「介護難民」とは、介護が必要にも関わらず、自宅や介護施設、病院などでも十分な介護サービスを受けることができない人のことを指します。
介護が受けられないというのは日常生活や命を危険な状態にさらすことにも繋がりかねませんから、注目されている社会問題のひとつでもあります。
少子高齢化が進み、介護というのは身近なものになりつつありますから、いつ親族や自分が介護難民になるかはわかりません。
実際に、身近な人が「介護難民」にならないよう、介護難民についてしっかりと理解しておく必要があります。
そこで今回は、介護難民について詳しく説明していきたいと思います!
介護難民の原因やならない方法についても詳しく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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介護難民とは?
介護難民とは、身体状況の環境で介護が必要にも関わらず、十分な介護サービスを受けられていない方のことを指します。
介護難民は年々増加傾向にあり、2025年には約43人の高齢者が介護難民になると予測されているのです。
この介護難民とは、老人ホームや病院などの受け入れ先がないといった状況だけでなく、在宅でも必要な介護を受けられないといった状況も含まれます。
全国の高齢者が介護難民になるわけではない
実は、介護難民は全国的に問題視されているわけではありません。
主に、東京近郊の一都六県で介護難民が増加する傾向にあると言われています。
かつての日本では高度経済成長の波に乗り、東京近郊に働きに出てくる人が多くいました。
そのような方たちは、現在高齢者となり介護が必要な年代に変化しつつあります。
進学や就職を機に、東京へ出てくる人の波は変わることなく、将来的にも介護難民の東京一極集中はこのまま続いていくでしょう。
東京では介護施設の土地確保も難しいため、高齢者が増えても十分な施設の用意ができず、介護難民の問題はなかなか解決に繋がらなそうですね。
介護難民の5つの原因
介護難民が増える原因には、主に以下の5つの原因があげられます。
それぞれの原因を詳しくみていきましょう。
- 高齢者の増加
- 介護施設の不足
- 介護職員の不足
- 家族が介護を行えない
- 介護費用の問題
1.高齢者の増加
現在の日本では、少子高齢化が進んでいます。
第二次世界大戦後のベビーブームで生まれた団塊世代たちがちょうど高齢者になる年代なので、どんどん高齢者が増えてきているのが現状です。
また、医療が発展し日本人の平均寿命が延びているのも高齢者増加の要因のひとつです。
2.介護施設の不足
ここで一点注意していただきたいのは、介護施設が減少しているわけではないということです。
介護施設自体は増設しているものの、高齢者が増加しているため、施設を利用したいと考えている高齢者に対して明らかに施設が不足しているのです。
介護が必要で介護施設に入居したくても、空きがないとなると、介護難民となってしまうことを余儀なくされてしまいますよね。
3.介護職員の不足
介護施設同様、介護職員も利用者に対して不足しています。
介護職の求人は増えているものの、職員数が足りなかったり、業界の厳しさから応募が減ってしまったりしているのが現状です。
介護施設に入居できたとしても、介護職員が不足していることで十分な介護サービスを受けられないこともあります。
老人ホームに入居しているのに、結局は介護難民になってしまうというのは避けたい状況ですよね。
4.家族が介護を行えない
ご家族が十分な在宅介護を行えないというのも、介護難民を生み出す要因のひとつです。
これは、ご家族に介護のスキルがないという話ではなく、親家族と子家族が同居して暮らすケースが少なくなり、核家族化が進んでいることが原因です。
また、一緒に暮らしていても夫婦共働きが増え、日中は介護をしてあげられないといった状況もありえます。
5.介護費用の問題
介護サービスを受けるにはお金がかかり、介護保険制度はありますが、費用が少ないと十分なサービスが受けられません。
費用不足で本来必要な介護サービスを受けることができず、介護難民になってしまうケースも少なくありません。
介護難民にならないための4つの方法!
介護難民にならないための方法を、4つ紹介していきます。
それぞれの項目を詳しくみていきましょう!
- 介護資金を貯めておく
- 家族がしっかりサポートする
- 健康寿命を延ばす
- 地方に移住する
1.介護資金を貯めておく
十分な介護サービスを受けるには、お金が必要ということがわかりましたね。
すべてがすべて高いというわけではありませんが、費用が安いものはやはり人も多く集まります。
そのため、利用するまでに時間がかかることもあるでしょう。
たとえば老人ホームだと、公的施設は費用を安価に抑えて入居できます。
その中でも、特別養護老人ホーム(特養)は介護サービスの質も高く、非常に人気が高いです。
その代わり、要介護3以上と厳しい入居条件があるにも関わらず、半年以上の入所待ちを強いられることもあります。
介護に関して「費用」というのは最も重要視される項目のひとつで、このように安い老人ホームや介護サービスに人気が集まるのは仕方のないことなのです。
「介護サービスを利用したい」と思ったときにすぐに利用できた方が、もちろんいいですよね。
できる限り費用を用意して、選べる介護サービスも幅を広くしておくことが大切でしょう。
特養に早く入る裏ワザ
費用が安くて、介護サービスの質も高い特別養護老人ホーム。
介護が必要になったら入りたいとは思いますよね。
しかし、前述したように入居待ち期間がとにかく長いです。
その中でも入居できた人というのは、何年も前から入居待ちしていたのではなく、「特養に早く入れる裏ワザ」を駆使していたのです。
特養に早く入れる裏ワザは以下の通りです。
- 複数の施設に登録をしよう!
- 申込用紙の特記事項は必ず埋めよう!
- 狙うはユニット型!
- デイサービスなどを利用して顔を売ろう!
- 空室状況はこまめにチェックしよう!
- “ショートのロング”で長期入所しよう!
- 専業主婦なら働きに出よう!
詳しくは下記の記事で詳しく説明していますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
2.家族がしっかりサポートする
親や配偶者が介護を必要としたら、ご家族がしっかりサポートしてあげるようにしましょう。
資金面だけでなく、ご本人がいつまでも自宅で暮らせるよう、ご家族が在宅で介護を行える環境を整えておくことが大切です。
日中は訪問介護やデイサービスなどを利用しながら、ご家族でサポートしていける環境を整えることができれば、老人ホームという選択肢がなくても安心です。
ただ、在宅介護行う際に誰か一人にだけ負担がかかってしまう状況なら注意が必要です。
高齢者虐待などの問題もあるように、たった一人で介護を行うと休みがなく非常にストレスを感じやすくなってしまいます。
ご家族内でしっかり介護を分担するか、どうしても無理な場合は老人ホームへの入居も視野に入れるようにしましょう。
3.健康寿命を延ばす
健康寿命を延ばすことができれば、必然的に介護を必要とする年齢が遅くなります。
介護難民にならないために、できる限り健康でいて自立して生活できる状態を長続きさせましょう。
毎日適度な運動をしたり、できる家事は自力で行ったりすることで日常の生活機能の低下は防ぐことができます。
「健康寿命を延ばす!」ということを目標に、具体的な介護予防に取り組むのもいいかもしれませんね。
また、介護予防に関しては男性の方が意識して行うべきでしょう。
女性は仕事で定年を迎えた後でも、家事などの日常的な仕事を行う傾向があるため、毎日意識しなくとも身体が鍛えられていることがあります。
しかし、男性でも特に仕事一筋だった方は、家の中にいても何をしていいかわからずぼーっとしてしまうことが多いかもしれません。
男性でも家事を積極的に行うなどして、日常生活の中に自分でできることを増やしていくことが大切でしょう。
4.地方に移住する
介護難民は、東京近郊などの都市部で起こりやすいと説明しました。
やはり、高齢者人口が多いうえに施設のために土地確保ができないため、介護難民が出てきてしまうのは仕方のないことでしょう。
そのため、「介護が必要になったら老人ホームに入居したい」と考えている方は、地方に移住するのもひとつの手でしょう。
地方は介護施設と職員数に余裕があり、都市部よりも介護サービス費用が安くなっています。
実際に、将来の介護に備えて元気なうちから地方に移住をしている方も多くいますよ。
都市型軽費老人ホームを利用しよう
都市部の介護難民は、とても大きな問題となってきています。
都市部だと介護施設の数が少ないにも関わらず、費用も高いので老人ホームに入居しようという決断は安易に下せないですよね。
しかし、最近では都市部でも低価格で入居できる老人ホームの増設が進んでいるのです。
それは、「都市型軽費老人ホーム」です。
主に東京都で開設が進んでおり、他の軽費老人ホームよりも基準を緩くすることで、定価で入居できる施設の増設を計っています。
もともと利用料が安く設定されていますが、収入によって減免措置もありますので、さらに安価で利用できる可能性もありますよ。
まとめ∼介護難民の原因∼
最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護難民の原因については理解していただけたでしょうか?
高齢者の増加や介護職員の不足など、さまざまな社会問題が原因となっていることがわかりましたね。
介護難民になることを避けるために、在宅で介護を行うにしても地方に移住するにしても、ご本人とそのご家族でしっかり話し合っておくことが必要ですね。
ご本人が元気なうちに、理想の老後の過ごし方についてなど、聞いておくようにしましょう!
介護が必要になっても、快適な環境で必要な介護サービスを受けて生活できることを、心より祈っています!