある 忘れたことの自覚がない
症状の進行 進行はない だんだん進行する
生活への影響 大きな支障はない 支障が生じる

認知症はどのように進行していくのか?

認知症 進行-認知症のイメージ

認知症の進行速度は、人によって違いますが、認知症の種類によっても異なってきます。

認知症は原因によって、いくつかの種類に分かれます。

多くの人が発症する三大認知症は、以下の通りです。

  • アルツハイマー型認知症(アルツハイマー型)
  • レビー小体型認知症
  • 脳血管性認知症

それぞれの認知症の進行具合を見ていきましょう。

アルツハイマー型認知症の進行

認知症を発症している半数近くの方が、このアルツハイマー型認知症であると言われています。

アルツハイマー型認知症の主な症状は以下の通りです。

  • 物忘れなどの記憶障害
  • 人物や時間などの認識がうまくできない見当識障害
  • 計画を立てて物事がこなせなくなる実行機能障害
  • 道具の使い方や着衣の仕方がわからなくなる失行
  • 言語能力の低下

アルツハイマー型認知症は、年単位でゆっくりと進行していきます。

年単位でゆるやかに、記憶力・理解力・判断力が徐々に低下していき、日常生活に支障をきたしていくのです。

もちろん、経過には個人差がありますが、急に症状が進行する場合は、アルツハイマー型認知症ではないと考えられます。

急に悪化したり、目に見えて症状が進行したりする場合は、別の原因を考えましょう。

アルツハイマー型認知症は若い時から予兆がある?

アルツハイマー型認知症は、認知症としての症状が出る10年~20年前から、脳の中に異常なタンパク質が溜まり始めるということが、研究によって判明されました。

ですので、認知症の症状が出るずっと前から、脳は発症に向けて徐々に変化し始めているのです。

そしてある日を境に、認知機能に障害が現れ始め、生活に支障をきたすようになり認知症と判断されるのです。

認知症と判断されたからといって、いきなり進行のスピードが速くなるわけではないので、その日から突然今まで出来ていたことができなくなるというわけではありません。

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レビー小体型認知症の進行

レビー小体型認知症は、レビー小体が脳内に生じることで脳神経細胞が破壊され、発症するとされています。

レビー小体型認知症の主な症状は以下の通りです。

  • 認知機能障害
  • 幻視
  • パーキンソン症状

レビー小体型認知症の進行には、波があります。

認知機能の調子がいい時と悪い時を繰り返しながら進行していくのです。

日にちや時間帯によって、症状に変動があるということですね。

脳血管性認知症の進行

脳血管障害によって生じる認知症を、脳血管性認知症といいます。

脳血管性認知症の主な症状は以下の通りです。

  • 記憶障害
  • 認知機能障害

脳血管性認知症を発症させる脳血管障害とは、脳卒中による脳血管の詰まりや破れのことを指します。

そのため、発症後に脳出血や脳梗塞が起きるたびに症状が進行していくのです。

認知症の進行は4段階に分けられる!

認知症 進行-医師と話すシニア

認知症の進行は4段階に分けることができます。

各段階に進行した場合、どのような症状が現れるのか確認していきましょう。

  1. 前兆(軽度認知障害)
  2. 初期(軽度)
  3. 中期(中度)
  4. 末期(重度)

1.前兆(軽度認知障害)

認知症の前兆のことを、軽度認知障害(MCI)といいます。

この段階では認知症と同様にもの忘れのような症状はありますが、日常生活に支障をきたすほどの記憶障害は起きていません。

ですので、老化による物忘れと勘違いし軽く考えてしまう方がほとんどです。

たしかに、症状としては同じなので勘違いしてしまっても仕方ないですよね。

ただ、アルツハイマー型認知症の場合、脳の中に異常なたんぱく質が溜まり始めているため、そのまま放置しておくと高い確率で認知症へ進行していきます。

軽度認知障害からアルツハイマー型認知症に移行するまでの期間は人それぞれですが、この段階で早期発見・早期治療を行えば進行を遅らせることも可能です。

また、しっかりとした治療を行えば、健康な状態に戻る可能性も近年では指摘されています。

2.初期(軽度)

初期症状でよく見られるのが記憶障害です。

老化によるもの忘れとは違い、直前の出来事を忘れてしまったり、何度も同じことを聞き返してしまったりするようになります。

軽度認知障害と区別することが難しいのですが、初期症状では日常生活に支障をきたす場合もあります

しかし、車の運転や料理など長年続けてきた作業はいつも通りできるため、周りの人が気づかないこともあるのです。

こうなってしまえば早期発見も難しいので、注意が必要です。

しかし、今まで出来ていたことが出来なくなるということは増えていきます。

急にできなくなることが増えるのは、恐怖を感じ自信を失ってしまいますよね。

そのため生活に対する意欲の低下が見られるので、認知症ではなくうつ病と疑われることも少なくありません。

3.中期(中度)

中期になると記憶障害は加速していきます。

新しい出来事は覚えられなくなり、忘れないようにと書き留めていたメモもその存在自体を忘れてしまいます。

記憶を保つことが困難になるため、日常生活を自立して送ることは難しくなり、多くの場面でサポートが必要となるでしょう。

出来事自体を忘れてしまうため、食事をしたのに「食べていない!」などと言い出すのもこの時期からです。

「さっき食べたよ。」と教えても、本人は事実を忘れてしまっているため受け入れることができず、「家族がご飯を食べさせてくれない!」と周りの人に訴える事例もよくあります。

その際は、旬の食材を使って印象に残る献立にしたり、食後はすぐに後片付けをしたりしないなど、出来事に対する記憶の定着を促してみるのもいいかもしれません。

ご家族でお出かけをしたり、美味しいものを食べたりしても次の日にはほとんど忘れてしまうので、一緒に過ごしたご家族もの悲しい思いをすることが増えていくでしょう。

しかし、出来事自体を忘れてしまっても「楽しかった!」という印象は残るということが分かっています。

ですので、無理して出来事自体を覚えてもらおうとはせずに、その瞬間を一緒に楽しむよう心がけてみてください。

4.末期(重度)

末期になると、より重度な記憶障害が現れると思われがちですが、実際は中期の頃に比べ記憶障害は目立たなくなるのです。

なぜなら、意欲の低下によって物事に対する関心が薄くなり、忘れること自体がなくなるからです。

自発性も低下するので、何度も同じ話を聞き返すこともなくなります。

その代わり、ご家族を認識できなくなってしまったり、コミュニケーションを取ること自体が難しくなったりもします

ですので、サポートをするご家族もより辛い状況になるでしょう。

そして、生活を営む上で必要なすべての行為に介護が必要になってきます。

歩行障害などを見られるようになるので、ほとんどの時間をベッドで過ごし、徐々に寝たきりの状態になっていくでしょう。

免疫力も低下していくので、感染症などで亡くなるケースも考えられます。

認知症だけでは、死亡などのケースは考えられないと思っていたので、最悪の事態を招かないためにも、できるだけ早い段階で早期発見・早期治療に取り組みたいですよね。

さらに細かい認知症の進行状態を知りたい!

ニューヨーク大学のバリー・ライスバーグ博士は、認知症の状態や症状を7段階にして表しました。

その7段階の状態や症状を以下の表にまとめましたので、一度確認してみてください。

段階 状態・症状
段階1:認知機能の障害なし
(通常の機能)
認知能力に障害のない人は記憶能力の低下を経験しておらず、医療専門家との問診において問題がみられない。
段階2:非常に軽度の認知機能の低下
(加齢に関連した正常な変化、またはアルツハイマー病の最初期の兆候)
ど忘れしたように感じる。特に慣れていた言葉や名前、鍵やめがねなど、日常的に使用する物の置き場所などを忘れる。しかしながら、これらの問題は健康診断において明白ではなく、友人、家族、あるいは同僚にとっても明白ではない。
段階3:軽度の認知機能の低下 このような症状を持つ人の一部が初期段階のアルツハイマー病として診断される。友人、家族、同僚などが変化に気づき始める。記憶あるいは集中力における問題が臨床試験で計測可能な場合がある、あるいは詳細な問診において識別される場合がある。一般的には、次のような困難が見られる。

  • 家族やその他の親しい人々が、言葉あるいは名前が思い出せないのに気づく
  • 新しく知り合いになった人の名前を覚える能力が低下する
  • 家族、友人、あるいは同僚が、社会的あるいは職場における任務遂行能力の低下に気づく
  • 文章を読んでもほとんど覚えていない
  • 価値のある物品を失くす、または置き忘れる
  • 計画を立てたり整理する能力が低下する
段階4:中等度の認知機能の低下
(軽度あるいは初期段階のアルツハイマー病)
この段階では、注意深い問診により次のエリアにおいて明白な障害が発見される。

  • 最近の出来事についての知識の低下
  • 難しい暗算(例:100から7ずつ引いていく)を解くのが困難である
  • 複雑な作業、例えばマーケティング、お客を招いての夕食の計画、清算、支払いの管理などの実行能力の低下
  • 自分の生い立ちについての記憶の減少
  • 特に社交的な、あるいは精神的に困難な状況において、患者は引っ込み思案になる
段階5:やや重度の認知機能の低下
(中等度あるいは中期段階のアルツハイマー病)
記憶に主要な欠落箇所が見られ、認知機能における障害が見られる。日常活動においてサポートが必要となる。この段階では、次のような症状が見られる。

  • 問診において、現住所、電話番号、卒業した大学や高校名といった大切な情報を思い出せない
  • 場所、日付、曜日、季節などが混乱する
  • より簡単な暗算を解くことが困難である(例:40から4ずつ引く、あるいは20から2ずつ引く)
  • 季節や状況に応じた服装を選ぶのに助けがいる
  • 通常は自身についてのかなりの知識、自身の名前、配偶者、あるいは子供の名前は覚えている
  • 通常は食事およびトイレの使用に手助けを必要としない
段階6:重度の認知機能の低下
(やや重度あるいは中期段階のアルツハイマー病)
記憶障害が進行し、性格の大きな変化が見られたり、患者は通常の日常活動に大幅な手助けを必要とする。この段階では、次のような症状が見られる。

  • 最近の経験および出来事、および周囲の環境についてほぼ認識しない
  • 自分の生い立ちについては完全に思い出せないが、通常は自分の名前は覚えている
  • 配偶者や主要な介護者の名前を時々忘れるが、通常は知り合いと知らない人の顔を見分けることができる
  • 適切な着衣に手助けが必要である。監督なしでは、日中用の洋服の上に寝巻きを重ねたり、靴を誤った側に履くことがある
  • 通常の睡眠/起床サイクルが乱れることがある
  • トイレの使用に手助けが必要である(使用後に流す、ティッシュの適切な使用と廃棄)
  • 尿失禁や弁失禁の頻度が増加する
  • 性格が大きく変化し、疑心や妄想(例:介護者を詐欺師だと信じ込む)、幻覚(現実にはない物/音を見たり聞いたりする)、気を揉んだり、ティッシュペーパーを引きちぎるなどの強迫的または反復的な行動などの行動的症状がみられる
  • 徘徊し迷うことがよくある
段階7:非常に重度な認知機能の低下
(重度あるいは後期段階のアルツハイマー病)
これはアルツハイマー病の最終段階であり、患者は環境に反応したり、会話したり、最終的には体の動きを制御する能力を失う。この段階でも、単語や文章を口にする場合がある。この段階の患者には、食事やトイレの使用を含めた、ほぼ全般に渡っての日常介護が必要である。微笑んだり、手助けなしに座ったり、頭を正面に向けて保つことができなくなる場合もある。異常な反射反応をとるようになる。筋肉が硬直する。嚥下に障害が出る。

引用元 アルツハイマー病についての情報とリソース:段階

認知症が進行したら老人ホームへ入居しよう!

ご家族で協力して、認知症の方をサポートする家庭も多いと思います。

しかし、症状が進行していくと、徐々に介護は難しくなっていきますよね。

認知症の症状として暴言・暴力などもありますし、介護をしているご家族が辛い気持ちになることも増えてくると思います。

その状況で介護を続ければ、ご家族にもストレスが溜まり「介護うつ」にもなりかねません。

そのような状況を避けるためにも、認知症が進行したら老人ホームを利用するのはいかがでしょうか?

生活に関わる全般の介護をプロに任せることができるので、ご家族も安心でしょう。

認知症の方が入居できる老人ホームは、以下の4つの施設です。

  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 特別養護老人ホーム

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームはその名の通り、認知症の方専用の入居施設です。

入居人数が5人~9人と決められているので、少人数だからこそ十分なサポートを受けることができます。

レクリエーションやイベントなどによる認知症ケアも用意されています。

しかし、グループホームは地域密着型老人ホームですので、施設がある地域の住民票を持っている方やっと私がさっきで集金帰宅する鍵閉めちゃったしか入居することができません。

有料老人ホーム

有料老人ホームとは、生活支援サービスを受けられる施設のことです。

ある程度自立している方向けの施設になっているので、介護を目的として入居することはできません。

ですので認知症の方でも、症状が軽い方でないと入居することは厳しいでしょう

ただし、外部の介護サービスと契約して在宅介護サービスを利用することは可能です。

介護サービスを利用したい場合は、施設やケアマネージャーにしっかりと相談をしてから利用するようにしましょう。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅とは、「地域包括ケアシステム」の施策として創設された、バリアフリー対応の賃貸住宅のことです。

バリアフリーに対応しているだけではなく、医療スタッフや介護スタッフが常駐しています。

毎日数時間おきに「安否確認」「生活相談」を介護スタッフの方が行ってくれるので、ご家族の方からしたら安心して預けられる環境になっています。

夫婦共同で暮らすことも可能なので、いつまでも夫婦で一緒に暮らしたいという高齢者の方にもおすすめです。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームとは、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者が対象となっている施設であり、介護を受けながら生活することが目的となっています。

近年では看取りサービスにも対応しており、最期まで同じ施設で暮らすことも可能です。

公的施設のため、上記3つの施設よりも、比較的安価で入居することができます。

安い分、入居希望者が多いので、かなり長い期間入居待ちをする可能性もあります。

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まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

認知症の進行については理解していただけたでしょうか?

今回は認知症の種類によっての進行度合いや段階などを紹介しました。

しかし、実際の認知症の進行は人によって異なってきます。

介護をするご家族は、周りと比べることはせず、本人の進行に合った介護をするように心がけましょう!

ご家族での介護に限界を感じたら、無理をせずにプロに介護を頼んだり、老人ホームに入居したりなどの対応を検討してください!

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