世界的に猛威を振るっている、新型コロナウイルス。
その感染は日本でもとどまることを知りません。
新型コロナに関するニュースでは、「クラスター発生」などの言葉をよく聞きますよね。
病院での集団感染が話題となっていますが、介護施設での集団感染も問題視されています。
高齢者は感染のリスクが高く、発症後は死亡してしまうケースも少なくないからです。
そこで今回は、介護施設の集団感染について解説していきたいと思います。
実際に介護施設が行なっている対応なども解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
※本ページにはPRが含まれます。
アメリカの介護施設での新型コロナ集団感染!
トランプ大統領が記者会見で取り上げたことにより、ワシントン州の高齢者施設での集団感染が話題になっています。
ワシントン州の高齢者施設では、集団感染により35人が死亡をし、「高齢者施設への対応を特別に強めている」とトランプ大統領は強調しました。
アメリカでは感染者が100万人を超え、死者も6万人を超えるなど、状況は日々悪化しています。
全死者数のうち、少なくとも7000人は介護施設での感染で死亡した高齢者と言われています。
1300以上の介護施設で集団感染が確認されており、なんとその施設数はアメリカ国内にある施設の約1割にあたるのです。
介護施設は狭い空間に多くの人が集まっており、少人数のスタッフが全ての人と接触をするので感染拡大のリスクがとても高いです。
高齢者は感染してしまった場合、状態が悪化するリスクが高く、元々疾患がある高齢者にとっては特に致命的です。
高齢者だけではなく介護スタッフ内でも感染が広がったり、感染を恐れて仕事を休んだりと、人手不足も問題視されています。
このような状況が、現在問題となっている「介護崩壊」に繫がっているのです。
カナダでは介護施設での感染者が放置されたという事例も…
カナダの介護施設でも集団感染が広がり、たった数週間の間で31人が死亡したという事例があります。
なんとこの介護施設では集団感染が起きているにもかかわらず、入居者全員が放置されていたという実態が明らかになりました。
感染を起こされた介護スタッフの離職が続いたため、入浴や排泄などの適切な介助を受けることができず、何日間もの間、食事もろくに与えられていない状態だったのです。
新型コロナによる介護崩壊は、このように健康な高齢者にまで悪影響を及ぼしてしまうのです。
日本でも介護施設の集団感染は起きている!
日本でも介護施設の集団感染は起きています。
千葉県ではこれまで県内で亡くなった31人のうち、半数以上である17人は高齢者であることを明らかにしました。
この17名の高齢者は、集団感染が発生した2つの介護施設の入居者だったのです。
高齢者は感染した後のリスクが高く、元々循環器系の疾患を持っている人は死亡に繋がりやすいということまで明らかになりました.
参考 NHK NEWS WEB
介護施設の新型コロナへの対応は?
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が、4月7日に発令されましたね。
緊急事態宣言が出たことによって、介護施設はどのような対応を取っているのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、以下のような提言がされています。
感染が流行している地域においては、福祉施設での通所サービスなどの一時利用を制限(中止)する、入院患者、利用者の外出、外泊を制限(中止)する等の対応を検討すべきである。
引用元 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言
厚生労働省は、デイサービスなどの通所施設とショートステイなどの短期間入所施設のみ使用の制限や休業が要請できるとしています。
今のところ国からの休業要請は出ていませんが、全国で800か所以上のデイサービスやショートステイなどの事業所が休業をしています。
また多くの入居者がいる老人ホームでは、国からの休業要請はされませんが、新規の入居受付は停止しているところが多いです。
デイサービスは訪問介護などでサービスを続けている!
デイサービスは密接・密集・密閉の「三密」に該当してしまい、通所サービスを中止する事業所も多く出てきています。
しかし、いくら感染拡大防止のための休業でも、介護ナシでは生活できない人も多くいますよね。
そのためデイサービスでは、介護スタッフが利用者の自宅を訪問するなどして、介護サービスを提供しています。
介護スタッフが訪問することで、他の利用者との密集を避けることができ、支障をきたさないで日常生活を送ることができます。
ご家族で介護をしている家庭も増えている!
新型コロナ感染のリスクを考え、自らデイサービスなどの利用を中止するご家庭もいらっしゃいます。
そのようなご家庭は、ご家族で協力し合って介護をしているのです。
新型コロナの影響でお仕事がお休みになった方も多く、日中介護に当てる時間ができたからでしょう。
しかし、今までプロに任せていた介護です。
いきなり介護を始めたとしても、慣れないことは多いですよね。
そのような方は在宅介護サービスを利用してみるのはいかがでしょうか?
「他人が家に上がるのは、感染の恐れがあってこわい…」と思う方は、最低限の介護サービスでも構いません。
慣れない介護を無理して続けてしまうと、要介護者とそのご家族ともにストレスが溜まってしまいます。
外出自粛の世の中で、家の中にストレスの原因があったら息苦しくなってしまいますよね。
介護ストレスの軽減と、スムーズに介護を行うためにも、在宅介護サービスの利用をオススメします。
また、こんな時期ですと病院にも行きづらいですし、訪問で行ってくれる医療サービスも紹介していきます。
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問リハビリテーション
- 訪問看護
訪問介護
訪問介護とは、ホームヘルパーが要介護者などの自宅を訪問し、利用者が必要としている介護を提供するサービスです。
サービスを行う人は、訪問介護員といい「介護福祉士」や「ホームヘルパー」を指します。
ホームヘルパーとして働けるのは、「介護福祉士」「介護員養成研修修了者」「介護職員初任者研修修了者」など、専門的な知識を持ち資格を取得した人たちです。
訪問介護では、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つのサービスを行ってくれます。
「身体介護」では、主に食事介助・排泄介助・着脱介助・入浴介助が主なサービス内容です。
「生活介助」では、洗濯・掃除・買い物など、日常生活に必要な支援を行ってくれます。
「通院等乗降介助」では、通院の際に必要な乗車や降車を介助するサービスのことです。
訪問入浴介護
看護師や介護職員が、巡回入浴車で自宅を訪問し、入浴介助してくれるサービスです。
自宅の浴槽が利用できない人や、デイサービスなどを利用しているため入浴には介助がない人が、通常ではこのサービスを利用しています。
入浴前に血圧・体温測定などの体調確認が必ず行われ、体調に問題があったら部分浴や清拭に変更される場合もあります。
訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が利用者の自宅でリハビリを行ってくれるサービスです。
自立できる人には歩行訓練、歩けない人には筋力をつけるための訓練、寝たきりの人には離床を促すなど、身体状況に合わせてリハビリを行ってくれます。
リハビリの内容によっては、環境を整えるために住宅のリフォームも必要となってきます。
訪問看護
訪問看護とは、疾患のある利用者の自宅を看護師などが訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスのことです。
医療処置に関わる対応をするので、医師が必要と認めた要介護者のみサービスを受けることができます。
具体的には以下のようなサービスが行われています。
- 血圧や体温、病状のチェック
- 入浴・食事・排せつ介助
- 医療処理
- 医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器など)
- 身体機能回復や嚥下機能訓練などのリハビリテーション
- ご家族への介護指導や相談
訪問看護サービスを提供しているのは、病院・診療所と看護ステーションです。
実際に利用者の自宅を訪ね、サービスを提供するのは、看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保健士などの専門スタッフです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護施設の集団感染については理解していただけたでしょうか?
新型コロナの感染は治らず、多くの人が毎日不安を抱えて生活しているでしょう。
リスクが高い高齢者をはじめ、これ以上感染者を増やさないためにも、今自分ができることは何なのか今一度考えてみましょう。
そして、介護サービスの提供を止めないように働いてくれている介護業界の人たちへの感謝も忘れてはいけません。