介護老人保健施設(老健)は、医療ケアやリハビリを目的とし、短期間入所できるのが特徴の施設です。
公的施設なので、倒産の心配もなく、安心して利用することができます。
多くの人が利用を検討する施設のひとつでありますが、そこで気になってくるのは費用ですよね。
先ほども言ったように、公的施設なので、入居一時金はかかりません。
しかし、月額はサービス内容や利用する部屋によって異なってくるのです!
そこで今回は、介護老人保健施設(老健)の費用について解説していきたいと思います!
入居までの流れや、退去後はどうすればいいかなども紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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介護老人保健施設(老健)とは?
介護老人保健施設(老健)の概要 | |
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入所期間 | 3~6ヶ月程度 |
利用対象者 |
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サービス内容 |
|
介護老人保健施設(老健)とは、医療ケアやリハビリが必要な要介護者が入居できる施設です。
入居を経て、自宅での生活に復帰することを目的としています。
在宅復帰を目的としていますから、病院から老健へ入居する人がほとんどですが、リハビリを目的として自宅から入居する方もいます。
老健では、入浴や食事の介助、排せつ介助などの身体・生活介護サービスを受けることができ、医師や看護師による医療ケアまで受けることが可能です。
さらに、理学療法士などによる在宅復帰を目指したリハビリも行われます。
介護老人保健施設(老健)の費用は?
老健に入居したらかかる費用は、「介護サービス費」と「生活費」です。
老健は公的施設であるため、民間の有料老人ホームに比べ安く利用することができます。
入居一時金などの初期費用も一切なく、月額費用も安いです。
居住費や食費も、家庭の所得に応じて負担軽減措置もとられています。
介護サービス費
介護サービス費とは、介護・看護サービスを受けた際に発生する費用です。
要介護度が高くなるほど費用は高くなります。
しかし、所得に応じて自己負担額は1~3割に変動します。
以下の表は、東京のある老健の費用例です。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
---|---|---|---|---|---|
従来型個室 | 21,480円 | 22,890円 | 24,780円 | 26,370円 | 27,960円 |
多床室 | 23,760円 | 25,230円 | 27,120円 | 28,620円 | 30,330円 |
ユニット型準個室 | 23,850円 | 25,260円 | 27,210円 | 28,800円 | 30,420円 |
※1ヶ月=30日とした場合
※自己負担1割の場合
生活費
生活費とは、家賃や水道光熱費などにあたる居住費と食費、その他諸々の費用のことです。
居住費と食費に関しては、利用者に負担がかかり過ぎないよう、4つの区分に分けられた軽減措置が取られています。
区分 | 対象者 |
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第1段階 |
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第2段階 | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下 |
第3段階 | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円超 |
第4段階 | 市町村民税課税世帯 |
こちらの区分に基づき、居住費と食費の負担限度額は以下のように設定されています。
【食費】
第1段階 | 9,000円 |
---|---|
第2段階 | 11,700円 |
第3段階 | 19,500円 |
第4段階(一般料金) | 41,400円 |
【居住費】
第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | 第4段階(一般料金) | |
---|---|---|---|---|
ユニット型個室 | 59,100円 | 24,600円 | 24,600円 | 39,300円 |
ユニット型純個室 | 49,200円 | 14,700円 | 14,700円 | 39,300円 |
従来型個室 | 49,200円 | 14,700円 | 14,700円 | 39,300円 |
多床室 | 11,100円 | 0円 | 11,100円 | 11,100円 |
介護サービス加算費
施設によっては、サービス費が加算されることもあります。
基準以上のサービスを行っていたり、環境やサポート再生を整えていたりする場合です。
介護サービス加算額は、項目ごとに定められています。
項目 | 詳細 | 1日(月/回)あたりの費用 |
---|---|---|
療養食加算 | 管理栄養士や栄養士によって食事の提供が管理されていること。加えて年齢や心身状況などによって適切な栄養量・内容の食事を提供していること | 23円/日 |
口腔機能維持管理加算 | 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が入所者に口腔ケアを月4回以上実施していること | 110円/月 |
認知症専門ケア加算 | 入所者のうち、認知症自立度Ⅲ以上の入所者の割合が5割以上で、なおかつ認知症介護実践リーダー研修修了者の配置数など、一定の条件を満たした施設である場合に発生 | 3~4円/日 |
退所時相談援助加算 | 退所後の介護サービスなどの利用に関する相談の援助を実施し、かつ指定の条件で市町村などにその情報を定期用した場合に発生 | 400円/回 |
看取り介護加算 | 指定の条件を満たした状態で看取りを行った場合に発生 | 死亡日:1280円/日 死亡日前日及び前々日:680円/日 死亡日以前4日以上30日以下:80円/日 |
夜勤職員配置加算 | 夜勤職員が20対1以上で2人以上の場合 | 240円/日 |
サービス提供体制強化加算 | 介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が60%以上 | 180円/日 |
介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が50%以上 | 120円/日 | |
看護・介護職員の総数のうち、常勤職員の占める割合が75%以上 | 60円/日 | |
短期入所療養介護又は老健の利用者等を直接処遇する職員の総数のうち、 勤続年数3年以上の者の占める割合が30%以上 |
60円/日 |
ここで紹介したのも一部ですが、このようにサービス費用は加算されてきます。
意外と細かく決められていますよね。
筆者としては、「これくらいならサービスでやってくれてもいいのに…」と思う項目がいくつか見受けられました…(笑)
介護老人保健施設(老健)の設備の特徴は?
老健にある主な設備は、以下の通りです。
- 居室
- 診察室
- リハビリテーション室
- 食堂
- 浴室
- 調理室
など
ほぼ他の老人ホームと変わりませんが、リハビリ室などが完備されているのが特徴でしょう。
居室は4種類あり、面積などの規定もあります。
- 従来型個室:10.65㎡以上
- 多床室:1人あたり8㎡以上(定員4名以下の場合)
- ユニット型個室:10.65㎡以上
- 準ユニット型個室
規定サイズを満たした部屋の中に、ベッドやタンスなど必要な家具が置かれます。
介護老人保健施設(老健)への入居までの流れ
老健へ入居するには、希望する施設に直接申し込みをするのがほとんどです。
病院に入院していた場合は医療ソーシャルワーカーに、在宅介護を受けている場合はケアマネージャーに相談をしましょう。
入居前には施設スタッフと面談を行い、現在の身体状況や医療ケアの有無を確認します。
特に問題がなければ、必要書類を施設へ提出し、無事入居となります。
老健退所後はどうすればいいのか?
老健には、3ヶ月ごとに入退所が判断される検討会議があります。
そこで、在宅復帰が可能と判断された場合は、退所をしなくてはいけません。
入所期間も大体3ヶ月~6ヶ月ですので、退所後はどのように生活するのか決めておくようにしましょう。
引き続き介護サポートを必要とする場合は、違う老人ホームへ入居するのか、在宅介護サービスを受けるのか、どちらかになるはずです。
どちらの介護サービスが、利用者とそのご家族の希望に沿っているのか、しっかり話し合って決めるようにしましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護老人保健施設(老健)の費用については理解していただけたでしょうか?
誰しもが、落ち着く自宅で生活したいという想いを持っているはずです。
在宅復帰を目指す方は、老健への入居を検討してみてはいかがでしょうか?