『老人ホームの種類が多すぎてどうやって選べばいいか分からない…。』
『お金をあまり掛けたくないのだけれど、どうしたらいいの?』
親の在宅介護に限界を迎えて、老人ホームに入れようと考えた方も多いですよね。
老人ホームにはたくさん種類があり、入居条件もまちまちです。
各施設の入居条件や比較を行い、どの施設があなたに向いているかを説明します。
『施設の選び方がわからない…。』という方はぜひ参考にしてください。
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民間施設と公的施設の差は?
老人ホームには【民間施設】と【公的施設】の2種類あります。
まずは民間施設と公的施設の差についての理解を深めましょう。
民間施設
公的施設は、民間企業や医療法人によって運営されている施設のことです。
老人ホームに入る人の状況に合わせてサービスを選ぶことができます。
費用やサービス内容など、施設によって異なるのが特徴です。
公的施設
公的施設は、国や自治体などの公的機関が運営している介護施設のことです。
設立の際は国から補助金が発生するので、民間施設よりも低額で利用することができます。
しかし、費用が安い分、施設に入るまで期間が空いてしまうことがあるでしょう。
老人ホームの種類
民間施設と公的施設の差を踏まえて、現在の日本にある老人ホームの種類を紹介します。
分かりやすいように、表を作成したのでぜひご覧ください。
種類 | 年齢 | 入居時の費用 | 月額 | 要介護 | 入居のしやすさ | |
---|---|---|---|---|---|---|
民間施設 | 介護付き有料老人ホーム | 65歳以上 | 0~数千万 | 20~30万程度+介護サービス費 | 必要になる場合あり | 〇 |
住宅型有料老人ホーム | 60歳以上 | 0~数千万 | 15~30万円程度+介護サービス費 | 必要なし | 〇 | |
サービス付き高齢者向け住宅 | 65歳以上 | 数十万 | 5~25万程度 | 3以上 | 〇 | |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 65歳以上 | 0~100万程度 | 10~20万程度 | 2以上 | △ | |
シニア向けマンション | 施設ごとに異なる | 1000万~数億円 | 10~30万 | ない方が良い | × | |
公的施設 | 特別介護老人ホーム | 65歳以上 | 0円 | 10~20万 | 3以上 | × |
介護老人保健施設 | 65歳以上 | 0円 | 10~20万 | 1以上 | △ | |
介護療養型医療施設 | 制限なし | 0円 | 5~20万 | 1以上 | △ | |
軽費老人ホーム(ケアハウス) | 65歳以上 | 30~数百万 | 10~20万 | 1~2 | △ |
民間施設
まずは民間型の老人ホームについて説明します。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- シニア向けマンション
介護付き有料老人ホーム
施設ごとに決められた入居条件を満たしていることで、入居が許可されます。
介護付き有料老人ホームには、要介護者と診断を受けた方だけが入れる『介護専用』と、自立をしている方と要介護の方が混在している『混在型』の2つの種類があります。
混在型の施設では、自立できていることが前提となる場合があります。
入居時の状況に応じてサービス内容が変わります。
主なサービス内容は【食事・掃除・生活支援・入浴・排泄支援・リハビリ・レクリエーション】です。
介護付き有料老人ホームに入居する方・家族の方のメリット
- 24時間介護サービスを受けられる
- 希望している介護付き有料老人ホームに入居しやすい
- 持病を持っていたとしても入れる
- 入居者同士の交流
- 身体状況を逐一報告してもらえる
- 家から近くであれば、すぐに会いに行ける
介護付き有料老人ホームに入居する方・家族の方のデメリット
- 馴染めるまでは憂鬱
- サービスの質は介護付き有料老人ホームごとに異なっている
- 月々の費用や初期費用が高い
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、ある程度自立できている高齢者を対象とした、生活支援のサービスが付いた施設です。
入居後に介護が必要になったら、外部サービスと契約し在宅介護サービスを利用することができます。
介護サービスを利用することで、住宅型有料老人ホームに住み続けることができるのです。
主なサービス内容は【食事・掃除・生活支援・入浴・排泄支援・リハビリ・レクリエーション】です。
住宅型有料老人ホームに入居する方・家族の方のメリット
- 入居者同士の交流
- 介護付き有料老人ホームよりは安く済む
- 外部の在宅介護サービスと連携することが可能
住宅型有料老人ホームに入居する方・家族の方のデメリット
- 生活パターンが決まっているため、自由な生活を送れない
- 要介護が進んでしまうと、出されてしまう
- 外部のサービスと連携しすぎると、費用が高くなる
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅には、常駐する医療スタッフや介護スタッフの方います。
しかし、施設によって人員配置は変わってきますので、事前に確認しておくようにしましょう。
主に【食事・掃除・生活支援・入浴・排泄支援・リハビリ・レクリエーション】のようなサポート内容です。
毎日数時間おきに『安否確認』と『生活相談』を介護スタッフの方がやってくれるので、かなり安心できます。
夫婦共同で暮らせるような部屋もあり、施設自体がバリアフリー仕様になっているため室内でのケガの心配もありません。
施設によって異なりますが、レストランや温泉などの施設が設置されていることもあり、入居者同士でのコミュニケーションも取ることができます。
サービス付き高齢者向け住宅に入居する方・家族の方のメリット
- 自由度が高い生活ができる
- バリアフリー化されているため、住みやすい
- マンションと同じで個室なのでプライバシーも保護されている
サービス付き高齢者向け住宅に入居する方・家族の方のデメリット
- 要介護のレベルが進んでしまうと出されてしまう。
- サービス内容が施設ごとに違うため、施設を選ぶのが難しい
- 外部のサービスと連携しすぎると、費用が高くなる
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
グループホームとは、要支援2以上の認知症と診断された方が入居できる老人ホームのことです。
主なサービス内容は、【食事・掃除・生活支援・入浴・排泄支援・リハビリ・レクリエーション】です。
基本的には他の施設と変わりません。
生活の施設内には、【キッチン・ダイニングルーム・リハビリ施設・レクリエーションルーム・健康チェックルーム】などが備わっています。
定員が少人数になっているので、他の入居者や介護スタッフとコミュニケーションをとりながら、アットホームな雰囲気で生活することができますよ。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居する方・家族の方のメリット
- 認知症向けの介護施設なので、認知症の方を安心して任せられる
- レクリエーションや家事分担を行い、認知症の緩和を目指せる
- 老人ホームに比べてやや低価格
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居する方・家族の方のデメリット
- 要介護2以上でないと入居することができない
- 施設が少ないため待機時間が長い・いつ入れるか分からない
- 看護師の配置義務がないため、医療ケアが薄い
シニア向けマンション
基本的には、マンションを同じ形態なので、身の回りのサポートはありません。
最低限『安否確認』と『生活相談』のサービスが受けられます。
施設によってですが、買い物代行サービスのようなサービスを行っているシニア向けマンションもあります。
また、契約方法も一般的な分譲マンションと同じなので、入居することで部屋は資産扱いとなります。
いずれかは子供たちに受け渡したり、売ったりすることもできるというわけです。
シニア向けマンションに入居する方・家族の方のメリット
- レクリエーション施設や娯楽施設が豊富
- 物件は購入しなければならないので、売却することができる
シニア向けマンションに入居する方・家族の方のデメリット
- 物件は購入しなければならないので、初期費用が高い
- 固定資産税も掛かる
- 要介護のレベルが上がってしまうと暮らすことができなくなる
公的施設
ここからは、公共型の老人ホームについて解説していきます。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
- 軽費老人ホーム(ケアハウス)
特別介護老人ホーム(特養)
要介護3以上の方が入居できる老人ホームです。
身の回りのことを自分でできなくなった方が入るため、身の回りの世話が基本的なサービス内容となります。
具体的な、サポート内容は【食事・掃除・生活支援・入浴・排泄支援・リハビリ・健康管理】です。
特別介護老人ホームに入居する方・家族の方のメリット
- 公的な施設であるため、安価で入居できる
- 看取り対応している
特別介護老人ホームに入居する方・家族の方のメリット
- 要介護3以上と診断されていないと入れない
- 入居までに時間がかかる(数か月から数年)
介護老人保健施設(老健)
特別介護老人ホームと違って、在宅復帰を目指すことになります。
在宅復帰に必要なリハビリが主なサービス内容となります。
介護老人保健施設に入居する方・家族の方のメリット
- リハビリを受けることで、自宅復帰もできる
- 初期費用が掛からない
- 月額料金も民間の老人ホームと比べると安い
- 要介護1からでも入居できる
介護老人保健施設に入居する方・家族の方のメリット
- 3~6ヶ月しか入っていられない
- 薬の制限がされる
介護療養型医療施設
重度の要介護患者に対してリハビリを提供する場です。
主に医療系のサービスが多く、生活補助系のサービスは少ないです。
介護老人保健施設に入居する方・家族の方のメリット
- 医療のサポートが手厚い
- リハビリサポートが受けられる
- 利用料が安い
介護老人保健施設に入居する方・家族の方のメリット
- 入居までに時間が掛かる
- 楽しめるようなサポートはない
軽費老人ホーム(ケアハウス)
軽費老人ホームには『一般型』と『介護型』の2種類あります。
一般型は、自立は出来ているけれど、一人暮らしに不安がある方を受け入れています。
一方で、介護型では要介護と診断されている高齢者を受け入れています。
軽費老人ホーム(ケアハウス)に入居する方・家族の方のメリット
- 費用が安い
- 介護型の軽費老人ホームであれば要介護レベルが上昇しても追い出されることがない
- 個室なのでプライバシーが守られる
軽費老人ホーム(ケアハウス)に入居する方・家族の方のデメリット
- 施設によってサービスの手厚さが変わる
- 介護型の軽費老人ホームだと費用が高い
老人ホームを探すときの注意点
まずは、老人ホームはご家族だけで決めるのではなく、入居者本人としっかり話し合いましょう。
老人ホームでどのような生活を送りたいのか、話し合っておくことが大切です。
もしこの記事を読んでいるのが、老人ホームに入るご本人様であれば、一度理想の生活について深く考えてみましょう。
理想の生活について整理できたのであれば、次は老人ホームを探しです。
条件に合っていると感じた老人ホームを見つけも、すぐに入居するのではなく、見学・体験入居をして実際に老人ホームの中を見てください。
1つの老人ホームだけをみても、比較対象が無く決めにくいので、気になった老人ホームは全て見学するようにしましょう。
全てを比較して、一番良かったと思えるところに入居すればミスマッチを防ぐことができます。
ミスマッチを起こしてしまうと、生活がとても億劫になってしまうので気を付けてください。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
老人ホームの種類について理解していただけたでしょうか>
色々なサービス内容がある中で、ひとつの老人ホームを選ばなければならないのは大変ですよね。
ぜひ今回の記事を参考に、老人ホーム探しをしてください!
きっと、ご本人に合った老人ホームを見つけられるでしょう。
素敵な老人ホームに出会えることを、心より祈っています!